債務整理の費用相場は?支払えないときの対処法と安く抑える方法
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借金問題を解決するために債務整理を検討している方の多くが「費用はいくらかかるのか」「今の状況で費用を捻出できるのか」という不安を抱えています。返済に困っている状況で、さらに債務整理の費用を準備することは大きな負担に感じられるでしょう。
しかし、債務整理の費用は種類によって大きく異なり、費用を用意できない場合でも債務整理を進める方法があります。司法書士事務所での経験から言えることは、適切な債務整理を行えば、支払う費用以上のメリットを得られるケースがほとんどだということです。
この記事では、債務整理の種類別の費用相場や、費用が払えない場合の対処法、弁護士・司法書士の費用比較まで、債務整理の費用に関する情報を徹底解説します。借金問題を解決するための一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
■もくじ
債務整理にかかる費用の相場はどれくらい?
債務整理の費用の相場は、選択する手続きの種類によって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りです。
債務整理の種類 | 費用相場 |
---|---|
任意整理 | 5~15万円程度(債権者1社あたり) |
個人再生 | 50~90万円程度 |
自己破産 | 50~130万円程度 |
特定調停 | 1,000円程度 |
特定調停以外は弁護士や司法書士に依頼することが一般的です。弁護士・司法書士に依頼した場合には専門家への報酬が必要になりますが、個人再生と自己破産は裁判所への申立てが必要なため、裁判所費用も追加で必要になります。
専門家への依頼費用は多くの事務所で分割払いに対応しているので、すぐに全額を用意できなくても債務整理を始めることができます。また、専門家に依頼すると債権者に「受任通知」を送付して督促や返済がストップするので、その間に費用を準備することも可能です。
任意整理の費用の相場は5~15万円程度が目安
任意整理に必要な費用は、5~15万円程度が相場となります。任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して将来利息のカットや返済方法の変更を行う手続きです。減額後の残債は通常3~5年程度で返済することになります。
任意整理は裁判所を介さない債務整理の方法なので、費用は弁護士・司法書士への報酬のみとなります。また、1社ごとに手続きができるため、他の債務整理の方法に比べて費用を抑えられることが多いのが特徴です。
任意整理に必要な弁護士費用の目安と内訳
任意整理を弁護士に依頼する際の費用の内訳は主に以下の通りです。
- 相談料:1時間につき1万円程度(初回相談無料の事務所も多い)
- 着手金:借入先1社につき2~5万円程度
- 解決報酬金:借入先1社につき2万円以下が原則
- 減額報酬金:減額分の10%以下が原則
- 過払金報酬金:回収額の20%程度(交渉時)・25%程度(裁判時)
その他、交通費・郵便代などの実費や、和解成立後の支払いを弁護士事務所経由で行う場合の送金代行手数料が必要な場合もあります。任意整理の報酬金額は、日本弁護士連合会によって規定されており、解決報酬金は1社あたり原則2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下とされています。
依頼前に、弁護士費用が相場に当てはまるかを確認し、「割安な報酬で事件を受けます」などという曖昧な表現をしている事務所は避けるとよいでしょう。明確な費用体系を提示してくれる事務所を選ぶことが重要です。
個人再生の費用の相場は50~90万円程度が目安
個人再生に必要な費用は、総額50~90万円程度が相場となります。個人再生とは、裁判所から再生計画の認可決定を受けて借金を大幅に減額する方法です。借金額に応じて5分の1~10分の1程度に減額できる可能性があり、減額後の借金は原則3年、最長5年で返済します。
