過払い金請求(かばらいきんせいきゅう)について詳しく解説

過払い金請求とは、貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社など)に対して、法律で定められた上限金利を超えて支払ってしまった利息(過払い金)の返還を求める手続きのことです。2006年の最高裁判決により、多くの借り手が過払い金の返還を受ける権利が認められるようになりました。

過払い金請求とは

過払い金請求とは、貸金業者に対して法定の上限金利を超えて支払った利息(過払い金)の返還を求める法的手続きです。主に2010年以前の「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利帯での取引によって発生した過払い金を取り戻すための手段として活用されています。

2006年の最高裁判決によって、利息制限法の上限金利を超える金利は無効であり、その部分は元本の返済に充当されるべきであるという「引き直し計算」の考え方が確立されました。これにより、多くの借り手に過払い金が発生していることが明らかになりました。

過払い金請求の法的根拠
  • 利息制限法(上限金利の規定)
  • 2006年最高裁判決(みなし弁済規定の厳格解釈)
  • 民法上の不当利得返還請求権
過払い金請求の効果
  • 過払い金の返還
  • 借入残高の減額または消滅
  • 信用情報機関の延滞情報の削除(場合による)

上記の表は過払い金請求の法的根拠と主な効果をまとめたものです。過払い金請求は単に利息の返還を受けるだけでなく、債務整理の一環として活用されることもあります。

過払い金請求ができるケース

過払い金請求ができるのは、主に以下のようなケースです。特に2010年6月の改正貸金業法施行以前に借入を行っていた方は、過払い金が発生している可能性が高いと言えます。

  • 消費者金融やクレジットカード会社からの借入があった
  • 長期間にわたって返済を続けていた
  • 借り入れと返済を繰り返す「リボ払い」や「回転取引」を利用していた
  • 金利が15%〜29.2%の間だった
  • すでに完済している場合でも請求可能(時効に注意)
  • 現在も返済中の場合も請求可能

上記のリストは過払い金請求が可能な主なケースです。該当する項目が多いほど、過払い金が発生している可能性が高くなります。

具体的には、元本に応じた利息制限法の上限金利(10万円未満:年20%、10万円以上100万円未満:年18%、100万円以上:年15%)を超える金利で取引が行われていた場合に過払い金が発生します。

過払い金が発生しやすい貸金業者
  • 消費者金融(アコム、プロミス、アイフル、レイクなど)
  • 信販会社(オリコ、ジャックス、セディナなど)
  • クレジットカード会社のキャッシング
  • 銀行系カードローン(2006年以前の一部)

上記の表は過払い金が発生しやすい主な貸金業者の例です。ただし、必ずしもすべての取引で過払い金が発生するわけではなく、取引履歴を確認する必要があります。

過払い金請求の流れと必要書類

過払い金請求の一般的な流れは以下の通りです。専門家に依頼する場合は、これらの手続きを代行してもらえることが一般的です。

  1. 取引履歴の開示請求(貸金業者に対して取引履歴の開示を請求)
  2. 引き直し計算(利息制限法の上限金利で再計算)
  3. 過払い金返還請求(貸金業者に対して請求書を送付)
  4. 交渉・和解(貸金業者との返還額や返還方法についての交渉)
  5. 訴訟(和解に至らない場合、裁判所に訴訟を提起)
  6. 返還金の受領(和解または判決に基づいて過払い金を受け取る)

上記のリストは過払い金請求の一般的な手続きの流れを示しています。実際の期間は、貸金業者の対応や事案の複雑さによって異なりますが、通常は数か月から1年程度かかることが一般的です。

過払い金請求に必要な主な書類は以下の通りです。これらの書類を準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。

本人確認書類 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
契約関係書類 契約書、取引明細書、返済予定表、領収書など(あれば)
印鑑 認印(訴訟の場合は実印と印鑑証明書が必要)
通帳のコピー 過払い金の振込先口座の情報

上記の表は過払い金請求に必要な主な書類をまとめたものです。これらの書類がすべて揃っていなくても、専門家に相談することは可能です。

過払い金請求の時効

過払い金請求権には時効があります。民法改正(2020年4月施行)により時効の考え方に変更がありましたので注意が必要です。

民法改正前の時効 過払い金が発生した時点から10年間
民法改正後の時効 以下のいずれか早い方
・権利を行使できることを知った時から5年間
・権利を行使できる時から10年間
時効の起算点 取引終了時(完済時または最後の取引日)
時効の中断方法 裁判上の請求(訴訟の提起)
・債務承認(貸金業者による過払い金の存在の認識)

