借金裁判の口頭弁論期日を欠席するとどうなる?答弁書の有無で決まる敗訴リスクと当日の回避手順

裁判所から口頭弁論期日の呼び出し状が届きましたが、仕事で行けそうにありません。欠席するとどうなりますか?

消費者金融からの借金滞納で裁判所から「口頭弁論期日呼出状」という書類が届きました。指定された日時は平日で、どうしても仕事を休むことができません。裁判所に行かないと逮捕されたり、すぐに給料を差し押さえられたりするのでしょうか。

書類には「答弁書」を提出するようにと書かれていますが、これを書いて出せば当日は欠席しても大丈夫なのでしょうか。それとも、やはり本人が裁判所に行かないと負けてしまうのでしょうか。欠席した場合に起きることと、今からできる対処法を教えてください。

第1回期日は事前の答弁書提出で欠席が可能ですが、無断欠席や第2回以降の欠席は即敗訴に繋がります。

借金の民事訴訟において、第1回の口頭弁論期日に限り、事前に「答弁書」を提出していれば、本人が欠席しても出席した扱いになる「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」という制度が認められています。この場合、即座に敗訴することはありません。

しかし、答弁書を出さずに欠席した場合や、第2回以降の期日を欠席した場合は、相手方の言い分をすべて認めたものとみなされ、欠席判決によって敗訴が確定するリスクが極めて高くなります。敗訴が確定すれば、給与や預金の差し押さえ(強制執行)へと進みます。

この記事では、口頭弁論期日を欠席した場合の具体的な結果を状況別に整理し、どうしても行けない場合の正しい対処手順と、すでに欠席してしまった後のリカバリ方法について解説します。

この記事でわかること

第1回口頭弁論期日を欠席したときの結果分岐

裁判所から最初に届く呼出状に記載されている「第1回口頭弁論期日」。この日に裁判所へ行けるかどうかが、最初の大きな分岐点となります。しかし、民事訴訟法には被告(あなた)を守るための特例があり、条件を満たせば欠席しても不利な判決を回避できます。まずは現在の状況が「セーフ」なのか「アウト」なのかを正確に判断してください。

答弁書を提出していれば「擬制陳述」でセーフ

第1回の期日に限り、事前に「答弁書」を裁判所に提出していれば、当日に欠席しても「答弁書に書いた内容を法廷で陳述した(話した)」とみなされる特例があります。これを擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)と呼びます。

借金裁判の多くでは、第1回期日は原告(貸金業者など)だけが出席し、被告(あなた)の答弁書の内容が確認されて、数分で終わることが一般的です。裁判官が「被告から答弁書が出ています。これを陳述しますか」と確認し、手続きが進みます。この場合、欠席したからといって即座に敗訴したり、裁判官の心証が悪くなったりすることはありません。

答弁書なしでの欠席は「全面敗訴」でアウト

最も危険なのが、答弁書を提出せず、連絡もせずに第1回期日を欠席することです。これを欠席裁判と呼びます。

民事訴訟では「相手の主張に対して反論しない=すべて認めた」と扱われます(自白とみなされる)。つまり、原告である貸金業者が訴状で求めた「残金の一括返済」や「遅延損害金の支払い」の請求がそのまま認められ、あなたの全面敗訴となります。後日、判決書が届き、強制執行(差し押さえ)へのカウントダウンが始まります。

欠席の結果判定マトリクス

あなたの現在の状況と結果を以下の表で確認してください。

状況 答弁書の提出 当日の出頭 結果・リスク
安全 あり あり 通常の裁判進行。和解交渉が進みやすい。
回避可能 あり 欠席 擬制陳述成立。次回期日が指定される。即敗訴は回避。
危険 なし あり 法廷で口頭反論が必要。準備不足だと不利になる可能性大。
致命的 なし 欠席 全面敗訴(欠席判決)。相手の言い分が100%通る。

このように、「答弁書を出したかどうか」が運命を分けます。もし期日が明日や明後日に迫っていて仕事で行けない場合でも、答弁書さえ間に合わせれば最悪の事態は避けられます。

第2回期日以降を欠席した場合の深刻なリスク

なんとか第1回期日を乗り切ったとしても、裁判はそれで終わりではありません。多くの場合、第2回以降の期日が指定されます。重要なのは、擬制陳述が使えるのは第1回期日だけというルールです。