個人再生の費用は「裁判所に払う裁判所費用」と「弁護士に払う弁護士費用」の2種類で構成されます。住宅ローンがある場合には「住宅ローン特則」を利用することで家を手放さずに済みますが、この制度を利用する場合は弁護士費用が若干高くなる傾向があります。
個人再生にかかる裁判所・弁護士費用の目安と内訳
個人再生にかかる裁判所費用の内訳は以下の通りです。
- 申立手数料(収入印紙):1万円程度
- 予納金(官報掲載料):1万2,000~1万4,000円程度
- 郵券代:郵便切手代として3,000~5,000円程度
- 個人再生委員の報酬(分割予納金):15~25万円程度(選任された場合)
裁判所によっては、個人再生委員が選任されることがあります。個人再生委員とは、個人再生をする人の財産・収入の調査や借金状況の確認、再生計画案の作成など、手続きが正しくスムーズに行われるようアドバイスを行う人で、弁護士が選任されることが多いです。
弁護士費用の内訳は以下の通りです。
- 相談料:1時間につき1万円程度(初回相談無料の事務所も多い)
- 着手金:30万円程度
- 報酬金:20万~30万円程度
債権者の数によって費用が異なる場合もあります。個人再生は複雑な手続きが必要なため、専門知識を持つ弁護士や司法書士への依頼がおすすめです。
自己破産の費用の相場は50~130万円程度が目安
自己破産の手続きには3種類あり、それぞれで費用の目安が異なります。自己破産とは、裁判所を介して借金の支払い義務を免除(免責)してもらう方法で、一部の非免責債権を除き、すべての借金を返す必要がなくなります。
- 同時廃止:一定以上の財産がなく、借金理由に問題がない場合の手続き。総費用の目安は50万円程度。
- 管財事件:一定以上の財産がある、借金理由に問題があると判断された場合の手続き。総費用の目安は100~130万円程度。
- 少額管財事件:簡略化した管財事件の手続き。弁護士依頼の場合のみ利用可能。総費用の目安は70~80万円程度。
※裁判所によって制度の名称が異なる場合があります。
自己破産にかかる裁判所・弁護士費用の目安と内訳
自己破産の費用も「裁判所に払う裁判所費用」と「弁護士に払う弁護士費用」の2種類で構成されます。それぞれ前述した3種類の手続きごとに金額が異なります。
裁判所費用の内訳は以下の通りです。
- 申立手数料(収入印紙):1,500円程度
- 予納金(官報掲載料):1万~1万5,000円程度
- 引継ぎ予納金(破産管財人報酬):管財事件は50万円程度、少額管財事件は20万円程度
- 郵券代:3,000~5,000円程度
裁判所費用で手続きごとに大きく異なるのは引継予納金です。管財事件と少額管財では破産管財人が選任されるため、その報酬金が必要になります。破産管財人とは、破産者の財産を調査・管理したり、売却・換価する役割を担う人で、裁判所によって選任されます。
弁護士費用の内訳は以下の通りです。
- 相談料:1時間につき1万円程度(初回相談無料の事務所も多い)
- 着手金:30万~50万円程度
- 報酬金:20万~30万円程度
自己破産は借金を完全に免除してもらう強力な手続きですが、費用が高額になる場合があります。特に管財事件になると費用が大幅に上がるため、専門家に相談して事前に見積もりを出してもらうことが重要です。
特定調停の費用の相場は1,000円程度が目安
特定調停の手続きを行った場合の費用は、総額1,000円程度が相場です。特定調停とは、裁判所の仲介のもとに債権者と話し合って、返済方法などを調整する方法です。減額後の残債は3~5年程度で返済することになります。
特定調停は裁判所を介して行う手続きのため、裁判所費用がかかります。しかし、弁護士に依頼することなく自分で利用できるため、弁護士費用が不要な点が大きな特徴です。自分で特定調停の手続きを行った場合の費用は、債権者1社あたり500円の申立手数料(収入印紙)と500円の手続費用(郵便切手)の合計1,000円程度が相場です。
特定調停は自分で行うことができる制度ですが、必要に応じて弁護士に依頼することも可能です。弁護士に特定調停を依頼した場合は、弁護士費用として10万~30万円程度が必要になります。
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債務整理の費用を比較!弁護士と司法書士どちらが安い?