上記の表は過払い金請求権の時効に関する重要な情報をまとめたものです。時効が迫っている場合は、早急に専門家に相談することをおすすめします。

時効が成立すると過払い金請求権が消滅してしまうため、貸金業者との最後の取引から時間が経過している場合は特に注意が必要です。時効の成立を避けるためには、取引履歴の開示請求や訴訟の提起などの法的手続きを行う必要があります。

弁護士・司法書士に依頼するメリット

過払い金請求を自分で行うことも法律上は可能ですが、専門家に依頼することで様々なメリットがあります。特に複数の業者との取引がある場合や取引期間が長い場合は、専門家のサポートが重要になります。

  • 専門的な法律知識に基づいた正確な計算が可能
  • 貸金業者との交渉力が強化される
  • 取引履歴の開示請求がスムーズに進む
  • 貸金業者が請求に応じない場合の訴訟対応も可能
  • 手続きの負担や精神的ストレスが軽減される
  • 成功報酬型の料金体系が多く、初期費用が抑えられることが多い

上記のリストは弁護士・司法書士に過払い金請求を依頼するメリットをまとめたものです。請求額や状況に応じて、専門家への依頼を検討することをおすすめします。

なお、司法書士は140万円以下の請求については訴訟代理権がありますが、それを超える場合は弁護士に依頼する必要があります。初回相談は無料で行っている事務所も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

過払い金請求の費用

過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼する場合、一般的に以下のような費用が発生します。事務所によって料金体系は異なりますが、多くの場合、成功報酬型となっています。

着手金 0円〜5万円程度(無料の事務所も多い)
成功報酬 回収額の20%〜25%程度(税別)
訴訟費用 裁判所に支払う印紙代、郵便切手代など
(訴訟に発展した場合のみ)
その他の費用 交通費、郵送費など(事務所によって異なる)

上記の表は過払い金請求を専門家に依頼する際の一般的な費用相場です。事務所によって料金体系は異なるため、複数の事務所に相談して比較検討することをおすすめします。

過払い金が回収できない場合は、成功報酬は発生しませんが、着手金や実費については返還されない場合があります。依頼前に必ず費用体系について確認しておくことが大切です。

よくある質問

過払い金請求で返還される金額はどのくらいですか?

過払い金の金額は、借入額、返済期間、適用されていた金利などによって大きく異なります。一般的に、長期間にわたって高金利で取引を続けていた場合は、多額の過払い金が発生している可能性があります。

正確な金額を知るためには、取引履歴を取り寄せて専門家に計算してもらうことが最も確実です。実際の返還額は数万円から数百万円まで幅広いケースがあります。

過払い金請求をすると信用情報に影響しますか?

過払い金請求自体は信用情報に悪影響を与えることはありません。ただし、現在返済中の債務について過払い金請求をする場合、一時的に返済を停止することがあります。

この場合、取引履歴の開示請求から返還請求までの間、延滞として信用情報に記録される可能性がありますが、過払い金請求が認められれば、その情報は削除されるのが一般的です。専門家に相談して適切な対応を検討することをおすすめします。

過払い金請求にはどのくらいの期間がかかりますか?

過払い金請求の期間は、貸金業者の対応や事案の複雑さによって異なります。一般的には、取引履歴の開示請求から返還まで、和解で終わる場合は3〜6か月程度、訴訟になる場合は6か月〜1年以上かかることもあります。

貸金業者によっては比較的迅速に対応してくれる場合もありますが、中には取引履歴の開示に時間がかかったり、交渉が難航したりするケースもあります。専門家に依頼する場合は、進捗状況を定期的に確認するとよいでしょう。

まとめ

過払い金請求は、貸金業者に対して法定の上限金利を超えて支払った利息の返還を求める手続きです。2006年の最高裁判決以降、多くの借り手に過払い金が発生していることが明らかになり、過払い金請求が活発に行われるようになりました。

過払い金請求が可能なのは、主に2010年以前にグレーゾーン金利で借入を行っていた方です。請求手続きには、取引履歴の開示請求、引き直し計算、返還請求、交渉・和解などのステップがあります。

過払い金請求権には時効があり、民法改正後は「権利を行使できることを知った時から5年」または「権利を行使できる時から10年」のいずれか早い方が時効期間となります。時効が迫っている場合は、早急に専門家に相談することが重要です。

過払い金請求は専門的な知識や経験が必要となるため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。費用は成功報酬型が多く、回収額の20%〜25%程度が一般的な相場です。

過払い金が返還されれば、借金の返済や生活再建に活用することができます。また、現在も返済中の債務がある場合は、過払い金を充当することで残債務を減額または清算できる可能性もあります。借入の経験がある方は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。

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