親がブラックでも子供の奨学金は借りられる?人的保証の審査落ち回避と機関保証の手続き
奨学金の保証人欄に名前を書くよう頼まれましたが、ブラックリストなので審査に通るか不安です。
子供が大学に進学することになり、日本学生支援機構の奨学金を申請する予定です。申請書類の「連帯保証人」の欄に父親である私の名前を書くことになっているのですが、実は数年前にカードローンの滞納があり、いわゆるブラックリスト(信用情報機関への事故情報登録)の状態にあると思います。
このまま私が連帯保証人になって申し込むと、審査に落ちて奨学金自体が借りられなくなるのでしょうか。また、審査に落ちた場合、その理由が「親の借金トラブル」であることが子供や学校にバレてしまうのかどうかも心配です。子供の進学を諦めさせたくないのですが、どうすればよいでしょうか。
ブラックリスト期間中は人的保証の連帯保証人になれませんが、機関保証を選べば親の信用は問われません。
結論から申し上げますと、信用情報に事故情報が登録されている間は、日本学生支援機構の奨学金であっても「人的保証」の連帯保証人にはなれません。無理に申し込むと審査で否決され、再提出の手間が発生したり、最悪の場合は子供に理由を追及されるリスクがあります。
しかし、奨学金には保証人を立てずに保証会社を利用する「機関保証」という制度があり、こちらを選択すれば親の信用情報はいっさい審査されません。最初から機関保証を選んで申請することで、ブラックリストの影響を回避し、子供に知られることなく奨学金を借りることが可能です。
この記事では、ブラックリストの親が直面する奨学金審査の実態と、人的保証から機関保証へスムーズに誘導するための具体的な手順、および注意すべき教育ローンとの違いについて詳しく解説します。
この記事でわかること
ブラックリストの親が連帯保証人になれない審査の仕組み
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は「学生本人」が借主となる借金ですが、万が一返済ができなくなったときのために、担保として保証制度への加入が義務付けられています。この際、親族が保証人となる「人的保証」を選んだ場合、その保証人が返済能力を持っているかどうかが厳格に審査されます。
信用情報機関(KSC)への照会が行われる
日本学生支援機構は、全国銀行個人信用情報センター(KSC)に加盟しています。人的保証の連帯保証人として申請書に名前と個人情報を記入すると、機構側は必ずKSCを通じて信用情報を照会します。KSCは銀行系の信用情報機関ですが、CRINなどの情報交流ネットワークを通じて、CIC(クレジットカード系)やJICC(消費者金融系)の事故情報も共有される仕組みになっています。
したがって、過去にクレジットカードの長期滞納、債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)、代位弁済などの金融事故を起こしている場合、その記録(異動情報)が残っている期間中は、連帯保証人としての返済能力がないと判断され、審査に通りません。これは「年収が高いか低いか」の問題ではなく、「信用情報に傷があるかどうか」という形式的な基準で弾かれる可能性が極めて高いです。
連帯保証人の要件とブラックリスト
奨学金の案内冊子には、連帯保証人の選任要件として以下のような条件が記載されています。
- 学生本人が未成年の場合は、原則として親権者(父または母)
- 学生本人が成年の場合は、親権者またはこれに代わる者
- 債務整理中、破産手続き中ではないこと
- 貸与終了時(卒業時)に原則として65歳未満であること
ここで重要なのは、「債務整理中ではないこと」という記述だけでなく、実務上は「信用情報機関に事故情報がないこと」が必須条件となっている点です。たとえ現在は借金を完済していても、完済から5年(自己破産などの場合は官報情報として7年〜10年)が経過していない場合はブラックリスト扱いとなり、連帯保証人の審査には通りません。
審査されるのは「連帯保証人」だけではない
人的保証制度を利用する場合、連帯保証人(父または母)に加えて、別生計の「保証人」(おじ・おば・兄弟姉妹など)をもう1人立てる必要があります。この第2の保証人についても同様に信用情報の審査が行われます。もし自分が連帯保証人になれないからといって配偶者を連帯保証人にし、自分が保証人になろうとしても、結局は自分のブラック情報が原因で審査に落ちることになります。人的保証を選ぶ限り、ブラックリストの人間はどのポジションにも名前を書くことができないと理解しておきましょう。
無理に人的保証で申し込んだ時に起きるリスクとバレ方
「もしかしたら通るかもしれない」「黙っていればバレないかもしれない」と考えて、ブラックリストの状態であることを隠したまま人的保証の連帯保証人として申し込むのは非常に危険です。審査に落ちるだけでなく、その過程で子供に不信感を持たれたり、手続きが遅れて入学金納付に間に合わなくなったりする実害が生じます。
審査結果の通知と修正指示
