日本信用情報機構・JICC(にほんしんようじょうほうきこう・じぇいあいしーしー)について詳しく解説

日本信用情報機構(JICC)は、日本の3大信用情報機関の一つで、主に消費者金融や信販会社などの貸金業者からの情報を集約・管理する機関です。正式名称は「株式会社日本信用情報機構」で、「JICC(ジック)」と略称されています。

貸金業法に基づく「指定信用情報機関」として、個人の借入状況や返済履歴などの信用情報を収集・管理し、加盟している金融機関間で共有しています。債務整理を検討する方にとっては、自分の信用情報がどのように記録されているかを確認するための重要な機関の一つです。

日本信用情報機構(JICC)とは

日本信用情報機構(JICC)は、個人の信用情報を収集・管理・提供する信用情報機関で、2009年に設立されました。前身は1984年に設立された全国信用情報センター連合会(全情連)です。

JICCは2010年3月に貸金業法に基づく「指定信用情報機関」に指定され、貸金業者は融資の際に同機関に情報を照会することが義務付けられています。これにより、多重債務問題の解決や過剰貸付の防止に重要な役割を果たしています。

正式名称 株式会社日本信用情報機構
略称 JICC(ジック)
設立 2009年(前身の全情連は1984年設立)
本社所在地 東京都台東区
法的位置づけ 貸金業法に基づく「指定信用情報機関」
加盟会員数 約300社以上(消費者金融、信販会社、銀行、クレジットカード会社など)
主な加盟業種 消費者金融、信販会社、銀行、クレジットカード会社、保証会社など

上記の表はJICCの基本情報をまとめたものです。JICCは主に貸金業者(消費者金融や信販会社など)の情報を中心に扱っていますが、近年では銀行やクレジットカード会社なども加盟しており、幅広い金融取引情報を管理しています。

JICCの役割と特徴

JICCは信用情報機関として様々な役割を担っており、金融取引の健全性を維持するために重要な機能を果たしています。JICCの主な役割と特徴は以下の通りです。

  • 情報の収集:加盟会員から提供される個人の信用情報を収集
  • 情報の管理:収集した情報を厳格なセキュリティ体制のもとで管理・保管
  • 情報の提供:加盟会員からの照会に応じて、審査対象者の信用情報を提供
  • 情報の開示:本人からの請求に基づき、自分の信用情報を開示
  • 情報の訂正:誤った情報があった場合、調査・訂正を実施
  • 多重債務防止:複数の金融機関での借入状況を共有し、過剰融資を防止
  • 適切な与信判断支援:顧客の信用状態に関する情報を提供し、金融機関の審査を支援

上記のリストはJICCの主な役割です。特にJICCの大きな特徴は、主に消費者金融や信販会社など、貸金業法の規制対象となる事業者の情報を中心に扱っている点です。このため、カードローンやキャッシングなどの小口融資に関する情報が豊富です。

また、貸金業法に基づく「指定信用情報機関」であるため、貸金業者は顧客に融資を行う際、必ずJICCに情報を照会する義務があります。これにより、顧客の総借入額を把握し、年収の3分の1を超える貸付(総量規制)を防止する役割を担っています。

JICCに登録される情報

JICCには様々な種類の信用情報が登録されています。これらの情報は大きく分けて「基本情報」「契約・取引情報」「異動情報」「照会記録」などに分類されます。

基本情報
  • 氏名、生年月日、性別
  • 住所、電話番号
  • 勤務先情報(会社名、所在地、電話番号など)
  • 年収(申告ベース)
契約・取引情報
  • 契約年月日、契約の種類(カードローン、キャッシング、リボルビングなど)
  • 貸付金額/極度額、残高
  • 返済状況(正常、延滞など)
  • 入金日、入金額
  • 最終返済日
  • 完済日
異動情報
  • 債務整理情報(任意整理、個人再生、自己破産)
  • 延滞情報(61日以上の延滞)
  • 代位弁済情報(保証会社が肩代わりした場合)
  • 強制解約情報
  • 債権譲渡情報
照会記録
  • いつ、どの金融機関が信用情報を照会したか
  • 照会の理由(新規申込み、途上与信など)

上記の表はJICCに登録される主な情報をまとめたものです。特に重要なのは「異動情報」と呼ばれる債務整理や延滞などのネガティブな情報です。これらの情報が登録されると、新たな借入れやクレジットカードの審査に大きく影響します。

JICCの特徴として、入金日や入金額などの詳細な返済履歴が記録されている点があります。これにより、過去の返済状況を詳細に把握することができ、過払い金請求などを検討する際にも重要な資料となります。

