買取屋(かいとりや)について詳しく解説
買取屋とは、債務整理や過払い金請求の文脈では、債権者から債権を買い取り、債務者に対して取立てを行う業者のことを指します。一般的には、大手消費者金融や銀行などが回収を諦めた不良債権を安く買い取り、債務者から回収することで利益を得るビジネスモデルで運営されています。
買取屋は債権回収会社(サービサー)の一種ですが、正規の債権回収会社とは異なり、悪質な取立て行為を行うケースもあります。債務整理を検討している方は、買取屋の特徴や対応方法を知っておくことで、適切に対処することができます。
買取屋の基本知識
買取屋とは、債権者から債権を安く買い取り、債務者から回収することで利益を得るビジネスを行う業者のことです。主に時効が近い債権や、回収が難しいとされる不良債権を対象としています。
債権者(銀行や消費者金融など)は回収コストや手間を考慮し、回収が困難な債権を額面より大幅に安い価格で売却します。買取屋はこれを購入し、元の債権額での回収を試みることで利益を出します。
買取屋の定義 | 債権者から不良債権を安く買い取り、債務者から回収を試みる業者 |
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ビジネスモデル |
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対象となる債権 |
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この表は買取屋の基本的な特徴をまとめたものです。買取屋は債権を安く買い取って高く回収するというビジネスモデルのため、強引な取立てを行う場合があります。
買取屋と正規の債権回収会社の違い
買取屋と正規の債権回収会社(サービサー)は似たような業務を行いますが、法的な位置づけや業務の進め方に重要な違いがあります。
正規の債権回収会社(サービサー) |
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買取屋 |
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この表は正規の債権回収会社と買取屋の主な違いを示しています。正規の債権回収会社は法的な規制のもとで業務を行いますが、買取屋はそうした規制を受けない場合があります。
ただし、買取屋であっても貸金業法や取立て規制(貸金業法第21条)は適用されるため、違法な取立て行為は禁止されています。しかし、実際には法律の抜け穴を利用した手法で取立てを行うケースも見られます。
- 営業時間の制限を守らない(夜間や早朝の電話など)
- 職場への連絡や周囲への債務の告知
- 脅迫まがいの言動や執拗な取立て
- 時効が成立している債権の取立て
- 架空の裁判や法的手続きをちらつかせる
上記のリストは買取屋による可能性のある違法・悪質な取立て行為の例です。このような行為は法律違反となる可能性が高いため、遭遇した場合は専門家に相談することが重要です。
買取屋が行う取立て手法
買取屋が用いる取立て手法には、合法的なものから違法なものまで様々なパターンがあります。代表的な手法について知っておくことで、適切な対応が可能になります。
一般的な取立て手法
- 電話による督促:繰り返し電話をかけて返済を促す
- 文書による督促:催告書、請求書などの送付
- 訪問による督促:自宅や職場を訪問して返済を求める
- 分割払いの提案:一括返済が難しい場合に分割返済の提案をする
- 減額和解の提案:元金の一部免除を条件に残りの一括払いを求める
- 法的手続きの予告:裁判や強制執行の可能性を示唆する
上記のリストは買取屋が用いる一般的な取立て手法です。これらは適切に行われる限り、基本的に合法です。
悪質な取立て手法(違法の可能性あり)
違法な時間帯の連絡 |
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プライバシー侵害 |
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脅迫・威圧的言動 |
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虚偽の説明 |
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この表は買取屋が用いる可能性のある悪質な取立て手法をまとめたものです。これらの手法は貸金業法違反や脅迫罪などに該当する可能性があります。
特に近年では、時効が成立している債権の取立てや、法的手続きを装った文書の送付など、法律の知識を悪用した手法も見られます。こうした行為に遭遇した場合は、証拠を残し、専門家に相談することが重要です。
時効と買取屋の関係
買取屋が取扱う債権の多くは時効が近い、あるいは既に時効が成立している可能性のあるものです。債務の時効と買取屋の関係について理解しておくことが重要です。
債務の時効の基本
- 貸金債権の時効期間:最後の取引や返済から5年(改正民法)
- 時効の完成:時効期間が経過することで時効が「完成」する
- 時効の援用:時効の利益を受けるには「援用」(主張)が必要
- 時効の中断事由:裁判所への訴え、債務承認、一部返済など
上記のリストは債務の時効に関する基本的な情報です。2020年4月の民法改正前は貸金債権の時効は5年または10年と解釈されていましたが、改正後は原則5年となりました。
買取屋と時効の関係
時効間近の債権取立て |
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時効成立後の債権取立て |
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この表は買取屋が時効に関連して用いる手法をまとめたものです。特に注意すべきは、時効成立後の取立てにおいて、債務者が「債務を認める」発言をすると、時効の利益を失う可能性がある点です。
時効が成立している可能性がある古い債務について連絡を受けた場合は、すぐに返済や債務承認の発言をせず、まずは専門家(弁護士・司法書士)に相談することが重要です。
買取屋への適切な対応方法
買取屋からの連絡や取立てに対しては、冷静かつ適切に対応することが重要です。以下に基本的な対応方法をご紹介します。
- 焦らず冷静に対応する:感情的にならず、冷静に状況を把握する
- 個人情報を安易に伝えない:住所変更や勤務先など新しい情報は伝えない
- すぐに返済や和解に応じない:内容を検討する時間を確保する
- 証拠を記録・保存する:通話の録音、文書の保存、訪問記録などを残す
- 安易な債務承認をしない:「借りたことは認める」などの発言を避ける
- 専門家に相談する:弁護士や司法書士に相談して適切な対応を検討する
上記のリストは買取屋への対応における基本的な注意点です。特に重要なのは、すぐに判断せず、専門家に相談することです。
