知らない法律事務所からの通知を無視すると裁判になる?本物確認と差押え回避の手順

知らない法律事務所から「受任通知」や「催告書」が届き、詐欺ではないかと疑っています。無視し続けるといきなり裁判になるのでしょうか?

借金の支払いが遅れている自覚はあるのですが、契約した覚えのない法律事務所から封筒や圧着ハガキが届きました。

「法的手段に移行する」「裁判所への申立て準備に入る」といった怖い言葉が並んでいて不安ですが、詐欺の可能性もあると思い、怖くて連絡できずにいます。このまま無視して放置すると、本当に裁判を起こされてしまうのでしょうか。本物かどうかの見分け方と、裁判を避けるための正しい動き方を教えてください。

債権回収を委託された弁護士からの通知を無視すると、数週間から数ヶ月以内に裁判所を通じた支払督促や訴訟へ発展し、最終的に給与や口座の差押えに至る可能性が高いです。

知らない名前の法律事務所であっても、元の債権者(カード会社や消費者金融)から回収業務を委託されている正規の代理人であるケースがほとんどです。この通知は「話し合いで解決できる最後のチャンス」を意味しています。

無視を続けると相手は「支払う意思がない」と判断し、予告通り裁判手続きへ移行します。詐欺かどうかは日弁連の検索サービス等を使ってご自身で確実に確認できます。

この記事では、届いた通知が本物かを見分ける具体的な手順と、裁判や差押えを回避するための交渉方法について、時系列に沿って詳しく解説します。

この記事でわかること

法律事務所から通知が届く理由と状況整理

契約した覚えのない法律事務所から突然手紙やハガキが届くと、「架空請求ではないか」と警戒するのは当然の反応です。しかし、借金を滞納している状況であれば、それは正規の督促である可能性が極めて高いといえます。

カード会社や消費者金融は、自社での督促業務に限界が来ると、債権回収のプロである「弁護士」や「債権回収会社(サービサー)」に回収業務を委託、あるいは債権そのものを譲渡することがあります。

元の債権者が回収を依頼しているケース

最も多いのは、元の借入先(クレジットカード会社や消費者金融)が、法律事務所に「代理人」として回収を依頼するケースです。これを「債権回収委託」と呼びます。

この場合、債権者(貸主)自体は変わっていませんが、窓口が法律事務所に一本化されます。これ以降、元のカード会社に連絡しても「代理人の弁護士事務所へ連絡してください」と門前払いされ、話ができなくなります。

  • 通知のタイトル例:「受任通知」「通知書」「催告書」「法的手続移行予告」
  • 本文中の記載:「当社は○○株式会社の代理人として通知します」

債権そのものが譲渡されたケース

長期間滞納が続いた場合、元の会社が「不良債権」として別の会社に債権を売却(譲渡)することがあります。この場合、新しい債権者から委託を受けた法律事務所、あるいは債権を買い取った債権回収会社から通知が届きます。

どちらのケースであれ、法律事務所からの通知は「通常の督促では回収不能と判断された」ことを意味しており、事務的な処理から法的な処理へステージが変わったことを示しています。

本物か詐欺かを見分ける3つの確認手順

法律事務所の名を騙った架空請求詐欺も存在するため、連絡をする前に必ず「本物かどうか」を確認する必要があります。ただし、確認のために封筒に書かれている電話番号へいきなり電話をかけるのは危険です。以下の手順で慎重に裏取りを行ってください。

手順1:記載された電話番号をGoogle検索しない

詐欺業者は、実在する法律事務所の名前を使いつつ、電話番号だけ自社の詐欺用番号に書き換えていることがあります。封筒やハガキに書かれた電話番号をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

また、電話番号をGoogleで検索した際、詐欺業者が作った偽のホームページがヒットすることもあります。まずは書類の電話番号には触れず、事務所名や弁護士名だけを確認してください。

手順2:日本弁護士連合会の検索サービスを使う

弁護士や弁護士法人は、必ず「日本弁護士連合会(日弁連)」に登録されています。公式サイトの「弁護士検索」機能を使い、通知書に記載されている弁護士名や事務所名が実在するかを確認します。

