借金の訴状への答弁書が書けないときの対処法|白紙提出や放置を避けて全面敗訴を防ぐ手順

裁判所から届いた訴状への答弁書、書き方が分からず白紙で出しそうです。このまま放置したり適当に書いたりするとどうなりますか?

消費者金融から訴えられ、裁判所から「訴状」と「答弁書」の用紙が届きました。内容を見ると難しい言葉ばかりで、何を書けばいいのか全く分かりません。借金があるのは事実なので、言い訳をしても無駄だと思い、白紙のまま提出するか、いっそ放置してしまおうかと悩んでいます。

もし答弁書を白紙で出したり、裁判の日に欠席したりすると、すぐに給料の差し押さえなどが始まってしまうのでしょうか。手元にお金がなく、一括返済は不可能な状態ですが、少しでも生活を守るための書き方や、当日の動き方について具体的に教えてください。

白紙提出や放置は「全面敗訴」に直結するため、分割払いの希望を一行書くだけでも最悪の事態を回避できます

裁判所からの書類を見てパニックになるお気持ちは痛いほど分かりますが、白紙提出や放置は、相手方の言い分をすべて認めたとみなされる「欠席判決」を招き、即座に強制執行(差し押さえ)のリスクを高めます。

たとえ法的な知識がなくても、答弁書の「分割払いを希望する」という欄にチェックを入れ、現在の収支状況を具体的に書き記すだけで、裁判上の和解に向けた話し合いのテーブルに乗ることが可能です。まずは一括返済ができない理由を数字で示し、判決を確定させないための最低限の準備を整えましょう。

この記事では、答弁書の項目別の具体的な書き方、同封すべき資料の選び方、そして裁判を欠席せずに済む「擬制陳述」の仕組みと手順について、時系列で詳しく解説します。

この記事でわかること

答弁書を白紙で出す・放置することの法的リスク

裁判所から届いた書類を無視したり、中身が空欄のまま提出したりすることは、法律の世界では「相手の主張をすべて認めた」という意思表示として扱われます。これを「自白」とみなし、裁判官は原告(訴えた側)の請求をそのまま認める判決を下します。

全面敗訴によって失う3つの権利

何も反論しないまま判決が確定すると、あなたには以下の厳しい現実が突きつけられます。

  • 一括返済の義務:元金だけでなく、年20%近い遅延損害金を含めた全額を即座に支払うよう命じられます。
  • 強制執行の許可:相手方はいつでもあなたの銀行口座や給料を差し押さえる「武器」を手に入れることになります。
  • 交渉権の喪失:判決が出てしまった後では、いくら相手方に電話で「分割にしてほしい」と頼んでも、応じてもらえる可能性は極めて低くなります。

借金があることは事実であっても、「今のままでは一括で払えない」という現実を裁判所に伝えることが、あなたの生活を守る唯一の手段です。白紙で出すくらいなら、一言「分割を希望する」と書く方が、その後の展開を大きく変える力になります。

書き方が分からない人向けの最小限の記入項目

答弁書の用紙には多くの項目がありますが、最低限ここだけは埋めるべきというポイントを絞って確認しましょう。難しい法律用語を使いこなす必要はありません。

事件番号・当事者名 訴状の1枚目に記載されている「令和〇年(ワ)第〇〇号」という番号と、原告・被告の氏名を正確に写します。
請求の趣旨に対する答弁 通常は「原告の請求を棄却する、との判決を求める」にチェックを入れます。これは定型的な手続きです。
請求の原因に対する認否 借金の事実があるなら「認める」を選択します。金額に間違いがある場合のみ、具体的にどこが違うか記します。
あなたの言い分 「一括返済は困難であるため、分割払いを希望する」とはっきり書くことが最も重要なポイントです。

「あなたの言い分」欄に書くべき具体的内容

単に「払えません」と書くのではなく、裁判官や相手方が納得しやすい情報を盛り込みます。以下の項目を参考に、現在の状況を整理してください。

  • 現在の雇用形態(正社員、パート、無職など)と月間の手取り収入
  • 家賃、光熱費、食費などの最低限必要な生活費の概算
  • 他の債権者への返済がある場合はその件数と月額
  • 「月々〇〇円ずつなら確実に支払える」という具体的な数字の提示

これらが書かれていることで、裁判所は「この被告には支払い意思があり、話し合いの余地がある」と判断し、司法委員を介した和解への道筋を検討し始めます。

一括返済を回避するための分割案の作り方

相手方(債権者)が納得しやすい分割案を作るには、無理のない範囲で、かつ相手の妥協を引き出せるラインを見極める必要があります。無理な金額を提示して途中で支払いが止まると、再び裁判になるリスクがあるからです。

現実的な返済計画を立てる手順

  1. まず、直近3ヶ月の平均的な手取り収入を算出します。
  2. 家計簿や通帳から、絶対に削れない支出(家賃、公共料金、社会保険料など)を引き算します。
  3. 残った金額から、急な出費に備えた予備費を1〜2万円差し引き、それを「毎月の最大返済可能額」とします。
  4. 相手方の請求額をその金額で割り、完済までに何ヶ月(何年)かかるかを算出します。

一般的に、消費者金融やカード会社との裁判上の和解では、「3年(36回)から5年(60回)」程度の分割であれば、話し合いに応じてもらえるケースが多い傾向にあります。もしこれ以上の期間が必要な場合は、現在の家計状況がどれほど厳しいかを答弁書で丁寧に説明し、誠実な姿勢を見せることが欠かせません。