債務整理の手続きは、弁護士だけでなく司法書士に依頼することも可能です。一般的に、司法書士に債務整理を依頼すると、費用が弁護士よりも若干安くなる傾向があります。しかし、費用だけでなく、それぞれの専門家が提供できるサービスの範囲にも違いがあるため、総合的に判断する必要があります。
弁護士と司法書士の債務整理における違い
弁護士と司法書士では、債務整理の手続きにおいて以下のような違いがあります。
債務整理の種類 | 司法書士 | 弁護士 |
---|---|---|
任意整理 | 1社あたり元金140万円以下の債務に限り代理人になれる* | 制限なく代理人になれる |
個人再生・自己破産 | 書類作成のみ |
*裁判所で代理人になれるのは認定司法書士のみです。
司法書士が代理人として任意整理できる金額は、債権者1社あたり140万円以下の簡易裁判所で扱う案件のみです。140万円を超える債務がある場合は、弁護士に依頼する必要があります。
また、自己破産と個人再生は地方裁判所に申し立てるため、司法書士が対応できるのは書類作成の代行のみとなります。そのため裁判所への申立てや裁判官からの尋問、債権者との交渉など、複雑な対応を依頼者自身で行わなければなりません。
司法書士の債務整理費用の相場
司法書士に債務整理を依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
〈任意整理の司法書士費用の規定〉
- 定額報酬:債権者1社当たり5万円以下
- 減額報酬:減額分の10%以下
これは日本司法書士連合会の「債務整理事件における報酬に関する指針」に基づいています。弁護士と比較すると、定額報酬が若干安めに設定されている傾向があります。
ただし、個人再生や自己破産の場合、司法書士は書類作成の代行しかできないため、裁判所での手続きや交渉などは依頼者自身で行う必要があります。そのため、トータルで見ると必ずしも司法書士のほうが安いとは言えない場合もあります。
債務整理は弁護士と司法書士のどちらに頼むべきか
債務整理を依頼する際、費用を抑えたい場合は司法書士、手続きを全て任せたい場合は弁護士に依頼するのが良いでしょう。具体的には以下の基準で検討すると良いでしょう。
司法書士に依頼するのが適している場合
- 1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理
- 費用をできるだけ抑えたい
- 書類作成の代行だけで十分、裁判所での手続きは自分で行える
弁護士に依頼するのが適している場合
- 1社あたりの債務額が140万円を超える場合
- 個人再生または自己破産を検討している
- 裁判所での手続きや債権者との交渉も全て任せたい
- 自己破産で管財事件となる可能性がある(弁護士依頼なら少額管財事件になる可能性がある)
自己破産の手続きで「管財事件」になると、予納金が約50万円必要になります。弁護士に依頼することで「少額管財事件」という手続きになり、費用も約20万円程度に抑えられる可能性もあります。
司法書士と弁護士のどちらを選ぶかは、債務の状況や希望する手続き、予算によって異なります。一概に司法書士の費用が安いわけではないため、複数の弁護士事務所・司法書士事務所から見積もりを出してもらうとよいでしょう。
また、相談の段階では無料相談を実施している事務所も多いので、まずは無料相談を利用して、自分の状況に合った専門家を選ぶことをおすすめします。
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債務整理の費用が払えないときの対処法
「弁護士費用をすぐに用意できない」と債務整理を躊躇する方も多いでしょう。既に返済に苦しんでいる状況で、まとまった費用を準備するのは簡単ではありません。しかし、費用の支払いが不安な場合でも、債務整理を進める方法はいくつかあります。
ここでは、債務整理の費用が用意できないときの具体的な対処法を紹介します。
分割払いが可能な法律事務所を選ぶ
債務整理を弁護士に依頼する場合は、委任契約を交わした時点で着手金を支払う必要があります。一括で払うことが難しい場合でも、分割払いに対応している弁護士事務所や司法書士事務所は多くあります。
