入院中の親が公証人に病院へ来てもらう公正証書遺言の出張費用と作成手続きの進め方

父が病院から動けず公正証書遺言を自宅や病室で作る場合の公証人費用と必要書類を知りたい

82歳の父が横浜市内の総合病院に入院しており、足腰が弱っているため公証役場へ足を運ぶことが困難です。父は、現在住んでいる横浜の自宅不動産や複数の銀行にある預金、生命保険の受取人変更など、相続に関する希望を公正証書遺言として遺しておきたいと言っています。

もし公証人に病院まで来てもらう場合、通常の費用に加えてどの程度の出張費や日当が必要になるのでしょうか。また、病室で作成を進めるにあたって、病院側の許可や医師の診断書、家族以外の証人の準備などをどのように進めれば、意思能力の問題を指摘されずに確実に遺言を残せるか詳しく教えてください。

公証人の出張は遺言加算の5割増と日当・交通費が必要で事前の病院調整と証人2名の確保が不可欠です

お父様のように外出や移動が難しい状況であっても、公証人が病院や介護施設、ご自宅へ直接赴いて作成する「出張作成」の制度を利用すれば、有効な公正証書遺言を遺すことが可能です。まずは無料相談で、現在の病状や公証人との調整方法について確認されることをおすすめします。

出張を依頼する際は、通常の公証人手数料に加えて「遺言加算(1万1,000円)の5割増し」の費用や、公証人の「日当(1万円から2万円)」「交通費(実費)」が別途発生するため、あらかじめ総額の予算を把握しておく必要があります。また、相続対策とあわせて葬儀の準備も検討されているなら終活・葬儀の専門相談窓口も活用してみてください。

本記事では、病室での作成に必要となる医師の承諾、遺言能力を証明するための診断書の取り扱い、親族以外で用意すべき証人の選定基準など、入院中の遺言作成を円滑に進めるための具体的な手順を解説します。

この記事でわかること

入院中や自宅療養中に公証人を呼んで遺言を作る仕組み

公正証書遺言は、原則として公証役場の執務室で作成するものですが、病気やケガで外出が著しく困難な場合に限り、公証人が病院、介護施設、あるいはご自宅まで出張して手続きを行うことができます。これを一般的に「出張作成」や「臨場(りんじょう)」と呼びます。

今回のケースのように、お父様が横浜市内の病院に入院されている場合、その病院の所在地を管轄する公証役場の公証人に依頼を出すことになります。公証人は法務局に所属する公務員であり、担当できるエリアが決まっているため、まずは病院の住所を確認し、最寄りの公証役場へ相談を開始するのが第一歩となります。

公証人の出張が認められる具体的な状況

出張制度は、単に「役場に行くのが面倒だから」という理由では利用できません。以下のような、客観的に移動が困難であると判断される事情が必要です。

  • 重度の疾患や負傷により、医師から安静を指示されている。
  • 寝たきりの状態で、介護車両を手配しても移動による体力的消耗が激しい。
  • 感染症対策や人工呼吸器の装着などにより、病院外への連れ出しが許可されない。
  • 認知機能には問題がないが、高齢による身体能力の低下で階段の上り下りや長距離移動ができない。

出張作成におけるご家族の役割と事前の準備

公証人が病院に来る前に、遺言の文案はすべて確定させておく必要があります。当日に病室で「誰に何を相続させるか」を悩み始めると、公証人を長時間待たせることになり、最悪の場合は作成が中止されるリスクもあります。

そのため、ご家族やお父様が事前に財産目録(土地建物の登記事項証明書、預貯金通帳のコピー、証券口座の明細など)を整理し、公証人とFAXやメールで打ち合わせを完了させておく工程が不可欠です。公証人はあくまで「遺言者の口述を証書にする」役割であり、財産調査や遺産分割のコンサルティングは行わないため、事前準備の精度が当日の成否を分けます。

入院中の遺言作成は時間との戦いでもあります。日本リーガル司法書士事務所では、病院や公証役場との複雑な調整を代行し、不備のない遺言書作成をスピーディにサポートいたします。まずは無料相談で状況をお聞かせください。

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公証人の出張にかかる追加費用と手数料の計算基準

公正証書遺言の作成費用は、相続させる財産の価額によって定められる「基本手数料」がベースとなりますが、出張を依頼した場合には、法律(公証人手数料令)に基づき複数の追加料金が発生します。

最も大きな加算要素は、基本手数料の額が5割増しになるという規定です。これは公証人が役場を離れて業務を行うことに対する手数料で、遺言の内容が複雑で元々の手数料が高いほど、加算額も大きくなります。

