検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)について詳しく解説

検索の抗弁権とは、連帯保証人や物上保証人が債権者に対して「主債務者に請求してから支払いを求めてください」と主張できる権利です。通常の保証契約では、債権者は主債務者に先に請求する必要がなく、いきなり保証人に請求できますが、検索の抗弁権があれば保証人は一時的に支払いを拒むことができます。

債務整理や過払い金請求の現場では、この権利が保証人の負担軽減につながるケースがありますが、多くの保証契約では特約によってこの権利が排除されていることが多いのが実情です。

検索の抗弁権とは

検索の抗弁権とは、民法第453条に規定されている保証人の権利です。連帯保証人ではない普通保証人が、債権者からの請求に対して「まずは主債務者の財産を調べて(検索して)、そちらから回収してください」と主張できる権利を指します。

この権利により、保証人は主債務者に弁済能力がある間は、自分の財産から支払う義務を一時的に拒むことができます。債権者は主債務者の財産を差し押さえるなどして、回収を試みる必要があります。

検索の抗弁権の法的根拠 民法第453条(検索の抗弁)
適用対象
  • 普通保証人
  • 物上保証人
効果 主債務者の財産を先に執行するよう求める権利

上記の表は検索の抗弁権の基本的な情報をまとめたものです。この権利は普通保証人と物上保証人に認められており、主債務者の財産から先に回収するよう債権者に求めることができます。

検索の抗弁権の行使条件

検索の抗弁権を行使するためには、いくつかの条件があります。単に「主債務者に請求してください」と言うだけでは不十分で、具体的な要件を満たす必要があります。

  1. 保証人は債権者に対し、主債務者に弁済能力があることを証明する必要がある
  2. 保証人は主債務者の財産を指摘しなければならない
  3. 指摘する財産は、執行が容易なものである必要がある
  4. 指摘する財産は、債務の弁済に十分な価値を持つものでなければならない

上記のステップは検索の抗弁権を行使するための具体的な条件です。ただ単に主債務者に請求するよう主張するだけでなく、主債務者の具体的な財産を指摘し、その財産から回収可能であることを示す必要があります。

検索の抗弁権の制限と排除

検索の抗弁権は様々な理由で制限されたり、排除されたりすることがあります。特に消費者金融やクレジットカードなどの借入契約では、ほとんどの場合この権利が排除されています。

  • 連帯保証人の場合は検索の抗弁権が認められない
  • 保証契約に「検索の抗弁権を放棄する」という特約がある場合は行使できない
  • 主債務者が破産手続き中の場合は行使できない
  • 主債務者の所在が不明な場合は行使できない
  • 執行が困難な財産しか指摘できない場合は認められないことがある

上記のリストは検索の抗弁権が制限・排除される主な場合です。実際の金融契約では、ほとんどの保証契約で連帯保証人となるか、検索の抗弁権を放棄する特約が付されているため、この権利が実際に行使できるケースは限られています。

債務整理における検索の抗弁権の意義

債務整理の場面では、検索の抗弁権が重要な意味を持つことがあります。特に保証人自身が経済的困難に直面している場合、この権利の有無が大きな違いを生むことがあります。

任意整理の場合 主債務者の任意整理中に保証人への請求が始まった場合、検索の抗弁権があれば交渉の余地が生まれる
個人再生の場合 主債務者が個人再生をしても保証債務は残るが、検索の抗弁権があれば主債務者の再生計画の履行状況を見ることができる
自己破産の場合 主債務者が破産すると検索の抗弁権は行使できなくなるため、保証人への請求が直ちに可能になる

上記の表は債務整理の各手続きにおける検索の抗弁権の意義をまとめたものです。主債務者の債務整理状況によって、保証人の立場や対応方法が変わってくるため、状況に応じた適切な判断が必要になります。

検索の抗弁権に関する注意点

検索の抗弁権に関して、保証人や債務者が知っておくべき重要な注意点がいくつかあります。この権利は一時的な支払い拒絶の権利であり、完全な免責ではないことを理解しておく必要があります。

検索の抗弁権と連帯保証の関係

多くの借入契約では連帯保証を求められます。連帯保証人には検索の抗弁権が認められていないため、債権者はいきなり保証人に請求することができます。

契約書の「連帯保証人」という文言に注意が必要です。連帯保証人となっている場合、検索の抗弁権は最初から存在しないことになります。

検索の抗弁権の放棄特約

普通保証人であっても、契約書に「検索の抗弁権を放棄する」という特約がある場合は、この権利を行使することができません。契約時にこのような特約があるかどうかを確認することが重要です。

多くの金融機関の保証契約では、この放棄特約が標準的に含まれていることが多いです。そのため、実際には検索の抗弁権が行使できるケースは限定的です。

検索の抗弁権と時効の関係

検索の抗弁権を行使しても、保証債務の時効は中断しません。ただし、債権者が主債務者への請求を行うことで、主債務の時効は中断します。

保証人として時効による保護を受けたい場合は、検索の抗弁権とは別に時効の管理も必要です。主債務者の時効と保証債務の時効は別々に進行することを理解しておきましょう。

過払い金請求と検索の抗弁権の関係

主債務者に過払い金が発生している場合、保証人は検索の抗弁権の行使と併せて、主債務者の過払い金返還請求権との相殺を主張できる可能性があります。

ただし、この主張は複雑な法的問題を含むため、専門家への相談が必要です。過払い金が発生している可能性がある場合は、司法書士や弁護士にアドバイスを求めることをおすすめします。

まとめ

検索の抗弁権は、普通保証人が債権者に対して「まずは主債務者の財産から回収してください」と主張できる重要な権利です。この権利により、保証人は一時的に支払いを拒むことができますが、完全な免責ではありません。

実際の金融取引では、連帯保証や検索の抗弁権放棄特約により、この権利が制限されていることが多いのが現実です。契約時には保証の種類や特約の内容をよく確認し、保証人になる際のリスクを理解しておくことが重要です。

債務整理の場面では、主債務者の状況によって検索の抗弁権の意義が変わってきます。特に主債務者が任意整理や個人再生を行っている場合には、この権利が保証人の負担軽減につながる可能性があります。

検索の抗弁権に関する疑問や具体的な対応については、専門家である司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。債務問題は複雑なため、早めの専門家への相談が問題解決の鍵となります。

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