情報の登録期間

JICCに登録された情報は、種類によって異なる期間保持されます。登録期間が経過すると、その情報は自動的に削除されます。主な情報の登録期間は以下の通りです。

通常の契約情報 契約終了(完済)後5年間
延滞情報 延滞解消後5年間
債務整理情報
  • 任意整理:登録日から5年間
  • 個人再生:登録日から5年間
  • 自己破産:登録日から5年間
  • 特定調停:登録日から5年間
強制解約情報 登録日から5年間
代位弁済情報 登録日から5年間
照会記録 照会日から6ヶ月間

上記の表はJICCにおける主な情報の登録期間をまとめたものです。JICCの特徴として、CIC(シー・アイ・シー)全国銀行個人信用情報センター(KSC)と比較して、債務整理情報の登録期間が一律5年と比較的短い点があります。

ただし、これらの期間はJICCのルールに基づくものであり、法律上の時効制度とは異なります。また、情報の登録期間中であっても、情報の内容に誤りがあった場合は訂正を申し立てることができます。登録期間が経過して情報が削除されると、その情報は審査に影響しなくなります。

他の信用情報機関との違い

日本には主に3つの信用情報機関(JICC、CIC、全銀協)がありますが、それぞれ特徴や扱う情報に違いがあります。ここではJICCと他の2機関の主な違いについて説明します。

JICC(日本信用情報機構)

    • 主に消費者金融、信販会社の情報を中心に扱う
    • 貸金業法に基づく「指定信用情報機関」
    • カードローン、キャッシングなどの小口融資情報が豊富
    • 入金日・入金額などの詳細な返済履歴を記録
    • 債務整理情報の登録期間は5年間

CIC(シー・アイ・シー)

    • 主にクレジットカード会社、信販会社の情報を中心に扱う
    • 割賦販売法に基づく「指定信用情報機関」
    • クレジットカードの利用情報、分割払いの情報が豊富
    • 返済状況は「正常」「延滞」程度の記録
    • 債務整理情報の登録期間は5年間

全銀協(全国銀行個人信用情報センター)

    • 主に銀行、信用金庫などの情報を中心に扱う
    • 住宅ローン、銀行カードローンの情報が豊富
    • 保証会社を通じた代位弁済情報なども詳細に記録
    • 債務整理情報の登録期間は10年間(他の2機関より長い)

上記のリストは3つの信用情報機関の主な違いをまとめたものです。JICCの最大の特徴は、消費者金融や信販会社の情報を中心に扱っている点と、返済履歴を詳細に記録している点です。

これらの機関は情報を相互に交流していますが、完全に同一ではないため、自分の信用情報を総合的に把握するには3機関すべてに開示請求をすることが理想的です。特に債務整理を検討している場合や過払い金請求を行う場合は、JICCの情報が重要になることが多いでしょう。

JICCの情報開示請求方法

自分の信用情報を確認するには、JICCに開示請求を行う必要があります。JICCでは主に以下の3つの方法で開示請求ができます。

窓口での請求
  • 場所:東京本社(台東区)または大阪支社(中央区)
  • 必要なもの:本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
  • 特徴:即日開示が可能
  • 手数料:1,000円(税込)
  • 受付時間:平日9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く)
郵送での請求
  • 方法:所定の申込書に記入し、本人確認書類のコピーと手数料を同封して郵送
  • 必要なもの:開示申込書(JICCのウェブサイトからダウンロード可能)、本人確認書類のコピー、手数料1,000円(定額小為替証書)
  • 特徴:自宅で手続き可能だが、結果到着まで1〜2週間程度かかる
インターネットでの請求
  • 方法:JICCのウェブサイトから申込み
  • 必要なもの:本人確認情報(氏名、生年月日、住所など)、クレジットカード(手数料支払い用)
  • 特徴:24時間申込み可能、結果はPDFでダウンロード
  • 手数料:1,000円(クレジットカード払い)

上記の表はJICCの開示請求方法をまとめたものです。自分の状況に合わせて最適な方法を選ぶとよいでしょう。急ぎの場合は窓口での請求が、自宅から手続きしたい場合は郵送やインターネットでの請求が便利です。

開示された情報に誤りがあった場合は、JICCに訂正を申し立てることができます。訂正申立ての手続きは、開示結果に同封される説明書や、JICCのウェブサイトで確認できます。また、定期的に信用情報を確認し、登録期間が経過して情報が削除されているかを確認することをおすすめします。