出張に伴う加算費用の項目一覧

実際にお支払いする総額は、以下の項目を合算したものになります。公証役場へ支払う費用は、当日に現金で精算するか、事前に振込を行うのが一般的です。

項目 計算方法と目安額
遺言加算の5割増 基本手数料(1.1万円〜)×1.5倍。遺言加算部分も1.5倍の対象です。
公証人の日当 4時間まで1万円、4時間を超える場合は2万円。通常は1万円で収まります。
交通費(実費) 公証役場から病院までのタクシー代往復分や公共交通機関の実費。
正本・謄本の代金 1枚250円。遺言の枚数や交付枚数に応じて数千円程度。

具体的な費用シミュレーション(財産5,000万円の場合)

例えば、3,000万円の自宅を長男に、2,000万円の預金を次男に相続させる内容で出張作成を行う場合、通常の役場作成では約5万円程度の手数料ですが、出張となると合計で約8万円から9万円程度を見込んでおく必要があります。これには公証人への日当やタクシー代が含まれますが、別途、証人2名の謝礼や専門家への報酬が必要になることも忘れてはなりません。

出張作成は通常より費用がかさむからこそ、日本リーガル司法書士事務所では無駄のない財産評価と正確な文案作成を心がけています。トータルの費用負担を抑えつつ、確実に思いを届けるためのプランを無料相談にてご提案します。

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病室での作成前に完了させておくべき病院への確認事項

公証人が病院に到着してから「実は面会謝絶だった」「会議室が使えない」といったトラブルが起きないよう、病院スタッフとの調整は慎重に行う必要があります。特に昨今の医療機関では感染症対策が厳格化されているため、外部の公証人や証人が立ち入るための特別な許可が必要です。

また、病院で作成する際に最も重要となるのが、お父様に「遺言能力」があることを医師に証明してもらうことです。後日、他の親族から「あの時は認知症が進んでいて父は判断能力がなかった」と主張されることを防ぐため、公証人も医師の見解を重視します。

医師の承諾と診断書の取得手順

作成日の数日前までに、主治医に対して「公正証書遺言を作成するために公証人が来院すること」を伝え、当日の体調に問題がないか確認を取ってください。可能であれば、以下のような内容を記載した診断書を事前に取得しておくと、遺言の有効性をより強固にできます。

  • 現在の意識状態(清明であるか)。
  • 自身の財産状況や親族関係を理解する判断能力があるか。
  • 認知機能テスト(HDS-RやMMSE)の結果が一定水準以上であること。

プライバシーを確保できる個室の確保

公正証書遺言の作成には「秘密の確保」が必要です。4人部屋などの多床室でカーテンを閉めただけの状態では、他の患者や見舞客に内容が聞こえてしまうため、公証人が作成を拒否することがあります。当日は病院内の面談室やカンファレンスルームを予約するか、有料の個室へ一時的に移動するなどの手配が必要です。

病院内での場所の確保や医師への説明に不安がある場合は、ぜひ日本リーガル司法書士事務所にご相談ください。多くの出張作成実績を活かし、医療機関との円滑な連携についても専門的な知見からサポートさせていただきます。

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出張作成に立ち会う「証人2名」の選定と欠格事由

公正証書遺言の作成には、必ず「2名以上の証人」の立会いが必要です。出張作成の場合でもこのルールは変わりません。証人は、公証人が遺言者の口述を正しく筆記しているか、遺言者の自由な意思に基づいているかを監視する重要な役割を担います。

ここで注意すべきは、相続人になる予定の人や、その配偶者・直系血族は証人になれないという点です。今回の相談では、お子様(長男・次男)やその奥様は証人として立ち会うことが法律で禁じられています(欠格事由)。

病院スタッフや看護師に証人を依頼できるか

「近くにいる看護師さんやソーシャルワーカーさんにお願いできないか」という質問をよく受けますが、現実的には困難です。医療機関の規定で、患者の法律行為の証人になることを禁じているケースがほとんどであり、後々のトラブル(遺言の有効性を巡る裁判への出廷など)を懸念して断られるのが通常です。

専門家を証人として活用するメリット

親族以外で適切な証人が見つからない場合は、司法書士などの専門家に依頼することをお勧めします。専門家が証人を務めることで、以下のようなメリットが得られます。

  • 欠格事由に該当するリスクを完全に排除できる。
  • 公証人との事前打ち合わせや書類収集をスムーズに代行してもらえる。
  • 将来、遺言の有効性が争われた際に、法律の専門家として当時の状況を客観的に証言できる。
  • 守秘義務があるため、親戚や知人に遺言の内容を知られる心配がない。

証人選びは、遺言の有効性を守るための要です。日本リーガル司法書士事務所では、司法書士が証人として立ち会うことで、将来の争族リスクを最小限に抑えます。確実な遺言遺しを目指すなら、まずは無料相談をご利用ください。

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公証人が病院へ来訪する当日の手順と所要時間

事前の準備が整い、いよいよ作成当日となった際の手順を確認しておきましょう。公証人と証人2名が病室(または面談室)に集まり、お父様の体調が良い時間帯を狙って手続きを開始します。

