合併(がっぺい)について詳しく解説

合併とは、複数の企業や金融機関が一つの法人に統合することをいいます。

債務整理や過払い金請求との関連では、債権者である銀行や消費者金融、信販会社などが合併によって別の会社となるケースが重要です。合併によって債権者が変わると、過払い金請求の相手方や債務整理の交渉先が変更になるため、対応方法の確認が必要になります。

合併とは

合併とは、複数の会社が法律上も経済上も完全に一つの会社に統合することを指します。会社法上は、存続会社が消滅会社の権利義務を全て承継する「吸収合併」と、複数の会社が全て消滅して新たな会社を設立する「新設合併」の2種類があります。

2000年代以降、金融業界では大規模な再編が進み、多くの銀行や消費者金融、信販会社などが合併を行いました。これにより、過去に取引のあった貸金業者が現在は別の会社名になっているケースが多く見られます。

合併の種類
  • 吸収合併:存続会社が消滅会社の権利義務を承継
  • 新設合併:複数の会社が消滅し、新会社が設立される
合併の法的効果
  • 消滅会社の権利義務が存続会社または新設会社に包括的に承継される
  • 債権債務関係もそのまま引き継がれる
  • 合併前の契約や取引関係も継続される
主な合併例
  • みずほ銀行(旧第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行)
  • 三井住友銀行(旧さくら銀行、住友銀行)
  • プロミス・アコムの三菱UFJフィナンシャル・グループへの統合
  • 新生銀行によるレイク・シンキの統合

上記の表は合併の基本的な概念と主な例をまとめたものです。債務整理や過払い金請求を検討する際には、過去の取引先がどのような合併を経ているかを確認することが重要になります。

債権者の合併による影響

債権者である金融機関や貸金業者が合併した場合、債務者にはいくつかの影響が生じます。主な影響は以下の通りです。

  • 返済先や返済方法の変更
  • 連絡先や担当窓口の変更
  • 金利や返済条件が見直される可能性
  • 過払い金請求の相手方が変わる
  • 債務整理の交渉先が変わる
  • 取引履歴の開示請求先が変わる

上記のリストは債権者の合併による主な影響をまとめたものです。特に、過払い金請求や債務整理を検討している場合は、正確な相手方を把握することが重要です。

合併により債権者が変わっても、債務自体は消滅せず、合併後の会社に引き継がれます。これは会社法の「包括承継」の原則によるものです。そのため、合併前に発生した過払い金についても、合併後の会社に対して請求することになります。

請求書や督促状の発送元が変わる 合併により会社名が変更となるため、請求書や督促状の発送元も変更になります。突然知らない会社から請求が来ても、合併による正当な権利承継であれば対応する必要があります。
口座振替や引落し先が変わる 合併により振込先や引落し口座が変更になることがあります。この場合、債権者から事前に通知があるのが一般的ですが、通知を見落とすと延滞になる可能性があるため注意が必要です。
契約内容の見直し 合併を機に契約条件が見直されることがあります。金利や返済期間、返済額などが変更される可能性があるため、合併通知が来た場合は内容をよく確認しましょう。

上記の表は債権者の合併による具体的な影響をまとめたものです。合併通知を受け取った場合は、内容をよく確認し、不明点があれば合併後の会社に問い合わせることが大切です。

貸金業者の合併と過払い金請求

過払い金請求を検討する際、取引のあった貸金業者が合併により別の会社になっている場合があります。この場合、過払い金請求は現在の会社(合併後の存続会社または新設会社)に対して行うことになります。

以下は、主な貸金業者の合併事例と過払い金請求先です。

旧会社名 現在の会社名(請求先)
プロミス SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
三洋信販 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
アットローン SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
CFJ(キャッシュワン) アコム株式会社
ディック・ファイナンス アイフル株式会社
ライフ 株式会社アプラス
レイク 新生フィナンシャル株式会社→株式会社レイク

上記の表は主な貸金業者の合併状況と過払い金請求先をまとめたものです。実際の請求先は合併状況によって異なる場合があるため、最新情報の確認が必要です。

過払い金請求を行う際には、以下の点に注意しましょう。

  1. 取引履歴の開示請求は合併後の会社に対して行う
  2. 過払い金請求も合併後の会社に対して行う
  3. 合併前の取引であっても、合併後の会社が権利義務を承継している
  4. 過払い金の計算書には旧会社名と取引期間を明記する
  5. 会社が破産や清算で消滅している場合は請求ができない可能性がある