債務整理とJICC

債務整理を行うと、その情報がJICCに登録されます。債務整理の種類によって登録内容や影響が異なります。JICCにおける債務整理情報の扱いについて説明します。

任意整理
  • 登録内容:「債務整理」「利用停止」などの情報
  • 登録期間:登録日から5年間
  • 影響:対象となった債権者との取引は停止。他の債権者との既存取引は継続できる場合もあるが、新規の借入れやカード作成は困難になる。
  • 特徴:債務整理の対象となった債権者の情報のみに記録される。
個人再生
  • 登録内容:「民事再生」「再生手続開始」などの情報
  • 登録期間:登録日から5年間
  • 影響:原則としてすべての既存与信取引が停止され、新規の借入れやカード作成は困難になる。
  • 特徴:すべての加盟会員に情報が共有される。
自己破産
  • 登録内容:「破産」「破産手続開始」などの情報
  • 登録期間:登録日から5年間
  • 影響:すべての既存与信取引が停止され、新規の借入れやカード作成は事実上不可能になる。
  • 特徴:すべての加盟会員に情報が共有され、最も厳しい信用情報となる。
特定調停
  • 登録内容:「債務整理」「特定調停」などの情報
  • 登録期間:登録日から5年間
  • 影響:任意整理と同程度。対象となった債権者との取引は停止され、新規の借入れやカード作成は困難になる。
  • 特徴:債務整理の対象となった債権者の情報のみに記録される場合が多い。

上記の表は債務整理とJICCの関係をまとめたものです。JICCの特徴として、CICや全銀協と比較して債務整理情報の登録期間が一律5年と比較的短い点があります(全銀協は10年)。

債務整理を検討する際は、信用情報への影響も考慮することが重要です。ただし、これらの情報も登録期間が経過すれば削除されるため、将来的には「信用情報上はクリーンな状態」に戻ることができます。長期的な視点で最適な債務整理方法を選択しましょう。

よくある質問

JICCの情報開示請求をするとその記録は残りますか?

自分自身が開示請求をした場合の照会は、「照会記録」として残りません。これは本人による情報確認であり、融資やクレジットカードの申込みではないためです。

一方、金融機関が融資審査のために照会した場合は「照会記録」として残り、その記録は6ヶ月間保持されます。短期間に多数の照会記録があると、多重申込みとみなされて審査に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

JICCだけに開示請求すれば十分ですか?

総合的な信用状態を把握するためには、JICCだけでなく、CICと全銀協にも開示請求することをおすすめします。各機関は異なる金融業界の情報を中心に管理しているため、1つの機関だけでは全体像を把握できない可能性があります。

例えば、消費者金融との取引は主にJICCに、クレジットカードの取引は主にCICに、銀行との取引は主に全銀協に登録されています。債務整理などの重要情報は相互に共有されますが、すべての取引情報が完全に共有されているわけではありません。特に過払い金請求を検討している場合は、JICCの情報が重要になることが多いでしょう。

JICCに登録されている情報が間違っています。どうすればよいですか?

JICCに登録されている情報に誤りがある場合は、訂正を申し立てることができます。以下の手順で対応しましょう。

①まず開示請求を行い、登録内容を確認する
②JICCの訂正請求手続きに従って申し立てを行う(開示結果に同封される説明書を参照)
③必要に応じて、誤りを証明する資料(完済証明書など)を提出する
④JICCが調査を行い、誤りが確認されれば訂正される

調査には時間がかかる場合があります。また、債権者(金融機関など)への確認が必要なケースもあります。訂正請求の結果に納得できない場合は、金融庁や消費者庁などに相談することも検討しましょう。

まとめ

日本信用情報機構(JICC)は、主に消費者金融や信販会社などの貸金業者の情報を中心に扱う信用情報機関です。貸金業法に基づく「指定信用情報機関」として、個人の借入状況や返済履歴などの信用情報を収集・管理し、多重債務問題の解決や過剰貸付の防止に重要な役割を果たしています。

JICCには基本情報、契約・取引情報、異動情報、照会記録などの情報が登録され、特に債務整理や延滞などのネガティブ情報は、新たな借入れやクレジットカードの審査に大きく影響します。情報の登録期間は種類によって異なりますが、債務整理情報は登録から5年間保持されます。

自分の信用情報を確認するには、JICCに開示請求を行います。窓口、郵送、インターネットの3つの方法があり、手数料は1,000円程度です。開示された情報に誤りがあれば、訂正を申し立てることができます。

JICCの特徴として、CICや全銀協と比較して、消費者金融や信販会社の情報が豊富である点、入金日や入金額などの詳細な返済履歴を記録している点、債務整理情報の登録期間が比較的短い点などがあります。

債務整理を検討する際は、信用情報への影響も考慮することが重要です。ただし、これらの情報も登録期間が経過すれば削除されるため、将来的には「信用情報上はクリーンな状態」に戻ることができます。自分の信用情報を定期的に確認し、適切に管理することで、将来的な金融取引をスムーズに行うことができるでしょう。

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