具体的な対応手順
- 債権の内容確認:いつの、どこからの借入なのかを確認する
- 買取屋の確認:正規の債権回収会社なのか、そうでないのかを確認する
- 債権譲渡の証明:元の債権者からの債権譲渡通知があったか確認する
- 時効の確認:最後の取引や返済からどれくらい経過しているか確認する
- 専門家への相談:弁護士や司法書士に状況を説明して相談する
- 対応方針の決定:時効援用、分割返済、減額和解などの対応を検討する
- 通知書の送付:専門家を通じて対応方針を書面で通知する
上記のリストは買取屋への対応手順の例です。債権の内容や状況によって最適な対応は異なるため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
違法な取立てへの対応
証拠の確保 |
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行政機関への相談 |
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警察への相談 |
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この表は違法な取立てへの対応方法をまとめたものです。違法行為の証拠を確保し、適切な機関に相談することが重要です。
債務整理と買取屋
債務整理を検討している場合や、既に債務整理を行った場合の買取屋への対応について理解しておくことが重要です。
債務整理前の買取屋対応
- 債務整理の検討を買取屋に伝えない:取立てが強化される可能性がある
- 弁護士や司法書士への相談を優先する:専門家のアドバイスを受ける
- 個別の和解交渉を行わない:債務整理の全体計画に影響する
- 支払いを約束しない:債務整理の方針が決まるまで保留する
- 新たな借入をしない:債務整理の妨げになる
上記のリストは債務整理前の買取屋対応における注意点です。債務整理を検討している場合は、個別対応せず、専門家に相談することが重要です。
債務整理の種類と買取屋への影響
任意整理 |
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個人再生 |
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自己破産 |
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この表は債務整理の種類と買取屋への影響をまとめたものです。どの債務整理方法でも、専門家(弁護士・司法書士)に依頼することで取立てを止めることができます。
債務整理後の買取屋対応
債務整理後に買取屋から連絡があった場合は、以下のように対応します。
- 債務整理の事実を伝える:和解済み、免責決定済みなどの事実を伝える
- 担当弁護士・司法書士に連絡する:引き続き代理人に対応してもらう
- 和解内容や免責決定の証明書類を提示する:必要に応じて写しを送付
- 違法な取立てには毅然と対応する:証拠を残し、専門家や警察に相談
- 新たな返済約束をしない:債務整理済みの債務に対する新たな返済約束は避ける
上記のリストは債務整理後の買取屋対応の手順です。債務整理によって法的に解決した債務については、その事実を明確に伝え、不当な取立てには応じないことが重要です。
よくある質問
買取屋からの連絡を無視してもよいですか?
買取屋からの連絡を完全に無視することは、短期的には取立てを回避できますが、長期的には必ずしも最善の策とは言えません。無視を続けると、より強引な取立てが行われたり、法的手続きに発展したりする可能性があります。
まずは弁護士や司法書士などの専門家に相談し、債務の状況(時効の有無、債務整理の可能性など)を確認した上で、適切な対応を取ることをおすすめします。専門家に依頼すれば、以降の連絡は専門家を通じて行われるため、直接のやり取りを避けることができます。
買取屋に一部返済すると残りの債務も支払わなければなりませんか?
一部返済を行うと、法的には「債務の承認」となり、時効が中断(リセット)される可能性があります。特に時効が成立している可能性がある古い債務の場合、一部返済は避けた方が良い場合があります。
また、一部返済は必ずしも残りの債務を分割払いにする合意とはなりませんが、買取屋はこれを「返済意思の確認」と捉え、さらなる取立てを強化する可能性があります。一部返済を行う前に、弁護士や司法書士に相談し、和解契約を正式に結ぶなどの対応を検討することをおすすめします。
買取屋を名乗る業者から「法的手続きを取る」と言われました。本当に訴えられますか?
買取屋を名乗る業者が「法的手続きを取る」と言っても、実際に訴訟を提起できるかどうかは状況によります。正規の債権回収会社(サービサー)であれば法的手続きを取ることができますが、無許可の買取屋が直接訴訟を提起することは弁護士法違反となる可能性があります。
ただし、買取屋が弁護士に依頼して訴訟を提起することは可能です。時効が成立していない債務であれば、法的手続きを取られる可能性はあります。このような通知を受けた場合は、早急に弁護士や司法書士に相談し、時効の状況や対応策を検討することが重要です。
まとめ
買取屋とは、債権者から不良債権を安く買い取り、債務者から回収することで利益を得るビジネスを行う業者のことです。正規の債権回収会社(サービサー)とは異なり、法務大臣の許可を持たない場合が多く、悪質な取立て手法を用いるケースもあります。
買取屋が行う取立て手法には、電話や文書による督促、訪問、分割払いや減額和解の提案などの合法的なものから、違法な時間帯の連絡、プライバシー侵害、脅迫・威圧的言動、虚偽の説明などの悪質なものまであります。特に時効が成立している可能性のある古い債務の取立てが問題となるケースが少なくありません。
買取屋からの連絡や取立てに対しては、焦らず冷静に対応し、個人情報を安易に伝えない、すぐに返済や和解に応じない、証拠を記録・保存する、安易な債務承認をしない、専門家に相談するといった対応が重要です。特に違法な取立てを受けた場合は、証拠を確保し、行政機関や警察に相談することが有効です。
債務整理を検討している場合や既に債務整理を行った場合は、買取屋に個別に対応せず、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが大切です。任意整理、個人再生、自己破産など、どの債務整理方法でも専門家に依頼することで取立てを止めることができます。
買取屋との問題に直面している方は、一人で抱え込まず、早めに弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、適切な対応が可能となり、不安や心配を軽減することができます。
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