一般的に着手金は、3~6回程度の分割払いに対応してくれることが多いでしょう。報酬金は事件処理が終了し、成功報酬が算定されたときに支払います。その際も分割払いが可能な事務所も少なくありません。
債務整理を依頼する際は、初回相談時に費用の支払い方法について詳しく確認し、無理のない支払い計画を立てることが大切です。多くの事務所では、依頼者の経済状況に配慮した柔軟な対応をしてくれるはずです。
債権者への返済がストップしている間に用意する
弁護士や認定司法書士に債務整理を依頼すると、債権者からの督促や返済はストップします。その間に弁護士費用を用意することが可能になります。
これは、専門家が債権者に「受任通知」を送付するからです。受任通知とは、弁護士や司法書士が債務整理の依頼を受けたことを債権者に通知する文書です。受任通知には法的効力があり、受領した債権者は債務者に対して督促や取り立てを行うことができなくなります。これは貸金業法第21条で定められています。
そのため専門家に依頼すると、それ以降は和解が成立するまで毎月の返済を免れることができます。この間に弁護士費用を分割で支払ったり、生活の立て直しをすることもできるのです。
例えば、毎月5万円の返済をしていた場合、受任通知後はその返済がストップするため、その分を弁護士費用の支払いに充てることができます。このように「債務整理の費用がすぐに用意できない」場合でも債務整理は可能ですので、弁護士事務所や司法書士事務所に相談してみましょう。
法テラスの民事法律扶助制度を利用する
「法テラス(日本司法支援センター)」は、経済的に余裕のない人を対象に、無料法律相談や専門家費用の立て替えを行っています。これらは「民事法律扶助」と呼ばれます。
〈法テラスの民事法律扶助〉
- 法律相談援助:無料で法律相談
- 代理援助:弁護士・司法書士の費用の立替え
- 書類作成援助:書類の作成費用の立替え
- 生活保護受給中は立替費用の返済を猶予
- 債務整理後も生活保護を受給する場合は立替費用の返済を免除
立替え制度を利用すると、手元にお金が用意できなくても弁護士に依頼することができ、月々10,000円もしくは5,000円の分割払い(原則3年以内)で返済することが可能です。
民事法律扶助を利用するには、月収や保有資産などが一定額以下であることなどの要件を満たす必要があります。具体的には、単身者の場合、手取り月収が約20万円以下、保有資産が約180万円以下などの条件があります。
民事法律扶助の利用については、法テラスのサポートダイヤル(0570-078374)に確認するようにしてください。受付は平日9時~21時・土曜17時までとなっています。
債務整理を自分で行う
債務整理は、弁護士や司法書士に依頼せずご自身で行うことも可能です。ご自身で債務整理を行う場合は、費用は印紙代や切手代などのみに抑えられます。
ただし、自分で債務整理を行う場合には、以下のようなデメリットがあることに注意しましょう。
自分で債務整理を行う場合のデメリット
- 債務整理中も請求・督促が続く(受任通知が送れない)
- 手続きや交渉がスムーズに進まない可能性がある
- 過払い金を取り戻せない可能性がある(引き直し計算の難度が高い)
- 自己破産で「少額管財」の利用ができない
- 最終的に費用対効果で損をする可能性がある
特に、自己破産を自分で行う場合、一定以上の財産があると管財事件となり、管財人への報酬として約50万円が必要になります。弁護士に依頼すれば少額管財事件として手続きができ、管財人報酬が約20万円程度になる可能性があるため、トータルでは弁護士に依頼したほうが費用を抑えられるケースもあります。
また、任意整理の場合、債権者との交渉に専門知識が必要なため、自分で行うと有利な条件を引き出せない可能性があります。減額できる額が少なくなれば、弁護士費用を払っても結果的に損をすることになりかねません。
費用を抑えたい気持ちは理解できますが、債務整理は人生の再出発につながる重要な手続きです。可能であれば、まずは無料相談を利用して専門家に相談し、自分で行うべきかどうかアドバイスをもらうことをおすすめします。
おすすめの対処法は?
