日歩(ひぶ)について詳しく解説

日歩とは、1日あたりの利息率を示す単位です。主に消費者金融や街金などの貸金業者が使用する利息の計算方法で、「1日あたりいくら利息がつくか」を表します。一般的には「○銭○厘」という単位で表記され、例えば「日歩5銭」は1日あたり元金100円につき5銭(0.5円)の利息が発生することを意味します。

債務整理や過払い金請求において日歩は重要な概念です。グレーゾーン金利時代、多くの貸金業者が日歩計算で高金利を設定していました。そのため過払い金が発生しているかを確認する際には、日歩から年利に換算して利息制限法の上限を超えているかどうかを判断します。

日歩の基本と換算方法

日歩は「1日あたりの利息率」を表す単位で、主に消費者金融などで使われてきました。伝統的に「銭」や「厘」という単位で表記されることが多く、これは明治時代の通貨単位に由来しています。

日歩の単位
  • 1円 = 100銭
  • 1銭 = 10厘
  • 「日歩5銭」は元金100円に対して1日あたり5銭(0.5円)の利息
  • 「日歩3銭5厘」は元金100円に対して1日あたり3.5銭(0.35円)の利息

上記のように、日歩は元金100円に対する1日の利息を表します。実際の貸金取引では、この日歩を用いて短期間の利息計算が行われていました。

日歩の計算方法

日歩を使った利息計算は以下の方法で行われます。

  1. 元金に日歩の率を掛ける:元金(円)×日歩(銭)÷100
  2. 日数を掛ける:上記の結果×日数

例えば、10万円を日歩5銭で30日間借りた場合、利息は「100,000円×0.05銭×30日÷100 = 1,500円」となります。このように、日歩を用いると比較的簡単に短期間の利息計算ができます。

日歩と年利の関係

日歩は1日あたりの利息率ですが、消費者が理解しやすい「年利(年率)」に換算することが重要です。日歩から年利への換算は以下の計算式で行います。

日歩から年利への換算公式 年利(%)= 日歩(銭)× 365 ÷ 100
例:日歩5銭の場合 年利 = 5 × 365 ÷ 100 = 18.25%
例:日歩10銭の場合 年利 = 10 × 365 ÷ 100 = 36.5%

上記の換算表からわかるように、一見小さな数字に見える日歩でも、年利に換算すると非常に高い金利になることがあります。特に過払い金請求では、この換算が重要な意味を持ちます。

主な日歩と年利の対応表

日歩(銭) 年利(%) 備考
2.7銭 約9.86% 一般的な住宅ローン金利よりも高い
4.1銭 約14.97% 利息制限法の上限(100万円以上の場合)に近い
4.9銭 約17.89% 利息制限法の上限(10万円以上100万円未満の場合)に近い
5.5銭 約20.08% 利息制限法の上限(10万円未満の場合)に近い
8.0銭 約29.2% かつての出資法の上限に近い(グレーゾーン金利の上限)
10.0銭 約36.5% 非常に高金利(現在の法律では違法)

上記の表は主な日歩と年利の対応関係を示しています。過払い金請求を検討する際、自分が支払ってきた金利が日歩いくらだったのかを確認し、年利に換算して利息制限法の上限を超えているかどうかを判断することが重要です。

法律で定められた上限金利と日歩

日本の法律では、貸金業者が請求できる上限金利が定められています。主に「利息制限法」と「出資法」の二つの法律があり、それぞれ異なる上限金利を規定していました。

利息制限法の上限金利

元本10万円未満 年20%(日歩約5.5銭)
元本10万円以上100万円未満 年18%(日歩約4.9銭)
元本100万円以上 年15%(日歩約4.1銭)

利息制限法では、元本の金額に応じて上限金利が定められており、これを日歩に換算すると上記のようになります。この金利を超えた部分は無効となり、支払い義務はありません。

かつての出資法と現在の貸金業法

かつての出資法では、年29.2%(日歩約8銭)を超える金利を取ると刑事罰の対象となっていました。利息制限法の上限(年15%~20%)と出資法の上限(年29.2%)の間の金利帯を「グレーゾーン金利」と呼んでいました。

2010年6月に施行された改正貸金業法により、貸金業者の上限金利は利息制限法と同じになり、グレーゾーン金利は撤廃されました。現在は年20%(10万円未満の場合)が上限です。