第2回以降は原則として出席が必要

第2回以降の口頭弁論期日には、原則として本人が裁判所に出向く必要があります。もし第2回期日を欠席すると、今度こそ反論の機会を失い、相手方の主張に基づいた判決が出される可能性が高まります。

第1回で「分割払いを希望する」という答弁書を出していても、第2回期日で具体的な支払い条件(毎月の金額や期間)の話し合いに参加しなければ、裁判所は「話し合いによる解決(和解)の見込みがない」と判断し、判決手続きへと進んでしまいます。

「弁論準備手続」への移行という例外

例外として、裁判所が公開の法廷ではなく、会議室のような場所で行う「弁論準備手続」に付した場合、電話会議システムを使って自宅や職場から参加できるケースもあります。しかし、これは裁判所が認めた場合に限られ、機器の準備や事前の手続きが必要です。「行かなくていい」わけではなく、「電話で出席する」という扱いになります。

第2回以降の期日も平日の日中に設定されるため、仕事でどうしても休めない状況が続く場合は、自力での対応に限界が来ます。欠席を繰り返して判決を取られる前に、代理人を立てて対応を任せることを検討すべき段階です。

欠席により「敗訴」が決まった後の強制執行タイムライン

もし口頭弁論期日を無断欠席し、欠席判決(敗訴)となってしまった場合、その後どのようなスケジュールで事態が進むのかを解説します。ここからの動きは非常に早いため、放置は厳禁です。

1. 判決書の送達(1週間〜10日後)

期日の1週間から10日ほど後に、裁判所から特別送達で「判決書」が届きます。中身には「被告は原告に対し、金〇〇円を支払え」という主文が書かれています。これを受け取った日が、次の期限のカウントダウン開始日(送達日)となります。

2. 控訴期限の経過(受取から2週間)

判決書を受け取ってから2週間以内に、上級の裁判所(高等裁判所など)へ不服申し立て(控訴)を行わない場合、判決が確定します。借金滞納の事実が明らかである場合、控訴しても結果を覆すことは難しいため、通常はそのまま確定します。

3. 強制執行の申立てと差押え(確定後いつでも)

判決が確定(あるいは仮執行宣言が付いた判決が出た時点)すると、債権者はいつでも「強制執行」を申し立てることができます。これには事前の予告はありません。

  • 給与差押え:勤務先に裁判所から通知が届き、給与の約4分の1が完済まで毎月引かれます。会社に借金の裁判がバレる瞬間です。
  • 預金差押え:銀行口座の残高が引き落とされ、凍結されます。生活費や家賃の引き落としができなくなります。
  • 動産執行:稀なケースですが、執行官が自宅に来て換価できる家財道具がないか調査することもあります。

特に給与差押えは、会社に居づらくなるだけでなく、手取りが減ることで生活が破綻するリスクがあります。欠席による敗訴は、この状態を無抵抗で受け入れることと同義です。

当日行けないときに「擬制陳述」を成立させるための具体的手順

まだ第1回期日の前であれば、欠席しても不利益を被らないよう準備する時間はあります。仕事や病気で当日行けない人が、確実に「擬制陳述」を成立させるための手順を解説します。

手順1:答弁書を漏れなく記入する

呼出状に同封されている「答弁書」の用紙を使用します。以下のポイントを必ず押さえて記入してください。

  • 請求の趣旨に対する答弁:「原告の請求を棄却する」にチェックを入れるか記載する。これは形式的な反論として必須です。
  • 請求の原因に対する認否:借金の事実や金額に間違いがなければ「認める」とする。もし金額が違う、時効の可能性がある場合は「争う」または「知らない」とする。
  • 被告の言い分:「分割払いを希望する」旨を具体的に書く。「月々〇万円であれば支払える」など、現実的な数字を書くと、次回以降の和解交渉の土台になります。

手順2:期日の1週間前〜前日までに提出する

答弁書は期日の1週間前までに提出するのが原則ですが、直前になってしまった場合でも期日の前日までに裁判所に必着させれば間に合うことが多いです。

郵送では間に合わない場合、多くの簡易裁判所ではFAXでの提出を受け付けています。呼出状に記載されている担当書記官の電話番号に連絡し、「答弁書をFAXで送ってもよいか」を確認してください。FAX送付後は、必ず電話で「届いているか」の確認を行いましょう。送信エラーで届いていない場合、無断欠席扱いになってしまいます。

