法テラスの審査に落ちる理由と収入基準の計算手順|否決連絡が来た当日の代替策
法テラスの審査に落ちたら弁護士費用が払えません。どうすれば良いですか?
借金の返済が限界で債務整理を考えています。費用を抑えるために法テラス(民事法律扶助)を使いたいのですが、審査に落ちることもあると聞きました。
もし審査に落ちてしまったら、もう債務整理はできないのでしょうか。審査に通らない理由や、落ちた場合に費用を安く抑えて手続きする方法があれば教えてください。
基準を超える収入・資産があるか「勝算がない」と判断された可能性があります
法テラスの審査は「資力基準(収入と資産)」と「民事法律扶助の趣旨に適するか」という点で判断されます。もし否決されたとしても、民間の弁護士事務所で分割払いを利用すれば解決できるケースがほとんどです。
審査に落ちる具体的な基準と、万が一落ちた場合にすぐ検討すべき費用の工面方法や代替手段について解説します。
この記事では、ご自身の状況が審査基準を満たしているかの確認手順と、否決連絡が来た当日の動き方が分かります。
この記事でわかること
審査落ち理由1:収入基準を超過している
法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助を利用するには、申込者とその配偶者の手取り月収が一定の基準以下である必要があります。審査に落ちる最も多い原因は、この収入要件の上限を超えていることです。
同居家族の人数と居住地(大都市などの生活保護一級地かそれ以外か)によって基準額が異なります。ご自身の世帯収入が以下の表の範囲に収まっているか、詳細に計算する必要があります。
世帯人数別の収入基準額一覧
以下の表は、法テラスが定める手取り月収の目安(基準額)です。賞与(ボーナス)がある場合は、年間の賞与額を12で割った金額を月収に加算して計算します。
| 同居家族の人数 | 大都市等の基準額(月収) | その他の地域の基準額(月収) |
|---|---|---|
| 1人(単身) | 20万200円以下 | 18万2,000円以下 |
| 2人 | 27万6,100円以下 | 25万1,000円以下 |
| 3人 | 29万9,200円以下 | 27万2,000円以下 |
| 4人 | 32万8,900円以下 | 29万9,000円以下 |
家賃や住宅ローンによる基準額の加算
上記の基準額を超えていても、家賃や住宅ローンを負担している場合は、一定額まで基準額に加算(限度額を引き上げ)することができます。これを家賃・住宅ローン加算と呼びます。
たとえば、東京(大都市)で一人暮らしをしており、家賃を負担している場合、収入基準額「20万200円」に家賃加算額「4万1,000円」を足した「24万1,200円」までが審査の対象範囲となります。収入がギリギリ基準を超えている場合は、この加算を含めて再計算してください。
- 単身者の加算限度額:4万1,000円(大都市)、3万5,000円(その他)
- 2人世帯の加算限度額:5万3,000円(大都市)、4万5,000円(その他)
- 3人世帯の加算限度額:6万6,000円(大都市)、5万6,000円(その他)
配偶者の収入と合算されるケース
申込者が専業主婦(主夫)やパート勤務の場合でも、配偶者に十分な収入があれば「世帯収入」として合算され、審査に落ちる可能性があります。ただし、今回の債務整理が「離婚問題に関連する場合」や「配偶者も相手方となる事件」などの特殊な事情があるときは、配偶者の収入を合算せず個人の収入のみで審査されることもあります。
借金の理由が配偶者には言えない浪費等の場合でも、原則は家計全体の収入で判断されるため、法テラスの利用には配偶者の収入証明(給与明細や課税証明書)の提出を求められることが一般的です。これが提出できずに審査を断念するケースも少なくありません。
審査落ち理由2:保有資産が基準を超えている
収入の基準をクリアしていても、すぐに弁護士費用を支払えるだけの「資産」を持っていると判断されれば審査に落ちます。これを資力基準(資産要件)と呼びます。
ここでいう資産とは、不動産などの固定資産ではなく、現金・預貯金・有価証券などの「流動資産」を指します。自宅などの不動産を持っていても、すぐに売却して現金化できないものであれば、資産要件の対象外となることが一般的です。
現金・預貯金の保有上限額
審査における資産合計額の基準は以下の通りです。複数の銀行口座を持っている場合は、その全ての残高を合計する必要があります。
- 単身者:現金・預貯金の合計が180万円以下
- 2人世帯:現金・預貯金の合計が250万円以下
- 3人世帯:現金・預貯金の合計が270万円以下
- 4人以上:現金・預貯金の合計が300万円以下
この基準は「将来発生する退職金」や「解約返戻金」などは含みませんが、手元にある現金(タンス預金)や、子供名義にしてあるが実質的に親が管理している預金なども資産とみなされる場合があります。
隠し資産が発覚した場合のリスク
審査を通すために預金口座を隠したり、現金を別の場所に移したりして虚偽の申告を行うことは絶対に避けてください。法テラスの審査時または弁護士との面談時に通帳の提出や取引履歴の確認が行われます。
不自然な出金履歴や、申告していない口座への送金が見つかった場合、審査に落ちるだけでなく、その後法テラスの利用自体を拒否される可能性があります。また、仮に審査が通った後で不正が発覚した場合、立て替えてもらった費用の即時一括返還を求められることもあります。
審査落ち理由3:勝算がない・方針の不一致
法テラスの審査には、経済的な要件だけでなく「勝訴の見込みがないとはいえないこと」という要件があります。債務整理においては、その手続きを行うことで借金問題が解決し、生活再建ができる見込みがあるかという意味になります。
