被相続人と相続人の違いとは?相続手続きで必要な確認方法を司法書士が解説

相続手続きを進めるときに、「被相続人」「相続人」「法定相続人」という言葉を目にすることがあります。

被相続人とは、亡くなって財産や権利義務を残す人のことです。一方、相続人とは、被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人のことです。

たとえば、父親が亡くなり、配偶者や子どもが財産を相続する場合、亡くなった父親が被相続人、配偶者や子どもが相続人になります。

相続手続きでは、誰が被相続人で、誰が相続人になるのかを正確に確認する必要があります。相続人が一人でも漏れていると、遺産分割協議が無効になったり、相続登記や預貯金の手続きが進まなくなったりする可能性があります。

この記事では、被相続人と相続人の違い、法定相続人の範囲、相続人を確認する方法、必要書類、相続人を間違えた場合のリスクについて司法書士が解説します。

被相続人と相続人のポイント
  1. 被相続人とは、亡くなって財産や権利義務を残す人のこと
  2. 相続人とは、被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人のこと
  3. 配偶者は常に相続人になる
  4. 子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹には相続順位がある
  5. 相続人に漏れがあると、遺産分割協議や相続登記に影響する

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被相続人とは

被相続人とは、亡くなって相続の対象となる財産や権利義務を残す人のことです。

相続は、人が亡くなったときに始まります。そのため、相続手続きでは、亡くなった人を「被相続人」と呼びます。

被相続人が残すものには、預貯金、不動産、株式、車、貴金属などのプラスの財産だけでなく、借金、ローン、未払金、保証債務などのマイナスの財産も含まれることがあります。

つまり、被相続人の財産を確認するときは、プラスの財産だけでなく、借金や未払金も含めて調査することが大切です。

被相続人の例

ケース 被相続人
父親が亡くなった 亡くなった父親
母親が亡くなった 亡くなった母親
配偶者が亡くなった 亡くなった配偶者
兄弟姉妹が亡くなった 亡くなった兄弟姉妹

相続人とは

相続人とは、被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人のことです。

相続人になる人は、民法で範囲や順位が定められています。一般的には、被相続人の配偶者、子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹などが相続人になる可能性があります。

ただし、家族や親族であれば誰でも相続人になるわけではありません。内縁の配偶者、離婚した元配偶者、養子縁組をしていない義理の子ども、子どもの配偶者などは、原則として法定相続人にはなりません。

相続手続きでは、相続人全員を正確に確認する必要があります。相続人が一人でも漏れていると、遺産分割協議のやり直しが必要になる可能性があります。

被相続人と相続人の違い

被相続人と相続人の違いは、相続される側か、相続する側かという点です。

用語 意味
被相続人 亡くなって財産や権利義務を残す人
相続人 被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人

たとえば、母親が亡くなり、父親と子どもが相続する場合、亡くなった母親が被相続人、父親と子どもが相続人です。

相続手続きの書類では、「被相続人」「相続人」という言葉が頻繁に使われます。戸籍収集、遺産分割協議書、相続登記、預貯金の相続手続きなどで必要になるため、誰が被相続人で、誰が相続人なのかを整理しておくことが大切です。

法定相続人とは

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。

法定相続人になるのは、被相続人の配偶者と一定の血族です。配偶者は常に相続人になり、血族相続人は子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹の順番で相続人になるかを判断します。

ここで注意したいのは、相続人の順位があるという点です。たとえば、被相続人に子どもがいる場合、原則として父母や兄弟姉妹は相続人になりません。

法定相続人の基本

区分 内容
配偶者 常に相続人になる
第1順位 子ども。子どもが先に亡くなっている場合は孫が代襲相続人になることがある
第2順位 父母など直系尊属。第1順位の相続人がいない場合に相続人になる
第3順位 兄弟姉妹。第1順位・第2順位の相続人がいない場合に相続人になる

法定相続人の範囲や順位を詳しく確認したい場合は、相続人の条件を整理したページも確認しておきましょう。

相続人になる人の順位

相続人になる人には順位があります。

被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。そのうえで、子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹の順に、誰が相続人になるかを確認します。

第1順位は子ども

被相続人に子どもがいる場合、子どもが第1順位の相続人になります。

子どもには、実子だけでなく、養子や認知された子どもも含まれます。また、前婚の子どもであっても、法律上の親子関係がある場合は相続人になります。

子どもが被相続人より先に亡くなっている場合は、孫が代襲相続人になることがあります。

第2順位は父母など直系尊属

被相続人に子どもや孫がいない場合は、父母などの直系尊属が相続人になることがあります。

父母がいる場合は、祖父母は相続人になりません。父母がいない場合に、祖父母が相続人になることがあります。

第3順位は兄弟姉妹

被相続人に子どもや孫がおらず、父母や祖父母もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合は、甥・姪が代襲相続人になることがあります。

兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるケースでは、戸籍の収集範囲が広がりやすく、相続関係の確認も複雑になります。早めに戸籍を集めて相続人を整理することが大切です。

相続人にならない人

親族や身近な人であっても、法律上の相続人にならない人がいます。

たとえば、内縁の配偶者、離婚した元配偶者、義理の子ども、子どもの配偶者などは、原則として法定相続人にはなりません。

相続人にならない人の例

相続人になるか
内縁の配偶者 原則として相続人にならない
離婚した元配偶者 相続人にならない
義理の子ども 養子縁組をしていなければ相続人にならない
子どもの配偶者 原則として相続人にならない
友人・知人 遺言書などがなければ相続人にならない

ただし、遺言書がある場合は、法定相続人ではない人に財産を遺贈することができます。

内縁の配偶者やお世話になった人に財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成しておくことが重要です。

被相続人と相続人を確認するために必要な書類

被相続人と相続人を確認するためには、戸籍を集める必要があります。

相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認し、誰が相続人になるのかを調べます。

主に必要になる書類

書類 確認する内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍 配偶者、子ども、認知、養子縁組などを確認する
被相続人の住民票除票または戸籍の附票 住所や登記簿上の住所とのつながりを確認する
相続人の戸籍謄本 相続人であることや、現在も生存していることを確認する
相続人の住民票 相続登記や名義変更で必要になることがある
印鑑証明書 遺産分割協議書を作成する場合に必要になることがある

兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合は、被相続人の父母の戸籍や兄弟姉妹の戸籍まで必要になることがあり、戸籍収集が複雑になりやすいです。

戸籍が不足していると、金融機関の手続きや相続登記が進まないことがあります。最初に相続人を正確に確定することが、相続手続きをスムーズに進めるポイントです。

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相続人を間違えるとどうなる?

相続人を間違えると、相続手続きに大きな影響が出ます。

特に、相続人が一人でも漏れている状態で遺産分割協議をおこなった場合、その協議は無効になる可能性があります。

相続人を間違えた場合に起こる問題

  • 遺産分割協議をやり直す必要がある
  • 遺産分割協議書が使えない
  • 不動産の相続登記ができない
  • 預貯金の払い戻しが進まない
  • 他の相続人から不満や請求を受ける
  • 相続人同士のトラブルにつながる

たとえば、前婚の子どもや認知された子どもを確認しないまま協議を進めると、後から相続人であることが判明し、手続きをやり直すことになる可能性があります。

相続人の確認は、家族の記憶だけで判断するのではなく、戸籍をもとに客観的に確認することが重要です。

被相続人に借金がある場合の注意点

被相続人に借金がある場合は、相続するかどうかを慎重に判断する必要があります。

相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金、ローン、未払金、保証債務などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。

借金が多い場合や、財産の全体像がわからない場合は、相続放棄や限定承認を検討することがあります。

相続放棄や限定承認は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きが必要です。

借金があるか不明な場合は、被相続人の財産を使ったり処分したりする前に、相続放棄の可否を確認することが大切です。

借金がある場合に確認すべきもの

  • 督促状や請求書
  • カードローンや消費者金融の明細
  • クレジットカードの利用明細
  • 住宅ローンや自動車ローンの契約書
  • 保証人・連帯保証人になっていないか
  • 税金や保険料の未払い

被相続人名義の不動産がある場合は相続登記が必要

被相続人名義の土地や建物、マンションなどがある場合は、相続登記が必要です。

相続登記とは、亡くなった人名義の不動産を、相続人の名義へ変更する登記手続きです。

2024年4月1日から相続登記は義務化されています。不動産を相続で取得したことを知った日から、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく期限内に相続登記をしない場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

被相続人名義の不動産を放置していると、売却できない、相続人が増える、権利関係が複雑になるなどの不利益が生じることがあります。

不動産を相続した場合は、遺産分割協議書の作成や相続登記の必要書類を早めに確認しましょう。

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不動産の相続登記では、被相続人と相続人の関係を戸籍で確認する必要があります。