手順3:当日欠席する旨を連絡しておく

答弁書を出していても、無断で欠席するのは心証として良くありません。担当書記官に電話で「仕事の都合でどうしても出席できないため、答弁書を提出して欠席させていただきます(擬制陳述をお願いします)」と伝えておくと確実です。これにより、裁判所側も当日の進行をスムーズに行えます。

すでに期日を無断欠席してしまった直後の緊急リカバリ

「うっかり期日を忘れていた」「怖くて放置してしまい、期日が過ぎてしまった」という場合でも、判決書が届く前であれば、まだ打てる手は残されています。諦めずに以下の行動を取ってください。

担当書記官へ至急連絡を入れる

期日が過ぎた直後(当日や翌日)であれば、すぐに裁判所の担当部署へ電話をかけてください。「期日を失念して欠席してしまったが、話し合いで解決したい意思がある」と伝えます。

裁判官が判決を書く前であれば、原告(債権者)側に連絡を取るよう促されることがあります。裁判所の手続き外での「裁判外和解(取下)」の可能性を探るラストチャンスです。ただし、これは裁判所の温情や相手方の対応次第であり、必ず認められるわけではありません。

債権者への直接交渉

裁判所から「原告に直接連絡してみてください」と言われた場合、すぐに債権者の担当窓口へ連絡します。「裁判には行けなかったが、一括では払えないので分割和解を相談したい」と交渉します。

相手はすでに勝訴目前の状態なので、強気の条件(頭金の用意や短期間での返済)を提示してくる可能性が高いです。しかし、ここで合意できれば、裁判を取り下げてもらったり、和解書を交わして強制執行を回避したりできる可能性があります。

専門家への緊急依頼

自力での交渉が難しい、または相手に取り合ってもらえない場合は、即座に弁護士や司法書士に依頼してください。専門家が介入することで、判決確定前のギリギリのタイミングでも交渉が可能になるケースがあります。また、和解が無理でも「個人再生」や「自己破産」への切り替えを急ぐことで、給与差押えの実害が出る前に守りを固めることができます。

裁判所に行きたくない・会いたくない場合の現実的な解決策

「仕事が休めない」だけでなく、「借金のことで裁判所に行くのが怖い」「家族にバレたくない」という心理的な理由で欠席を考えている方もいるでしょう。その場合、無理をして欠席裁判のリスクを冒すよりも、最初から「行かなくて済む方法」を選ぶべきです。

司法書士や弁護士に代理人を依頼する

認定司法書士(借金額140万円以下の場合)や弁護士に債務整理を依頼すれば、彼らがあなたの代理人として裁判対応をすべて引き受けてくれます。

  • 裁判所への出頭不要:代理人が代わりに出席するため、あなたが裁判所に行く必要はありません。
  • 書類作成の代行:答弁書や準備書面の作成、提出もすべて任せられます。
  • 和解交渉のプロ:有利な条件(将来利息のカット、長期分割など)での和解交渉を行ってくれます。
  • 家族への配慮:裁判所からの書類や連絡が事務所宛てになるため、同居家族に裁判がバレるリスクを遮断できます。

裁判所から呼出状が届いた段階は、まだ「話し合い」の余地が残されています。しかし、欠席して判決を取られてしまうと、その余地は完全に消滅します。裁判所に行きたくないのであれば、行かずに解決できる唯一の正規ルートである「専門家への依頼」を、第1回期日の前に決断することが最も安全な選択肢です。

まとめ

口頭弁論期日の欠席は、第1回であれば答弁書の提出によって回避可能ですが、無断欠席や第2回以降の欠席は致命的な結果を招きます。欠席裁判による敗訴は、給与や口座の差し押さえに直結するため、絶対に避けなければなりません。

もし「仕事で休めない」「怖くて行けない」という状況であれば、放置するのではなく、答弁書をFAXで送るか、早急に専門家を代理人に立てて対応を任せるべきです。裁判所からの通知は無視せず、期限内に適切なアクションを起こすことで、生活への影響を最小限に抑えることができます。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、裁判所から呼出状が届いた段階での緊急相談も受け付けています。ご自身の状況に合った次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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