上記のリストは過払い金請求における合併の取扱いに関する注意点をまとめたものです。合併による権利義務の承継関係を正確に把握することが、適切な過払い金請求の第一歩となります。

債務整理における合併の取扱い

債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)を行う際にも、債権者の合併状況を正確に把握することが重要です。債務整理の種類ごとの合併の取扱いは以下の通りです。

任意整理
  • 現在の債権者(合併後の会社)に対して交渉を行う
  • 受任通知も合併後の会社に送付する
  • 和解交渉の際は、合併前の取引についても含めて交渉する
  • 過払い金があれば、その充当や返還も含めて交渉できる
個人再生
  • 債権者一覧に現在の債権者(合併後の会社)を記載する
  • 債権額の照会も合併後の会社に対して行う
  • 合併前の取引に基づく債権も含めて、一つの債権として再生計画に組み込まれる
自己破産
  • 債権者一覧に現在の債権者(合併後の会社)を記載する
  • 合併前の複数の会社と取引があっても、現在の債権者として一社のみ記載
  • 破産管財人は合併後の会社に対して債権調査を行う

上記の表は債務整理における合併の取扱いをまとめたものです。いずれの債務整理でも、現在の債権者(合併後の会社)を正確に把握することが重要です。

債務整理の申立てや交渉の際には、合併前の取引についても明確に記載しておくことが望ましいです。例えば、「旧プロミスとの取引(契約番号:〇〇〇)」のように記載することで、債権者側も取引履歴を特定しやすくなります。また、複数の会社との取引が一つの会社に統合されている場合は、それぞれの取引について明記しておくと良いでしょう。

合併企業の調査方法

過去に取引のあった貸金業者が現在どの会社になっているか調査する方法はいくつかあります。以下に主な調査方法をまとめました。

  • インターネットでの検索(会社名+合併で検索)
  • 各社の公式ウェブサイトでの沿革や会社概要の確認
  • 金融庁や日本貸金業協会のウェブサイトでの確認
  • 弁護士・司法書士への相談(過去の事例から特定できる場合がある)
  • 商業登記簿の閲覧(登記所で閲覧可能)
  • 過去の契約書や明細書に記載の連絡先への問い合わせ

上記のリストは合併企業を調査する主な方法をまとめたものです。特に、商業登記簿の閲覧は、正確な合併状況を知るための確実な方法です。

商業登記簿を閲覧する方法は以下の通りです。

  1. 最寄りの法務局(登記所)に行く
  2. 会社の名称と本店所在地を記入した閲覧申請書を提出
  3. 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得する(1通約600円)
  4. 証明書の「変更の登記」や「合併」の項目を確認する

上記のリストは商業登記簿の閲覧方法をまとめたものです。商業登記簿には合併の履歴が記載されており、正確な合併関係を確認することができます。ただし、古い情報になると調査に時間がかかる場合があります。

なお、債務整理や過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼する場合は、これらの調査は専門家が行ってくれます。特に経験豊富な事務所では、多くの貸金業者の合併状況を把握しているため、スムーズに対応してもらえる可能性が高いです。

消滅会社への対応

貸金業者が合併ではなく破産や清算で消滅している場合、債務整理や過払い金請求はどのように行えばよいのでしょうか。主なケースと対応方法は以下の通りです。

破産による消滅
  • 債務者の債務は原則として残るが、回収は事実上困難になる
  • 破産管財人が選任されている場合は、管財人に連絡することもできる
  • 過払い金については、破産債権として届出をすることになるが、配当はほとんど期待できない
事業譲渡による消滅
  • 事業譲渡では原則として債権債務は承継されないが、特約で承継される場合もある
  • 譲渡先企業に確認することが必要
  • 事業譲渡後も旧会社が存続している場合は、旧会社に対して請求できる可能性がある
清算による消滅
  • 債務者の債務は原則として消滅しない(債権譲渡が行われている可能性がある)
  • 清算結了後は法人格が消滅するため、過払い金請求は事実上困難になる
  • 清算前に債権譲渡が行われていれば、譲受人に対して請求できる可能性がある