確認項目 チェックポイント
弁護士氏名 フルネームで検索し、登録があるか
事務所住所 登録されている住所と、届いた封筒の住所が一致するか
電話番号 登録されている電話番号と、記載された番号が一致するか

ここで住所や電話番号が登録情報と異なる場合は、詐欺の可能性が高まります。その場合は、日弁連に登録されている「正しい電話番号」にかけ直し、「そちらの事務所から通知が届いたが事実か」と確認を取ってください。

手順3:元の債権者名と会員番号を確認する

本物の通知であれば、必ず本文中に「譲渡人(元の債権者)」「契約番号」「会員番号」「現在の債務残高」などの詳細な個人情報が記載されています。

詐欺の場合、「有料サイト利用料」「未納料金」といった曖昧な名目で、具体的な契約日や元金の内訳が書かれていないことが多いです。ご自身の記憶にある借入先(例えば楽天カード、アコム、プロミスなど)の名前が明記されているなら、本物であると判断して間違いありません。

通知を無視し続けた場合の裁判までのタイムライン

通知が本物であった場合、最も危険な選択は「無視すること」です。法律事務所は裁判手続きを行うプロであり、回収の見込みがないと判断すれば淡々と法的措置を進めます。

以下は、最初の通知が届いてから裁判・差押えに至るまでの一般的なタイムラインです。あくまで目安ですが、放置すれば事態は悪化の一途をたどります。

フェーズ1:受任通知・催告書の到着(残り1ヶ月〜2ヶ月)

最初に届くのは「受任通知」や「催告書」です。「当職が代理人となりました。今後の連絡は当職宛にお願いします」という内容で、同時に残金の一括返済を求められます。

この段階ではまだ裁判所は関与していません。「○月○日までにご連絡、お支払いください」という期限が設定されています。この期限内に連絡を入れれば、分割払いの交渉に応じてもらえる可能性が十分に残っています。

フェーズ2:最終通告・訴訟予告(残り2週間前後)

最初の期限を無視すると、通知の文面が厳しくなります。「訴訟予告通知」「法的措置移行通知」「差押予告通知」といったタイトルになり、内容は「期日までに全額の支払いが確認できない場合、直ちに管轄裁判所へ訴訟を提起します」という最後通告です。

この手紙は、「裁判を起こす準備は完了しており、あとは提出するだけ」という合図です。ここが交渉によって裁判を回避できる実質的なラストチャンスとなります。

フェーズ3:裁判所からの特別送達(タイムオーバー)

予告期限を過ぎると、法律事務所からの郵便ではなく、裁判所から「特別送達」という形式で封筒が届きます。中身は「支払督促」または「訴状」です。

特別送達は原則として手渡しで届けられ、受取を拒否しても法的効力が発生します。この時点で、自宅や職場に裁判所からの通知が来たことが家族に知られるリスクが跳ね上がります。

さらに放置すると、欠席裁判となり、債権者の言い分通りの判決(または仮執行宣言)が確定します。これで債権者はいつでも強制執行(差押え)ができる状態になります。

いきなり裁判・差押えになる危険なサイン

すべてのケースですぐに裁判になるわけではありませんが、法律事務所から通知が来ている時点で「要注意リスト」に入っていることは確実です。特に以下のような条件に当てはまる場合、早期に裁判を起こされるリスクが高まります。

滞納額が大きく、勤務先が知られている場合

債権者にとって、裁判費用をかけてでも回収するメリットがあるのは「回収できる見込みがある相手」です。特に、カード等の申込み時に現在の勤務先を申告しており、かつ滞納額が数十万円〜100万円単位である場合、給与差押えを狙って優先的に訴訟対象とされることがあります。

過去に返済約束を破っている場合

以前にカード会社と話し合って「来月払います」「分割にします」と約束したにもかかわらず、それを破って再び音信不通になっている場合、信用度はゼロです。「これ以上待っても無駄」と判断され、交渉の余地なく即座に法的手段を取られる傾向があります。

債権回収会社(サービサー)への譲渡通知が来た場合

「債権譲渡通知書」が届き、債権者が元の会社から債権回収会社へ変わった場合も注意が必要です。サービサーは不良債権回収の専門業者であり、法律に基づいた回収業務を徹底的に行います。放置すれば機械的に法的措置へ移行します。

