督促状の差出人が知らない会社名だったとき本物か詐欺かを見分ける5つの照合手順

知らない会社名で督促状が届いて詐欺か不安です

今日、ポストを見たら「○○債権回収」という全く聞き覚えのない会社からハガキ(または封筒)が届いていました。中身を見ると「未払い金の請求」とあり、支払い期限や連絡先が書かれています。

私はその会社と契約した覚えがありませんし、お金を借りた記憶もありません。最近流行りの架空請求詐欺でしょうか?それとも、昔の借金が回ってきたのでしょうか。無視しても大丈夫なのか、それとも警察や消費生活センターに連絡すべきか、正しい対応方法を教えてください。

無視は危険!詐欺と正規の債権譲渡を番号検索で切り分けてください

知らない会社名からの督促は、架空請求詐欺の可能性もありますが、元の借入先から正規の手続きを経て債権(借金を請求する権利)が譲渡されたり、回収業務が委託されたりしているケースが非常に多いです。この場合、放置すると裁判や差し押さえに発展するリスクがあります。

まず行うべきは、督促状に記載された電話番号にはすぐにかけず、その会社名と住所、電話番号をネット検索し、法務省の許可業者リストと照らし合わせることです。本物の回収業者であれば、元の借入先がどこかを確認する手順へ進む必要があります。

この記事では、届いた督促状が本物か詐欺かを見極める具体的なチェックポイントと、正規の請求だった場合に不利にならないための連絡手順、時効の可能性を含めた対処法を解説します。

この記事でわかること

知らない会社名から督促が来る5つの理由

「借りた覚えがない会社」から請求が来ると詐欺を疑うのが普通ですが、金融取引の仕組み上、契約先とは別の会社名で請求が来ることは珍しくありません。まずは、なぜ会社名が違うのか、その背景にある5つのパターンを理解し、自分の状況がどれに当てはまりそうか仮説を立てましょう。

1. 債権回収会社(サービサー)への債権譲渡

最も多いのが、元の借入先(銀行、消費者金融、クレジットカード会社など)が、借金の回収権利そのものを「債権回収会社(サービサー)」に売却したケースです。これは「債権譲渡」と呼ばれ、法律で認められた正当な手続きです。

元の会社にとっては、長期間返済が滞っている不良債権を管理するコストを削減するために、専門業者へ売却して処理を済ませる目的があります。この場合、債権者は元の会社から債権回収会社へ完全に移っており、今後の支払先も債権回収会社になります。

2. 回収業務の外部委託

債権自体は元の会社に残っていますが、督促の電話や通知を送る業務だけを外部の会社や弁護士事務所に任せているケースです。これを「業務委託」と呼びます。

この場合、督促状の差出人は委託先の会社名(○○集金代行、○○法律事務所など)になっていますが、本文をよく読むと「受託者」や「代理人」として記載されており、「債権者」として元の会社名が書かれているはずです。

3. 保証会社による代位弁済

銀行カードローンや家賃などの契約時に加入した「保証会社」が、あなたの代わりに借金を立て替えて支払ったケースです。これを「代位弁済」と言います。

あなたが返済を数ヶ月滞納すると、銀行は保証会社へ「代わりに払ってくれ」と請求します。保証会社が支払いを済ませると、あなたに対する請求権は銀行から保証会社へ移ります。そのため、これ以降は保証会社(アコム、SMBCコンシューマーファイナンス、○○信用保証など)から督促状が届くようになります。

4. 会社の合併や社名変更

契約していた会社自体が、他の会社と合併したり、ブランド統合などで社名を変更したりしているケースです。特に消費者金融業界やクレジットカード業界では再編が頻繁に行われています。

例えば、かつての「武富士」の過払い金や債権の一部は「日本保証」などが引き継いでいたり、「シンキ」が「新生パーソナルローン」になっていたりと、過去の名称と現在の名称が異なることはよくあります。

5. 詐欺・架空請求

そして最後に警戒すべきなのが、上記のような仕組みを悪用した「架空請求詐欺」です。実在する債権回収会社や法律事務所に似せた名前を使い、不安を煽って金銭を騙し取ろうとします。