上記の表は消滅会社への対応をまとめたものです。会社が消滅した場合、過払い金請求は難しくなることが多いですが、債務整理においては債務自体が消滅するわけではないため注意が必要です。

消滅会社に対する債務整理や過払い金請求に関しては、専門家(弁護士・司法書士)に相談することをおすすめします。特に、以下のような点を確認する必要があります。

  • 債権譲渡が行われていないか
  • 破産管財人や清算人が選任されていないか
  • 保証会社や親会社による債権引受がないか
  • 時効が成立していないか

上記のリストは消滅会社への対応において確認すべき点をまとめたものです。消滅会社との取引に関しては、状況が複雑なため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが望ましいでしょう。

よくある質問

合併した貸金業者に対する過払い金請求はどこに行えばよいですか?

合併した貸金業者に対する過払い金請求は、合併後の存続会社または新設会社に対して行います。例えば、プロミスとの取引がある場合、現在はSMBCコンシューマーファイナンス株式会社に対して請求することになります。

請求先がわからない場合は、インターネットでの検索や商業登記簿の閲覧、弁護士・司法書士への相談などで調査することができます。なお、過払い金請求を専門家に依頼する場合は、取引していた会社名と取引期間を伝えれば、専門家が適切な請求先を調査してくれます。

複数の貸金業者が一つの会社に合併した場合、過払い金はどのように計算されますか?

複数の貸金業者が一つの会社に合併した場合でも、基本的には各社との取引は別々に計算します。例えば、プロミスと三洋信販の両方と取引があった場合、それぞれの取引について個別に引き直し計算を行い、過払い金が発生していれば合算して請求することになります。

ただし、合併後に両社の債権が一本化された場合など、特殊なケースでは計算方法が異なることもあります。正確な計算には、両社の完全な取引履歴が必要になりますので、合併後の会社に対して取引履歴の開示請求を行い、専門家(弁護士・司法書士)に計算を依頼することをおすすめします。

貸金業者が合併した場合、債務整理の対象に含める必要がありますか?

貸金業者が合併した場合でも、債務整理(特に任意整理や自己破産)では原則としてすべての債務を対象に含める必要があります。合併によって債権者が変わっても、債務自体は消滅せず、合併後の会社に承継されています。

ただし、任意整理の場合は、対象とする債権者を選択することができるため、合併後の会社との取引だけを対象にすることも可能です。しかし、一部の債権者だけを対象にすると、他の債権者からの取立てが継続する可能性があります。債務整理を検討する際は、すべての債務状況を専門家に相談し、最適な方法を選択することが重要です。

まとめ

合併とは、複数の企業や金融機関が一つの法人に統合することをいいます。債務整理や過払い金請求との関連では、債権者である銀行や消費者金融、信販会社などが合併によって別の会社となるケースが重要です。

合併には、存続会社が消滅会社の権利義務を全て承継する「吸収合併」と、複数の会社が全て消滅して新たな会社を設立する「新設合併」の2種類があります。いずれの場合も、消滅会社の権利義務は合併後の会社に包括的に承継されるため、債務や過払い金請求権も引き継がれます。

債権者が合併した場合、返済先や連絡先が変更になるほか、過払い金請求の相手方や債務整理の交渉先も変わります。しかし、債務自体は消滅せず、合併後の会社に引き継がれるため、合併後の会社に対して過払い金請求や債務整理の申立てを行うことになります。

過払い金請求を行う際には、取引履歴の開示請求も過払い金請求も合併後の会社に対して行います。また、債務整理においても、現在の債権者(合併後の会社)を正確に把握し、適切に対応することが重要です。

合併企業を調査する方法としては、インターネットでの検索、各社の公式ウェブサイトの確認、商業登記簿の閲覧などがあります。特に商業登記簿には合併の履歴が記載されており、正確な合併関係を確認することができます。

なお、貸金業者が合併ではなく破産や清算で消滅している場合は、債務整理や過払い金請求が複雑になることがあります。このような場合は、専門家(弁護士・司法書士)に相談して適切な対応を検討することをおすすめします。債務整理や過払い金請求を検討する際は、取引先の現在の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスを受けながら進めることが大切です。

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