時効の可能性を確認するポイント

法律事務所から通知が届いた際、焦って連絡する前に一つだけ確認すべき重要なことがあります。それは「消滅時効」の可能性です。

借金には時効があり、最後の返済から原則5年(または10年)が経過していれば、法的な手続きを踏むことで支払い義務をなくせる可能性があります。

5年以上返済していない記憶があるか

通知書の中に「最終返済日」「期限の利益喪失日」「次回支払日」といった日付の記載がないか探してください。その日付が5年以上前であれば、時効の条件を満たしている可能性があります。

日付が書かれていない場合でも、ご自身の記憶で「ここ5年以上、1円も払っていないし、連絡も取っていない」と断言できるなら、時効のチャンスがあります。

時効援用前の連絡は絶対NG

もし時効期間が経過していても、自分から法律事務所に電話をして「払いたいけど待ってほしい」「少しなら払える」といった発言(債務の承認)をしてしまうと、その瞬間に時効がリセット(更新)されてしまいます。

また、少額でも入金してしまうと同様に時効は成立しなくなります。5年以上経過している可能性がある場合は、絶対に自分から連絡せず、すぐに司法書士や弁護士へ「時効の援用」について相談してください。

裁判回避のための連絡と交渉手順

時効の可能性がなく、請求が正当なものである場合、裁判を避ける唯一の方法は「期限内に連絡し、支払い意思を示して和解すること」です。怖がって無視し続けるのが一番の悪手です。

ここでは、自分で連絡する場合の準備と、専門家に依頼する場合の流れを解説します。

自分で電話する場合の事前準備

何の準備もなく電話をかけると、相手のペースに乗せられて無理な返済約束をさせられてしまう可能性があります。手元に以下のメモを用意してから受話器を取ってください。

  • 届いた通知書(会員番号や担当者名を確認するため)
  • 現在の家計収支(毎月いくらなら確実に払えるか)
  • 希望する分割回数と月々の返済額
  • 初回の支払いが可能な日(給料日の翌日など)

分割交渉の会話例

法律事務所の担当者はプロですが、こちらが誠実に返済計画を提示すれば、無理に裁判を起こすよりも話し合いでの解決を優先してくれるケースがあります。以下のような流れで伝えてください。

「○○法律事務所でしょうか。○○(自分の名前)と申します。先日そちらから通知をいただきお電話しました。」

「お支払いが遅れており申し訳ありません。一括での返済は難しいのですが、毎月○○円ずつの分割払いであれば、○月○日から確実にお支払いできます。この条件で和解をお願いできないでしょうか。」

ポイントは「払えない」だけでなく「いくらならいつから払えるか」を具体的に提示することです。ただし、相手によっては「一括以外は認めない」「3回払いが限界」と厳しい対応をされることもあります。

自分で交渉するのが怖い・無理な場合

「怒られるのが怖い」「提示できる金額が少なすぎて断られそう」「すでに一括請求しか受け付けないと言われている」という場合は、無理に自分で交渉しようとせず、別の専門家(司法書士や弁護士)を代理人に立てることを検討してください。

こちらの代理人として司法書士等が介入し「受任通知」を送ることで、相手方の法律事務所からの直接の連絡や督促はストップします。その後は専門家同士の話し合いとなり、長期の分割払いや将来利息のカットといった有利な条件での和解(任意整理)がまとまりやすくなります。

特に、法律事務所から通知が来ている段階では、個人での交渉力には限界があります。裁判を起こされる前に、専門家の力を借りて対等な立場で交渉のテーブルについてもらうことが、最も安全な解決策と言えます。

まとめ

法律事務所からの通知は、通常の督促とは異なる「法的措置の一歩手前」の警告です。無視を続ければ裁判や差押えに直結しますが、早期に対応すれば分割払いなどの柔軟な解決が可能です。

まずは日弁連検索で本物かを確認し、時効の可能性をチェックしてください。その上で、自分で連絡するか、交渉のプロに任せるかを決断しましょう。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、法律事務所からの通知に対する対応や、裁判回避のための交渉についても相談できます。相手が強硬な手段に出る前に、あなたに合った次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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