債務整理の費用が支払えない場合は、以下の順番で対処法を検討してみるとよいでしょう。
- 無料相談を利用して状況を整理する
まずは無料相談を実施している弁護士事務所や司法書士事務所に相談し、自分の状況に最適な債務整理の方法や費用の見通しを確認しましょう。 - 分割払いが可能な事務所を探す
多くの事務所では分割払いに対応しています。無理のない返済計画を提案してくれる事務所を選びましょう。 - 法テラスの民事法律扶助を検討する
収入や資産が一定以下であれば、法テラスの民事法律扶助が利用できます。費用の立替えと分割払いが可能です。 - 受任通知による返済停止期間を活用する
専門家に依頼すると受任通知により返済が一時停止します。この期間に費用を準備する方法も検討しましょう。
これらの方法を組み合わせれば、ほとんどの場合で費用の問題を解決できるはずです。大切なのは、費用の心配だけで債務整理を諦めず、まずは専門家に相談することです。杉山事務所などのおすすめ事務所の無料相談を利用して、具体的な対処法を見つけましょう。
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債務整理の流れと費用を支払うタイミング
債務整理を弁護士や司法書士に依頼した際の流れと、費用の支払いタイミングを解説します。債務整理の種類によって手続きの流れは異なりますが、費用の支払いタイミングは基本的に「着手金→裁判所費用→報酬金」という順番になります。
ここでは、任意整理、個人再生、自己破産それぞれの流れと費用支払いのタイミングを詳しく見ていきましょう。
任意整理の流れと費用を支払うタイミング
任意整理を弁護士や司法書士に依頼した場合は、一般的に次の流れで進んでいきます。費用の支払いタイミングは主に着手金と報酬金の2回です。
- 相談・依頼:弁護士に相談のうえ、任意整理を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います。この段階で分割払いについても相談できます。
- 受任通知の送付:弁護士が債権者に受任通知を送付します。債権者が受領すると督促・取り立てがストップします。
- 利息の引き直し計算:債権者から取引履歴を取り寄せて、利息の引き直し計算を行います。
- 返済計画の作成:依頼者の収入・債務の状況に応じて返済計画を作成します。
- 債権者との交渉:将来利息の免除や3~5年程度の分割返済などを債権者と交渉します。
- 和解の成立:債権者と合意に至れば和解契約書を作成・締結します。この段階で弁護士に報酬金を支払います。
- 返済の開始:和解の内容に従って新たな返済を始めます。
弁護士への依頼から和解成立までの期間は、6~9ヶ月程度です。債権者数や交渉の進み具合によって期間は変動します。
任意整理の費用支払いタイミングは主に2回です。最初に着手金を支払い、最後に報酬金を支払います。着手金は分割払いが可能な事務所が多いので、一括で支払えない場合は相談するとよいでしょう。報酬金についても、和解成立後に分割で支払える場合があります。
個人再生の流れと費用を支払うタイミング
個人再生は一般的に、次の流れで進みます。費用の支払いタイミングは着手金、裁判所費用、報酬金の主に3回です。
- 相談・依頼:弁護士に相談のうえ、個人再生を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います。
- 受任通知の送付:弁護士が債権者に受任通知を送付します。債権者が受領すると督促・取り立てがストップします。
- 利息の引き直し計算:債権者から取引履歴を取り寄せて、利息の引き直し計算を行います。
- 個人再生申立書の作成:依頼者の収入・債務の状況に応じて申立書を作成します。
- 裁判所に個人再生申立て:地方裁判所に個人再生の申立てを行います。この段階で申立て手数料や予納金などの裁判所費用を支払います。
- 個人再生の手続き開始決定:申立書の内容などに問題がなければ、個人再生の手続き開始決定が出ます。
- 裁判所へ再生計画案を提出:弁護士と依頼者で再生計画案を作成し、裁判所に提出します。