特に、「法務省管轄支局」などの実在しない公的機関を名乗ったり、「訴訟最終通告」といった威圧的な言葉を使ったりするのが特徴です。本物と偽物を区別せずに放置すると、本物だった場合に給料の差し押さえなどの強制執行を受けるリスクがあるため、見極め作業は必須となります。

【手順1】届いた督促状の外見と内容をチェック

ここからは具体的な確認作業に入ります。まずは届いたハガキや封筒を手に取り、外見や記載内容から怪しい点がないかを確認します。以下のチェックリストに当てはまる項目が多いほど、詐欺の可能性が高まります。

チェック項目 判定基準とリスク
連絡先電話番号 携帯電話番号(090, 080, 070)が記載されている場合は、ほぼ間違いなく詐欺か闇金です。正規の業者は固定電話またはフリーダイヤルを使用します。
振込先口座 請求元の会社名ではなく個人名義の口座が指定されている場合は、詐欺の可能性が極めて高いです。
ハガキの形状 内容が見える状態で送られているハガキは要注意です。プライバシーに配慮し、正規の督促であれば目隠しシール(圧着ハガキ)や封書で送られるのが一般的です。
文言の具体性 「債権」「未納料金」など曖昧な言葉だけで、「いつ、誰から、いくら借りた等の契約内容」が具体的に書かれていない場合は疑わしいです。
脅し文句 「即刻差し押さえる」「身辺調査を行う」「勤務先へ行く」など、過剰に不安を煽る表現がある場合は違法な取り立てや詐欺を疑います。

本物の督促状に見られる特徴

一方で、本物の督促状には、法律上の要件を満たすために以下のような情報が詳細に記載されていることが多いです。

  • 元の契約会社名(譲渡人)
  • 契約番号や会員番号
  • 契約日や当初の貸付金額
  • 債権譲渡日または代位弁済日
  • 現在の未払い元金、利息、遅延損害金の詳細な内訳

これらの情報が具体的に記載されている場合、正規のルートで請求が来ている可能性が高まります。「身に覚えがない」と感じても、実は10年以上前の忘れていた借金であったり、親族の連帯保証人になっていた債権であったりすることがあります。

【手順2】会社名と連絡先を公的リストで照合

外見チェックの次は、差出人である会社が実在し、かつ正規の許可を得ているかを確認します。督促状に書かれている電話番号にいきなりかけてはいけません。相手が詐欺業者だった場合、電話番号を知られることでカモリストに登録され、さらなる攻撃を受ける恐れがあるからです。

法務省の「債権管理回収業」リストを確認する

日本で借金の回収代行(サービサー業務)を行えるのは、法務大臣の許可を得た株式会社だけです。法務省のWebサイトには、許可を受けた債権回収会社の一覧が公開されています。

  1. インターネットで「法務省 債権管理回収業営業許可一覧」と検索する。
  2. 法務省の公式サイト内のPDFまたは一覧ページを開く。
  3. 督促状の会社名がリストにあるか探す。
  4. リストにある「本店所在地」と「代表電話番号」が、手元の督促状と一致するか確認する。

ここで重要なのは、会社名だけでなく「住所」と「電話番号」も一致するかという点です。詐欺業者は、実在する正規の債権回収会社の名前を勝手に語ることがあります。名前が同じでも、住所や電話番号が違えば偽物です。

会社名でGoogle検索を行い、公式サイトを探す

債権回収会社以外(保証会社や弁護士事務所、委託会社)の場合は、会社名で検索して公式サイトを探します。公式サイトに記載されている「お問い合わせ窓口」や「お客様相談センター」の電話番号と、督促状の番号を照らし合わせてください。

もし督促状の番号が公式サイトに載っていない番号であれば、その番号をGoogle検索にかけてみましょう。「詐欺電話」「迷惑電話」としての口コミが多数投稿されている可能性があります。

【手順3】元の借入先を特定して裏を取る

差出人の会社が実在する正規の業者であると確認できたら、次は「なぜ自分に請求が来たのか」の根拠、つまり「元の借金」を特定します。

信用情報機関(CIC・JICC)を開示する

最も確実な方法は、自分の信用情報(ブラックリスト情報など)を取り寄せて確認することです。信用情報機関(CICやJICC)には、あなたの過去の契約内容や支払状況が記録されています。