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司法書士に相談すべきケース

被相続人と相続人の関係が単純で、相続財産も少ない場合は、自分で手続きを進められることもあります。

ただし、相続人が複雑な場合、不動産がある場合、相続放棄を検討している場合は、司法書士に相談したほうがスムーズです。

司法書士に相談すべきケース

  • 誰が相続人になるかわからない
  • 被相続人の戸籍をどこまで集めればよいかわからない
  • 前婚の子どもや認知された子どもがいる可能性がある
  • 兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる
  • 相続人の中に連絡が取れない人がいる
  • 相続財産や借金の調査が必要
  • 相続放棄を検討している
  • 被相続人名義の不動産がある
  • 遺産分割協議書を作成したい
  • 相続登記を進めたい

司法書士に相談できること

相談内容 内容
戸籍収集 被相続人の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍収集をサポートします。
相続人調査 誰が相続人になるかを戸籍から確認します。
法定相続情報一覧図の作成 相続関係を一覧図にまとめ、法務局で証明を受ける手続きをサポートします。
遺産分割協議書の作成 相続人全員で合意した分け方を協議書にまとめます。
相続登記 被相続人名義の不動産を相続人名義へ変更する手続きをサポートします。

一方で、相続人同士で争いがある場合や、遺産分割の交渉代理が必要な場合は弁護士、相続税申告や具体的な税額計算は税理士へ相談しましょう。

日本リーガル司法書士事務所では、戸籍収集、相続人調査、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成、相続登記などをサポートしています。

被相続人と相続人の関係がわからない方、相続人に漏れがないか不安な方、不動産の相続登記を進めたい方は、現在の状況を整理するところからお気軽にご相談ください

被相続人と相続人についてよくある質問

被相続人とは何ですか?

被相続人とは、亡くなって財産や権利義務を残す人のことです。相続手続きでは、亡くなった人を被相続人と呼びます。

相続人とは何ですか?

相続人とは、被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人のことです。配偶者、子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹などが相続人になる可能性があります。

被相続人と相続人の違いは何ですか?

被相続人は亡くなって財産を残す人、相続人はその財産や権利義務を引き継ぐ人です。たとえば、父親が亡くなり子どもが相続する場合、父親が被相続人、子どもが相続人です。

法定相続人とは何ですか?

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。配偶者は常に相続人になり、子ども、父母など直系尊属、兄弟姉妹には相続順位があります。

内縁の配偶者は相続人になりますか?

内縁の配偶者は、原則として法定相続人にはなりません。内縁の配偶者に財産を残したい場合は、遺言書の作成などを検討する必要があります。

離婚した元配偶者は相続人になりますか?

離婚した元配偶者は相続人になりません。ただし、離婚した元配偶者との間の子どもは、被相続人の子どもとして相続人になります。

相続人を確認するには何が必要ですか?

被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍などを集めて確認します。兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合は、戸籍収集の範囲が広くなることがあります。

相続人が一人でも漏れていたらどうなりますか?

相続人が一人でも漏れていると、遺産分割協議が無効になる可能性があります。不動産の相続登記や預貯金の相続手続きも進まなくなることがあります。

被相続人に借金がある場合はどうすればいいですか?

被相続人に借金がある場合は、相続放棄や限定承認を検討することがあります。相続放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きが必要です。

被相続人名義の不動産がある場合は何をしますか?

被相続人名義の不動産がある場合は、相続登記が必要です。不動産を相続で取得したことを知った日から原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。

被相続人と相続人を正確に確認して相続手続きを進めましょう

被相続人とは、亡くなって財産や権利義務を残す人のことです。相続人とは、被相続人の財産や権利義務を引き継ぐ人のことです。

相続手続きでは、誰が被相続人で、誰が相続人になるのかを正確に確認することが重要です。相続人に漏れがあると、遺産分割協議、相続登記、預貯金の相続手続きに影響します。

特に、前婚の子ども、認知された子ども、養子、兄弟姉妹、甥・姪が関係する相続では、戸籍収集や相続人調査が複雑になりやすいです。

また、被相続人に借金がある場合や、不動産がある場合は、自己判断で手続きを進めると相続放棄や相続登記で不利益が生じる可能性があります。

日本リーガル司法書士事務所では、戸籍収集、相続人調査、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成、相続登記などをサポートしています。

被相続人と相続人の関係がわからない方、相続人に漏れがないか不安な方、不動産の相続登記を進めたい方は、現在の状況を整理するところからお気軽にご相談ください

日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

日本リーガル司法書士事務所は、東京都荒川区東日暮里に事務所があり、日暮里駅から徒歩6分とアクセスが良いです。相続や不動産登記などの相談は無料で受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり結果を保証するものではありません。地域の運用や事案の内容により結論は異なります。最終判断は必ず専門家への相談により行ってください。

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