- 債権者による決議・意見聴取:再生計画案について債権者の意見を聴取します。
- 裁判所が再生計画案の認可決定:裁判所が再生計画の認可・不認可を決定します。認可後に弁護士へ報酬金を支払います。
- 返済の開始:再生計画の内容に従って返済を始めます。
弁護士への依頼から裁判所による認可決定までの期間は、1年~1年半程度にわたります。個人再生は債権者の同意を得たり履行テストが行われるケースもあるため、複雑かつ長期化することが多い手続きです。
個人再生の費用支払いタイミングは、着手金(依頼時)、裁判所費用(申立て時)、報酬金(認可後)の主に3回です。裁判所によっては個人再生委員が選任され、6ヶ月程度の分割予納金が必要になる場合もあります。また、履行テストが行われる場合は、テスト期間中(3~6ヶ月)毎月決まった金額を振り込む必要があります。
自己破産の流れと費用を支払うタイミング
自己破産は、同時廃止事件と管財事件・少額管財事件で流れが少し異なります。ここでは同時廃止事件の一般的な流れを解説します。費用の支払いタイミングは着手金、裁判所費用、報酬金の主に3回です。
- 相談・依頼:弁護士に相談のうえ、自己破産を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います。
- 受任通知の送付:弁護士が債権者に受任通知を送付します。債権者が受領すると督促・取り立てがストップします。
- 自己破産申立書の作成:弁護士が依頼者の収入・財産、債務状況などについて調査し、申立書などを作成します。
- 裁判所に自己破産を申立て:地方裁判所に自己破産の申立てを行います。予納金などの裁判所費用を支払います。
- 破産審尋:裁判所で面接や審尋が行われます。弁護士が代理で出廷することも可能です。
- 破産手続きの開始決定:申立書の内容に問題がなければ、破産手続きの開始決定が出ます。同時廃止事件の場合、同時に手続きも廃止(終了)となります。
- 意見申述期間:免責について、債権者から意見を申述してもらいます。
- 免責許可決定(確定):意見申述期間が経過したら、免責許可決定(もしくは不許可)となります。免責許可が決定すれば弁護士に報酬金を支払います。
弁護士への依頼から免責許可決定までの期間は、同時廃止事件で6ヶ月~1年程度、管財事件で1年~1年3ヶ月程度、少額管財事件で6~8ヶ月程度です。
自己破産が管財事件となる場合は、破産手続きの開始決定後に破産管財人が選任され、引継予納金(破産管財人報酬)を支払う必要があります。同時廃止事件では破産管財人による調査を必要としないため、自己破産の手続きの中で最も短期間で終わります。
自己破産の費用支払いタイミングは、着手金(依頼時)、裁判所費用(申立て時)、管財人報酬(管財事件・少額管財事件の場合)、報酬金(免責許可後)となります。
債務整理の費用支払いタイミングまとめ
債務整理の費用支払いタイミングをまとめると以下のようになります。
債務整理の種類 | 主な費用支払いタイミング |
---|---|
任意整理 |
|
個人再生 |
|
自己破産 |
|
どの債務整理方法でも、最初に着手金が必要になりますが、多くの事務所では分割払いに対応しています。また、受任通知により債権者への返済がストップすることを利用して、その間に費用を準備することも可能です。
債務整理の費用が心配な場合は、専門家に相談する際に支払い方法についても相談すると良いでしょう。債務整理の経験豊富な事務所であれば、依頼者の経済状況に配慮した柔軟な対応をしてくれるはずです。杉山事務所などのおすすめ事務所の無料相談を利用して、具体的な費用と支払い方法を確認しましょう。
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債務整理の費用に関するよくある質問
債務整理の費用について、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。これから債務整理を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
弁護士に依頼することで費用倒れになるリスクは?