また、和解が成立した後の支払いは、「将来利息のカット」が含まれるかどうかが大きな焦点となります。答弁書に「利息の免除も併せて希望する」と書き添えておくことで、交渉の材料にすることが可能です。

裁判所に行かずに済む「擬制陳述」の手順

裁判の期日が平日の日中の場合、仕事や家事で裁判所へ出向くのが難しいことも多いでしょう。その際に役立つのが「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」という制度です。これは、事前に適切な答弁書を提出しておくことで、当日は欠席しても、書面に書いた内容を法廷で述べたものとみなしてくれる仕組みです。

擬制陳述を利用するための条件と注意点

ただし、ただ休めばいいわけではありません。以下のルールを守る必要があります。

  • 提出期限の厳守:裁判期日の1週間前(遅くとも数日前)までに裁判所に答弁書が届いている必要があります。
  • 第1回期日限定:簡易裁判所の事件であれば、原則として最初の1回目は欠席しても擬制陳述が認められます。
  • 電話連絡の併用:可能であれば、担当書記官に電話をし「仕事でどうしても行けないが、答弁書を提出したので擬制陳述をお願いしたい」と伝えておくと安心です。

もし答弁書も出さずに欠席した場合は、前述の通り全面敗訴となります。逆に、しっかりとした答弁書さえ出しておけば、「話し合いを希望している」というあなたの意思が記録に残るため、裁判所が次回の期日を設定したり、和解勧告を出したりするきっかけになります。当日行けないからといって諦める必要は全くありません。

答弁書提出後の流れと和解のタイミング

答弁書を提出し、第1回期日が終了した後は、すぐに判決が出るわけではなく、多くの場合「和解」に向けた調整が始まります。裁判所が双方の主張を聞いた上で、歩み寄りの案を提示してくれるのです。

1. 答弁書の副本送付 あなたが提出した答弁書は、裁判所から相手方(原告)へ送られます。相手はあなたの分割希望額を確認します。
2. 第1回期日 裁判官が内容を確認します。あなたが欠席(擬制陳述)の場合、次回の期日が決まるか、和解の検討が指示されます。
3. 和解交渉 裁判所の司法委員が間に入り、電話や書面で具体的な返済額の調整が行われます。
4. 和解調書の作成 双方が合意すれば「和解調書」が作られます。これは判決と同じ強い効力を持ち、今後の返済の指針となります。

和解調書が作成されれば、ひとまず一括返済や差し押さえの恐怖からは解放されます。ただし、和解調書に記載された支払いを1回でも遅れると、即座に差し押さえができる「失効条項」が含まれることが一般的です。そのため、成立した和解内容は絶対に守り抜かなければなりません。

もし、相手方が提示する和解案(例えば「最低でも月5万円払え」など)がどうしても飲めない場合は、無理に合意せず、専門家を介して再交渉するか、他の法的整理(任意整理や個人再生など)への切り替えを検討するタイミングと言えます。

専門家へ相談すべき状況のチェックリスト

自力で答弁書を書き、和解を進めることは可能ですが、状況によっては司法書士や弁護士の力を借りた方が、圧倒的に有利かつ安全に解決できる場合があります。以下の項目に1つでも当てはまるなら、自力での対応は限界に近いかもしれません。

自力対応のリスクが高いケース

  • 時効の可能性がある:5年以上支払っていない借金の場合、答弁書に不用意なことを書くと「債務の承認」となり、時効が使えなくなる恐れがあります。
  • 相手方が厳しい:一部の債権者は裁判での和解に消極的で、強硬に一括返済を迫ってくることがあります。
  • 他からも請求が来ている:今回の裁判以外にも多数の借金がある場合、1社だけ和解しても生活は立ち行きません。全体の債務整理が必要です。
  • 手取りが少なく返済余力がない:生活費を削っても月々数千円しか払えない場合、裁判上の和解は難しく、自己破産などを検討すべき状況です。

専門家に依頼すれば、受任通知によって裁判の手続きをすべて代行してもらえるだけでなく、将来利息のカットや支払い期間の延長など、個人では難しい好条件での和解(任意整理)を引き出せる可能性が高まります。裁判所からの期限が迫っているときこそ、プロの知恵を借りることで、精神的な負担も大幅に軽減されます。

まずは「答弁書の書き方のヒントをもらう」程度の気持ちで無料相談を利用し、自分の家計状況で本当に和解が可能なのか、客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。放置して全面敗訴する前に、取れる選択肢はまだ残されています。

まとめ

裁判所から訴状が届いた際、最も避けるべきは「放置」と「白紙提出」です。これらは自ら防御を捨て、相手に差し押さえの権利を無条件で与える行為に他なりません。書き方が分からなくても、現在の収支と分割払いの希望を誠実に記すことで、裁判を「生活を立て直すための話し合いの場」に変えることができます。

もし、答弁書の具体的な文言に自信がない、あるいは相手方との直接のやり取りに強い不安を感じているのであれば、一人で抱え込まずに専門家の力を借りてください。裁判の手続きは刻一刻と進行するため、早めの行動が差し押さえを回避する最大の鍵となります。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、裁判所からの通知が届いた後の対応や答弁書の書き方についての相談もできるので、今のあなたの状況に合った次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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