  • 利息制限法:民事上の上限金利(超過分は無効)
  • 出資法:刑事罰の対象となる金利の基準(改正により現在は20%)
  • 貸金業法:貸金業者の規制に関する法律
  • グレーゾーン金利:かつて存在した利息制限法と出資法の間の金利帯

上記の法律が定める上限金利を日歩に換算すると、利息制限法内であれば最大でも日歩5.5銭程度となります。それ以上の日歩で契約していた場合、過払い金が発生している可能性が高いと言えます。

過払い金請求における日歩の重要性

過払い金請求を行う際、日歩は重要な判断材料になります。契約書や取引履歴に記載された日歩を確認し、年利に換算することで過払い金発生の可能性を判断できます。

日歩の確認方法
  • 契約書や会員規約の確認(日歩または年利の記載がある)
  • 取引履歴から利息を計算して逆算する
  • 返済明細書に記載された利息額から算出する
  • 貸金業者に開示請求を行い資料を取り寄せる

上記のような方法で日歩を確認し、年利に換算して利息制限法の上限を超えていれば、過払い金請求の対象となる可能性があります。特に日歩6銭以上で契約していた場合は、ほぼ確実に利息制限法の上限を超えています。

過払い金計算における日歩の役割

過払い金請求では、実際に支払った金利と利息制限法内の金利との差額を計算する「引き直し計算」が行われます。この計算では、契約時の日歩を利息制限法内の日歩に引き直して再計算します。

例えば、元本50万円を日歩8銭(年利約29.2%)で借りていた場合、利息制限法内では日歩4.9銭(年利18%)までしか有効ではありません。この差額(日歩3.1銭分)が過払いとなり、返還請求の対象になります。

日歩計算の具体例

日歩を用いた利息計算の具体例を見てみましょう。以下は、実際の貸金取引でよく使われていた計算方法です。

例1:短期の貸付利息計算

条件 30万円を日歩8銭で15日間借りる場合
計算式 300,000円 × 8銭 × 15日 ÷ 100 = 3,600円
利息制限法内の場合 300,000円 × 4.9銭 × 15日 ÷ 100 = 2,205円
過払い分 3,600円 – 2,205円 = 1,395円

上記の例では、日歩8銭で支払った利息と利息制限法内の日歩4.9銭で計算した場合の差額1,395円が過払い金となります。

例2:長期の利息計算(リボ払いなど)

リボルビング方式の借入れでは、毎月の返済額の一部が利息に充当され、残りが元金返済に回されます。日歩計算では、返済間隔の日数(通常は30日や31日)を掛けて利息を計算します。

条件 残高50万円、日歩7銭、30日間の利息
計算式 500,000円 × 7銭 × 30日 ÷ 100 = 10,500円
年利換算 7銭 × 365 ÷ 100 = 25.55%
利息制限法上限 日歩4.9銭(年利18%)
法定内の利息 500,000円 × 4.9銭 × 30日 ÷ 100 = 7,350円
1か月の過払い分 10,500円 – 7,350円 = 3,150円

上記の例では、1か月あたり3,150円の過払いが発生しています。これが数年間続くと、相当な過払い金となる可能性があります。

まとめ

日歩は1日あたりの利息率を表す単位で、主に消費者金融などの貸金業者が使用してきた利息計算方法です。「○銭○厘」という単位で表され、例えば「日歩5銭」は1日あたり元金100円につき5銭(0.5円)の利息が発生することを意味します。

日歩は年利に換算することで、その実質的な金利負担を理解できます。例えば日歩5銭は年利約18.25%、日歩10銭は年利約36.5%に相当します。利息制限法では元本の金額に応じて年15%~20%(日歩約4.1銭~5.5銭)の上限金利が定められており、これを超える金利は無効とされます。

過払い金請求においては、契約時の日歩を確認し、年利に換算して利息制限法の上限を超えているかどうかを判断することが重要です。特に日歩6銭以上で契約していた場合は、ほぼ確実に過払いが発生している可能性があります。過払い金の計算では、実際に支払った金利と利息制限法内の金利との差額を算出します。

債務整理や過払い金請求を検討している方は、まず契約書や取引履歴を確認して日歩や年利を把握し、専門家に相談することをおすすめします。現在の契約内容が不明な場合は、貸金業者に対して取引履歴の開示請求を行うことで、過去の取引状況を確認することができます。

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