「債務整理で借金を減らしても弁護士費用のほうが高額になってしまうのでは?」という心配をされる方もいるでしょう。債務整理による減額分より弁護士費用が上回ってしまうことを「費用倒れ」といいますが、実際に費用倒れになるケースはほとんどありません。
例えば任意整理の弁護士費用は、「着手金+解決報酬金+減額報酬金」となります。費用の大半は減額に成功した金額の一部を報酬として支払うため、原則として減額分より弁護士費用が上回ることはないのです。
債務整理の経験豊富な弁護士や司法書士に相談すれば、費用の見積もりとともに、いくら減額できるかも事前に提示してくれるはずです。これにより、費用対効果を事前に判断することができます。
例えば、200万円の借金を任意整理した場合、将来利息のカットや過払い金の回収により70万円程度減額できたとすると、弁護士費用は着手金と報酬金を合わせて20万円程度になるケースが多いです。この場合、債務者は50万円程度の利益を得ることになります。
債務整理を依頼する際には、費用や減額について納得いくまで確認しましょう。また、「借金が必ず減る」「驚くほど安い費用」などの誇大広告に注意し、信頼できる専門家に相談することが大切です。おすすめ事務所ではあらかじめ費用の見積もりを提示し、費用倒れになるリスクを回避できるよう配慮しています。
債務整理は何年で払い終わる?
債務整理後の返済期間は、債務整理の種類や個人の状況によって異なります。一般的な目安は以下の通りです。
債務整理の種類 | 返済期間の目安 |
---|---|
任意整理 | 3~5年 |
個人再生 | 原則3年(最長5年) |
自己破産 | 免責決定後は原則返済不要 |
特定調停 | 3~5年 |
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、債務総額や収入状況、債権者との交渉結果によって変わってきます。債務整理を依頼する際には、専門家と相談して無理のない返済計画を立てることが大切です。
また、弁護士費用の分割払いも同時に行う場合は、その返済期間も考慮する必要があります。債務整理後の毎月の返済額と弁護士費用の分割払いの合計が、収入から見て無理のない金額になるよう計画を立てましょう。
債務整理後はいつからローンを組める?
債務整理後に新たにローンを組めるようになるまでの期間は、債務整理の種類や完済の有無、金融機関の基準によって異なります。一般的な目安は以下の通りです。
債務整理の種類 | ローン審査への影響 |
---|---|
任意整理 | 完済から約5~7年程度経過すれば審査に通る可能性あり |
個人再生 | 再生計画完遂から約5~10年程度経過が必要 |
自己破産 | 免責決定から約7~10年程度経過が必要 |
債務整理を行うと、個人信用情報機関に事故情報として登録されます。この情報は一定期間(5~10年程度)保存され、その間はクレジットカードの発行や住宅ローン、自動車ローンなどの審査に通りにくくなります。
ただし、情報の登録期間が経過すれば削除され、新たにローンを組める可能性は高まります。また、債務整理後でも、勤続年数や年収が安定していれば審査に通る場合もあります。特に任意整理は他の債務整理方法に比べて影響が小さい傾向にあります。
債務整理後にローンを組みたい場合は、まずは確実に返済計画を完遂することが重要です。その後、少額の借入から始めて返済実績を積み重ね、信用を回復していくことをおすすめします。
債務整理は何ヶ月かかる?
債務整理の手続き期間は、債務整理の種類や個別の状況によって異なります。一般的な目安は以下の通りです。
債務整理の種類 | 手続き期間の目安 |
---|---|
任意整理 | 3~6ヶ月程度 |
個人再生 | 1年~1年半程度 |
自己破産(同時廃止) | 6ヶ月~1年程度 |
自己破産(管財事件) | 1年~1年3ヶ月程度 |
特定調停 | 3~4ヶ月程度 |
任意整理は裁判所を介さない手続きのため比較的短期間で完了しますが、債権者数が多い場合や交渉が難航する場合には長引くことがあります。
個人再生は裁判所での手続きや再生計画の作成、履行テストなどが必要なため、1年以上かかるのが一般的です。
自己破産は同時廃止事件であれば半年程度で免責決定が出ることもありますが、管財事件になると破産管財人による財産調査や債権者集会などが行われるため、1年以上かかることが多いです。
ただし、これらはあくまで目安であり、個別の状況や裁判所の混雑状況によって変動します。手続き期間中は基本的に督促がストップするため、その間に生活の立て直しを図ることができます。
債務整理にかかる費用は確定申告で控除できる?