開示報告書の中に、督促状の差出人である会社名、あるいは「債権譲渡」や「代位弁済」の記録があれば、その請求は本物であり、あなた自身の債務であると証明されます。スマホやパソコンから1000円程度の手数料で即日確認できるため、記憶が曖昧な場合は必ず実行してください。

元の契約会社のお客様センターへ問い合わせる

督促状に「○○カードから債権を譲り受けました」や「○○銀行の保証会社として」といった記載がある場合は、譲渡元(元の会社)の公式サイトにある問い合わせ窓口へ電話をかけて確認します。

「○○回収株式会社というところから通知が来たのですが、御社から債権譲渡された事実はありますか?」と聞けば、正規の手続きであれば履歴を確認して教えてくれます。ここで「そのような事実はない」と言われれば、詐欺であることが確定します。

詐欺・架空請求と判断できた場合の対応

ここまでの確認で「契約の事実がない」「会社名や番号が偽物である」と判断できた場合は、以下の手順で対応します。基本原則は「相手に反応しない」ことです。

絶対にしてはいけないNG行動

  • 記載された番号に電話をかけて抗議する(電話番号が生きているとバレる)
  • 「払わないなら裁判する」等の文言に焦って一部でも入金する
  • 個人情報を教えてしまう(生年月日や勤務先など)

無視と証拠保全

詐欺であれば、督促状は無視して破棄しても構いませんが、念のため証拠として保管しておくか、スマホで写真を撮ってから捨てましょう。もし執拗に連絡が来る場合や、不安が拭えない場合は、以下の窓口へ情報提供を行います。

  • 最寄りの警察署(生活安全課)
  • 消費者ホットライン(局番なしの188)

本物の督促だった場合の連絡と解決手順

調査の結果、正規の業者からの正当な請求であると判明した場合、無視を続けるのは危険です。裁判を起こされ、給与や預金を差し押さえられるカウントダウンが始まっています。ただし、慌てて電話をする前に「時効」の確認を行う必要があります。

5年以上前の借金なら「時効の援用」を検討する

知らない会社から突然請求が来るケースで多いのが、5年以上放置していた古い借金です。借金には消滅時効があり、最後の返済から5年(または10年)が経過していれば、法的に支払義務をなくせる可能性があります。

しかし、時効を成立させるには「時効の援用(えんよう)」という手続きが必要です。さらに重要な注意点として、業者に電話をして「払います」「待ってください」と言ってしまうと、時効がリセット(更新)されてしまうリスクがあります。

督促状に記載された「最終返済日」や「期限の利益喪失日」を確認し、5年以上前の日付であれば、自分から連絡せず、すぐに弁護士や司法書士へ相談してください。専門家が代理で内容証明郵便を送ることで、安全に時効を成立させることができます。

時効ではない場合の支払い交渉

直近の借金滞納による譲渡や代位弁済であり、時効の条件を満たしていない場合は、支払い義務から逃れることはできません。一括請求されているケースがほとんどですが、放置すれば法的措置へ進むだけです。

この場合も、自分で業者に連絡して分割交渉をするのはハードルが高いでしょう。債権回収のプロ相手に有利な条件を引き出すのは困難だからです。司法書士や弁護士に「債務整理(任意整理)」を依頼すれば、専門家が間に入って無理のない分割払いに変更したり、将来の利息をカットしたりする交渉が可能です。

まとめ

知らない会社名からの督促状は、詐欺の可能性と、正規の債権譲渡・委託の可能性があります。まずは焦って連絡せず、法務省のリストや公式サイトの番号と照合し、信用情報や元の借入先に確認を入れて真偽を見極めてください。

もし本物の請求であり、5年以上前の借金であれば時効の援用で解決できる可能性があります。また、最近の滞納であっても、専門家を通すことで分割払いへの変更など現実的な解決策が見つかります。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、届いた督促状が本物かどうかの判断や、時効の可能性についての相談もできるので、手遅れになる前に自分に合った次の一歩を検討してみてください。

借金問題に強い杉山事務所の無料相談

減額診断

おすすめの理由
毎月1万件以上の豊富な実績
初期費用や相談料が無料
過払い金の回収額が毎月1億円以上
日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

先月151人が利用
借金をいくら減額できるか無料でチェック!