人的保証で審査に落ちた場合、日本学生支援機構から学校を通じて、あるいは直接本人に「連帯保証人の変更」または「機関保証への変更」を求める通知が届きます。この通知には「信用情報により否決」と直接的には書かれないことが多いですが、「要件を満たしていないため変更してください」という旨の連絡が来ます。
この時点で、子供から「お父さん、保証人の審査に通らなかったみたいだけど、どうして?」と聞かれることになります。明確な理由を答えられずに曖昧な態度をとっていると、「借金があるのではないか」「何か隠しているのではないか」と疑われるきっかけになります。また、学校の担当者を経由して連絡が来るケースもあり、事務担当者に家庭の経済状況に問題があることを知られてしまう精神的なデメリットもあります。
再提出によるスケジュールの遅れ
奨学金の申し込みには厳格な期限があります。一度審査に落ちて書類の再提出(リトライ)になると、その分だけ手続き完了が後ろ倒しになります。特に春の入学シーズンは窓口が混み合うため、修正対応をしている間に「予約採用」の候補者決定時期を過ぎてしまったり、初回振込日が5月から6月にズレ込んだりするリスクがあります。
入学金や前期授業料など、まとまったお金が必要な時期に奨学金の振込が遅れることは、家計にとって致命的になりかねません。ダメ元での申請は百害あって一利なしです。最初から審査に通る方法を選んでおくことが、子供の進学を守るための親の責任と言えます。
審査落ちを回避する「機関保証制度」の利用手順
ブラックリストの親が子供の奨学金を借りるための唯一にして確実な方法は、「人的保証」ではなく「機関保証」を選択することです。これは、公益財団法人日本国際教育支援協会が連帯保証人の役割を代行してくれる制度であり、親や親戚が保証人になる必要が一切ありません。
機関保証なら親の信用情報は不問
機関保証を選択した場合、審査の対象となるのは「学生本人」の学力基準や家計基準(世帯年収)のみです。親の信用情報(クレジットカードの履歴や借金の有無)は審査項目に含まれません。なぜなら、万が一学生が返済できなくなった場合、保証機関が代わりに返済を行う契約になるため、親の返済能力を問う必要がないからです。
申し込み書類の「保証制度」の選択欄で「機関保証」にチェックを入れるだけで、親が連帯保証人欄に署名捺印する必要がなくなります。この選択をするだけで、親がブラックであるという事実は奨学金審査において完全に無関係となります。
毎月の保証料の負担が発生する
機関保証を利用する唯一のデメリットは、毎月の奨学金受取額から「保証料」が差し引かれることです。手元に入ってくる金額が少し減るため、これを理由に人的保証を選びたがる家庭も多いですが、背に腹は代えられません。
保証料の目安(令和6年度等の例)は以下の通りです。
| 貸与月額 | 保証料の目安(月額) |
|---|---|
| 30,000円 | 約1,000円〜1,500円 |
| 54,000円 | 約2,000円〜3,000円 |
| 80,000円 | 約3,500円〜4,500円 |
| 100,000円 | 約4,500円〜5,500円 |
※正確な金額は貸与総額や返還期間によって変動します。
この保証料は別途支払うのではなく、毎月の振込額から天引きされます。例えば月額5万円を借りる場合、実際に振り込まれるのは保証料を引いた4万7千円〜4万8千円程度になります。子供には「保証人を立てない代わりに手数料がかかる制度」と説明すれば、不自然さはありません。
手続き上の変更点
機関保証を選ぶ場合、申し込み時に提出する書類が人的保証とは異なります。「確認書兼個人信用情報の取扱いに関する同意書」の提出において、連帯保証人や保証人の欄への記入・押印が不要になります(※学生本人の署名は必要)。親が自分の名前を書かなくて済むため、ブラックであることが発覚するきっかけを物理的に排除できます。
子供に怪しまれず機関保証へ誘導するトーク術
子供が「保証料がもったいないから、お父さんが保証人になってよ」と言い出した場合や、学校の先生が「親御さんに頼みなさい」と指導した場合、どのようにして機関保証へ誘導すればよいでしょうか。ブラックであることを告白せずに済む、自然な断り方と誘導のロジックを紹介します。
「親戚に迷惑をかけたくない」という理由
人的保証には「連帯保証人(親)」だけでなく、もう一人「保証人(おじ・おば等)」が必要です。これを逆手に取ります。
「お父さんは連帯保証人になれるけど、もう一人親戚にお願いしないといけないルールなんだ。でも、おじさんやおばさんに借金の保証人を頼むのは迷惑がかかるし、将来トラブルになりたくないから、手数料を払ってでも機関保証にしておこう。それが一番自立したやり方だよ」
この説明であれば、親自身の信用情報に問題があることには触れず、「親戚付き合いの配慮」という正当な理由で人的保証を回避できます。
「印鑑証明や手続きの煩雑さ」を理由にする
人的保証を選ぶと、連帯保証人と保証人の両方の「印鑑登録証明書」や「収入に関する証明書」を用意し、実印での押印が必要です。また、返還誓約書などの重要書類もすべて自署・実印が必要です。
「人的保証だと、おじさんにお願いして役所で印鑑証明を取ってもらったり、実印を押してもらったり何度も手間をかけさせてしまう。機関保証ならネット申し込みだけで完結して、誰にもハンコをもらいに行かなくて済むから、今はみんな機関保証を選んでいるみたいだよ」