手続き自体の所要時間は、概ね30分から1時間程度です. 遺言の分量が多い場合でも、既に文案が作成されているため、基本的には内容の確認と署名捺印が中心となります。

病室での本人確認と遺言の読み聞かせ

  1. 公証人が、お父様の身分証明書(マイナンバーカードや健康保険証など)を確認し、本人であることを特定します。
  2. 公証人が遺言の内容を読み聞かせ、または閲覧させ、お父様に「この内容で間違いありませんか」と口頭で確認します。
  3. お父様が内容の正しさを認め、公証人と証人の前で自ら署名し、実印(または認印)で捺印します。
  4. もし手が震えて署名が困難な場合は、公証人がその理由を付記した上で署名を代行することも可能ですが、意思表示は必ず口頭や頷きで行う必要があります。

当日の体調急変や意思疎通の確認

高齢で入院中の方は、朝は元気でも昼過ぎに急に傾眠(うとうとした状態)傾向になることがあります。公証人が到着した際に、お父様の意識がはっきりしていない場合は、その日の作成が中止されることも覚悟しなければなりません。当日の朝、看護師にお父様の覚醒状態を確認し、必要であれば公証役場へ到着時間を微調整してもらうなどの柔軟な対応が求められます。

不測の事態にも臨機応変に対応できるよう、日本リーガル司法書士事務所が現場に立ち会い、作成をリードします。お父様の負担を最小限にしつつ、確実に手続きを完了させるための万全の体制を無料相談から整えていきましょう。

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体調が悪化する前に進めるべき緊急時の対応と対策

入院中の方の遺言作成は時間との戦いです。公証人の予約は混み合っていることが多く、相談から作成まで1〜2週間待たされることも珍しくありません。その間に病状が急変したり、意識不明の状態になってしまったりすると、もはや公正証書遺言を遺すことは不可能になります。

万が一、作成日までに判断能力が著しく低下してしまった場合、遺言書がないまま相続が発生し、遺されたご家族で「遺産分割協議」を行わなければならなくなります。疎遠な親族がいる場合や、分けにくい不動産がある場合、争族トラブルに発展するリスクが高まります。

必要書類を最速で揃えるためのチェックリスト

公証役場での受理を早めるため、以下の書類は相談開始と同時に手配を開始してください。特に本籍地が遠方の場合は、郵送請求に時間がかかるため注意が必要です。

遺言者(父) 戸籍謄本、印鑑証明書、住民票
相続人(受遺者) 戸籍謄本、住民票(住所確認用)
財産資料 不動産の登記事項証明書、固定資産税の評価証明書、預貯金の通帳コピー

公正証書遺言の作成がどうしても間に合わない時の次善策

公証人の出張を待てないほど病状が深刻な場合、緊急対応として「自筆証書遺言」を検討することもあります。ただし、自筆証書は全文を本人が手書きしなければならず、入院中の方には負担が非常に重い上、形式不備で無効になるリスクが極めて高いものです。そのため、まずは司法書士などの専門家を介して、公証役場へ緊急性を訴え、最短スケジュールを確保することが最も現実的な解決策となります。

病状の急変で手遅れになる前に、日本リーガル司法書士事務所へ至急ご連絡ください。複雑な書類収集から公証人との緊急調整まで一貫してサポートし、期限内の確実な遺言作成を全力で支援いたします。まずは今すぐ無料相談を。

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まとめ

入院中のお父様が公正証書遺言を作成する場合、公証人の出張費用や医師との連携、証人の確保など、役場での作成に比べて高いハードルがありますが、正しい手順を踏めば確実に大切な意思を遺すことができます。出張加算や日当などの費用面を把握した上で、迅速に財産調査と文案作成を進めることが、円満な相続を実現するための鍵となります。

特に入院中という制約がある中では、ご家族だけで公証役場や病院との調整を完結させるのは精神的にも実務的にも負担が大きいものです。書類に不備があったり、証人が見つからなかったりして時間を浪費している間に、ご本人の意思能力が衰えてしまう事態は避けなければなりません。

日本リーガルの無料相談では、入院中や自宅療養中の方を対象とした公正証書遺言の出張作成に関する法的な手続きのご相談を受け付けています。お父様の体調やご家族の意向を伺いながら、公証人との調整や証人の手配を含め、最適な進め方をアドバイスいたします。体調が急変してリスクが大きくなる前に、早めの専門家への確認を検討してみてください。また、法的な手続きと並行して、葬儀にかかる金銭的な不安や万が一の備えについても、終活・葬儀の専門相談窓口で早めに解消しておくことをおすすめします。

日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

相続手続きや相続放棄、遺産分割、名義変更など、相続に関する情報をできるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の事情により適切な対応は異なるため、不安がある場合は早めにご相談ください。

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