債務整理の弁護士費用や司法書士費用は、一定の条件を満たせば確定申告で「雑損控除」または「所得控除」の対象になる可能性があります。
雑損控除は、災害や盗難、横領などによる損失に適用される控除ですが、債務整理の費用が対象になるかどうかは、個別の状況によって異なります。また、弁護士費用等は「特定支出控除」の対象になる可能性もあります。
ただし、債務整理の費用を確定申告で控除するためには、領収書や契約書などの証明書類が必要です。確定申告の際には、税理士や税務署に相談することをおすすめします。
なお、債務整理による債務免除益(借金が免除されたことによる利益)は、原則として所得税の課税対象になりますが、自己破産による免除や、資産価値を上回る債務の免除などは非課税となる場合があります。債務整理を検討する際には、税金面についても専門家に相談することをおすすめします。
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まとめ:債務整理の費用について
この記事では、債務整理の費用相場や支払えない場合の対処法、弁護士と司法書士の費用比較などについて詳しく解説してきました。最後に、債務整理の費用に関する重要なポイントをまとめます。
債務整理の費用相場を理解しよう
債務整理の費用は種類によって大きく異なります。任意整理は5~15万円程度(債権者1社あたり)、個人再生は50~90万円程度、自己破産は50~130万円程度、特定調停は1,000円程度が相場です。
また、個人再生と自己破産は裁判所への申立てが必要なため、弁護士費用に加えて裁判所費用も必要になります。特に自己破産が管財事件になると費用が高額になるため、事前に見積もりを確認することが重要です。
費用が払えなくても債務整理は可能
「今すぐ費用が用意できない」という場合でも、債務整理を諦める必要はありません。多くの弁護士事務所や司法書士事務所では分割払いに対応しています。また、弁護士に依頼すると受任通知により債権者への返済がストップするため、その間に費用を準備することも可能です。
さらに、経済的に余裕がない方は法テラスの民事法律扶助制度を利用することで、弁護士費用の立替えと分割払いができます。どうしても費用が払えない場合は、自分で債務整理を行う方法もありますが、デメリットも考慮する必要があります。
弁護士と司法書士はケースに応じて選ぼう
債務整理を依頼する際、弁護士と司法書士のどちらを選ぶかは重要なポイントです。司法書士に依頼すると費用が若干安くなる傾向がありますが、1社あたり140万円を超える債務の交渉はできません。また、個人再生や自己破産の場合、書類作成の代行しかできないため、裁判所での手続きは自分で行う必要があります。
費用を抑えたい場合は司法書士、手続きを全て任せたい場合は弁護士に依頼するのが良いでしょう。特に個人再生や自己破産を検討している場合は、弁護士への依頼がおすすめです。
費用対効果を考えよう
債務整理にはコストがかかりますが、それ以上のメリットが得られるケースがほとんどです。任意整理では将来利息のカットや過払い金の回収、個人再生では債務の大幅減額、自己破産では債務の免除が可能です。
債務整理の費用が心配な場合は、まずはおすすめ事務所の無料相談を利用して、自分のケースでどれくらいの減額が期待できるか、費用はいくらかかるか、費用の支払い方法はどうなるかなど、具体的に確認することをおすすめします。
最後に
借金問題は放置すればするほど状況が悪化していきます。「債務整理の費用が払えない」と諦めてしまう前に、まずは専門家に相談してみましょう。状況を正確に把握し、最適な解決方法を見つけることが、借金問題から抜け出す第一歩です。
債務整理は人生の再出発のための重要な手続きです。適切な専門家のサポートを受けながら、無理のない返済計画で確実に債務を減らしていきましょう。経済的に困難な状況にあっても、解決策は必ず見つかります。
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