このように「手続きの簡略化」をメリットとして提示することで、デジタルネイティブ世代の子供には合理的な判断として受け入れられやすくなります。
どうしても人的保証にこだわる場合の最終手段
もし配偶者(妻や夫)がブラックでなく、安定した収入がある場合は、配偶者を連帯保証人にし、保証人を親戚に頼むという方法もあります。ただし、この場合でも「なぜ父親(母親)ではないのか」という疑問は残りますし、親戚に頼むハードルは変わりません。やはり機関保証への誘導が最も安全で確実なルートと言えます。
注意:「国の教育ローン」は親名義なので審査に通らない
奨学金と混同しやすい制度に、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」があります。入学金や前期授業料を工面するために利用を検討する家庭も多いですが、ブラックリストの親にとってはこちらの方がハードルが高い、というより利用不可能です。
借主が「保護者」であるため審査は親本人
日本学生支援機構の奨学金は「学生」が借主ですが、国の教育ローンは「保護者(親)」が借主となって契約するローンです。そのため、申し込み名義人である親の信用情報が直接審査されます。ブラックリスト(異動情報あり)の状態であれば、ほぼ100%審査に落ちます。
また、民間の銀行教育ローンや労働金庫(ろうきん)の教育ローンも同様に、親名義での借り入れとなるため、信用情報に傷がある状態では審査に通りません。これらのローンに申し込んで否決通知が届くと、子供に借金の事実がバレる決定的な証拠になってしまいます。安易な申し込みは避けましょう。
入学時特別増額貸与奨学金を利用する場合の「落とし穴」
日本学生支援機構には、入学月の奨学金に一時金を上乗せする「入学時特別増額貸与奨学金」という制度があります。しかし、これを利用するには条件があります。「国の教育ローンに申し込んで審査に落ちたこと」を証明する書類(融資不可通知書など)を提出しなければならないケースがあるのです。
これはブラックリストの親にとっては非常に厄介な条件です。
1. 教育ローンに申し込む(審査落ち確実)
2. 否決通知をもらう
3. その通知を添付して増額奨学金を申し込む
という手順を踏めば制度上は借りられますが、家に届く「融資をお断りします」という通知を家族に見られるリスクがあります。郵便物の管理を徹底できる自信がない場合は、この制度の利用も慎重になるべきです。
もし現在、子供が高校生でこれから予約採用を行うなら
まだ大学入学前で、高校を通じて行う「予約採用」の段階であれば、対策の時間的余裕があります。この時期に親ができる最善の準備は以下の通りです。
- 機関保証の意思統一をしておく
申し込み書類が配布された時点で、自然な会話の中で「うちは機関保証で行こう」と決めておきます。理由付けは前述の「親戚への配慮」で十分です。 - 入学金・前期授業料の確保手段を別に探す
奨学金は入学後(5月〜)に振り込まれるため、入学手続き時の納付金には間に合いません。ブラックリストで教育ローンが借りられない場合、この初期費用の捻出が最大の壁になります。祖父母からの援助、貯金の切り崩し、あるいは配偶者名義(ブラックでない場合)での借り入れなど、早めに資金計画を立ててください。 - 自分の信用情報を確認する(任意)
自分のブラックリスト状況がいつ解消されるのか不明確な場合は、CICやJICC、KSCなどの信用情報機関に対して本人開示請求を行うことも有効です。もし事故情報が消えていれば、教育ローンの利用や人的保証の可能性も視野に入ります。しかし、まだ残っている場合は迷わず機関保証を選びましょう。
子供に正直に話すべきか
子供が成人年齢(18歳)に達している場合、親の経済状況を正直に話して協力体制を作るという選択肢もあります。しかし、多感な時期に「親がブラックリスト」という事実は重荷になることもあります。奨学金の手続きに関しては、機関保証という正規のルートを使えば隠したままでも問題なく進められます。あえて不安を与える必要がないのであれば、制度を賢く利用して、子供には学業に専念してもらうのが親の優しさとも言えるでしょう。
ただし、将来的に親子リレー返済型の住宅ローンを組んだり、子供が親の保証人になったりする場面では、過去の履歴が問題になることがあります。その時が来るまでは、まずは目の前の進学資金確保を最優先に考え、機関保証での手続きを完遂させてください。
まとめ
ブラックリストの状態では人的保証の連帯保証人にはなれませんが、機関保証を利用すれば問題なく奨学金を借りることができます。重要なのは、審査に落ちるリスクのある人的保証を最初から避け、子供に余計な心配をかけずに手続きを進めることです。
また、奨学金以外にも現在の借金返済が苦しい、あるいは債務整理を検討しているという場合は、専門家に相談して生活再建を図ることも大切です。親の経済状況が安定してこそ、子供も安心して学生生活を送ることができます。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。