任意整理での返済原資が確保できない
例えば、任意整理(利息をカットして元金を3〜5年で分割返済する手続き)を希望して法テラスに申し込んだとします。しかし、現在の収入から家賃や生活費を引いた残りが少なく、どう計算しても分割返済のお金が捻出できないと判断された場合、「任意整理を行う意味がない(勝算がない)」として審査に落ちる可能性があります。
この場合、法テラス(または担当弁護士)から「自己破産であれば審査に通る可能性がある」と提案されることがあります。ご自身が希望する解決方法と、客観的に可能な解決方法が食い違っている場合、審査は通過しません。
免責不許可事由が著しく重い場合
自己破産を希望する場合でも、借金の原因が深刻なギャンブルや浪費であり、過去にも同様の理由で自己破産をしているなど、免責(借金をゼロにすること)が許可される見込みが極めて低いと判断されると、審査に落ちることがあります。
ただし、初めての自己破産であれば、多少のギャンブルや浪費があっても裁量免責(裁判官の判断での免責)が得られる可能性が高いため、この理由だけで即座に否決されるケースは多くありません。審査において正直に事情を説明し、反省文や家計簿の提出などで更生の意欲を示すことが重要です。
民事法律扶助の趣旨に適さないと判断される行為
法テラスの制度は、あくまで「経済的に困窮している人を助ける」ためのものです。そのため、以下のようなケースでは趣旨に適さないとして審査に落ちます。
- 相手方への嫌がらせや、不当な利益を得る目的で手続きをしようとしている場合
- 弁護士や法テラス職員に対して暴言を吐いたり、虚偽の説明を繰り返したりするなど、信頼関係が築けない場合
- 債務整理の費用自体は安価であり、自分で支払う能力があると判断される場合(過払い金請求のみを行う場合など)
審査に必要な書類の不備と虚偽申告
審査内容自体には問題がなくても、提出書類に不備があったり、期限内に資料が揃わなかったりして「審査不能」として扱われるケースがあります。法テラスの審査は書類主義であり、口頭の説明だけでは認められません。
審査で求められる主な書類
申し込み時に以下の書類が不足していると、追加提出になるまで審査が止まるか、却下されます。事前に手元にあるか確認してください。
| 住民票 | 世帯全員分、本籍地・筆頭者の記載があるもの(マイナンバーなし) |
|---|---|
| 収入証明書 | 直近2〜3ヶ月分の給与明細、賞与明細、または課税証明書 |
| 資力申告書 | 法テラス所定の様式に、預貯金や保険、車などの資産を記載したもの |
| 戸籍謄本 | 自己破産や個人再生を申し立てる場合、家族関係の証明に必要 |
| 債権者一覧表 | どこから、いくら借りているかのリスト(概算でも可な場合あり) |
「世帯」の定義と書類提出の壁
特に問題になりやすいのが、同居家族(世帯)の収入証明です。同居している親や配偶者に債務整理を内緒にしている場合、彼らの給与明細や課税証明書を用意するのが難しく、書類不備のまま審査に出せないという事態に陥ります。
法テラスを利用する場合、原則として家計全体の状況を証明しなければなりません。家族に内緒で手続きを進めたいという事情がある場合、法テラスの利用要件(書類提出)を満たすハードルは非常に高くなります。この点がクリアできない場合は、法テラス以外の選択肢を検討する必要があります。
審査に落ちた当日に検討する代替策
法テラスの審査に落ちた、または書類が用意できず利用を断念した場合でも、債務整理を諦める必要はありません。法テラスはあくまで「費用の立替制度」の一つに過ぎず、民間の弁護士・司法書士事務所でも同様の対応が可能な場合が多いからです。
分割払い・後払いに対応した事務所を探す
多くの債務整理に強い事務所では、依頼者の手元にお金がないことを前提に報酬体系を組んでいます。法テラスを使わなくても、以下のような支払い方法に対応している事務所へ相談してください。
- 着手金無料・後払い:最初の依頼時には1円も払わず、手続き開始後に積み立てる方式。
- 長期分割払い:弁護士費用を月々数万円〜の無理のない金額で分割する方式。
- 積立金制度:受任通知を送って借金の返済(督促)を止めている期間中に、本来返済に充てていたお金を弁護士費用として積み立てる方式。
受任通知(介入通知)を送付すれば、その時点から債権者への返済は一時的にストップします。この「返済しなくてよい期間」に弁護士費用を分割で支払うことで、新たな手出しなしで債務整理を完了させることが可能です。
不服申し立て(審査請求)をする
もし、審査落ちの理由が事実誤認や計算間違いであると確信できる場合は、結果の通知を受け取ってから一定期間内に「審査請求(不服申し立て)」を行うことができます。ただし、単に「困っているから通してほしい」という理由では結果は覆りません。
明確な証拠(修正された給与明細や、資産価値の再評価証明など)がある場合を除き、審査請求には時間がかかるだけでメリットが少ないことが多いです。借金問題は1日でも早い解決(利息の停止)が重要ですので、法テラスにこだわって時間を浪費するよりは、柔軟な民間事務所へ切り替える方が現実的です。
法テラスと民間事務所の費用・期間比較
法テラス審査に落ちた後、民間の事務所に依頼する場合の具体的な違いを比較します。民間事務所は費用が高いイメージがありますが、解決までのスピードやサービスの柔軟性ではメリットがあります。
費用と支払い方法の違い
| 項目 | 法テラス(民事法律扶助) | 民間の弁護士・司法書士事務所 |
|---|---|---|
| 費用の総額 | 低額(相場の半額〜7割程度) | 標準的(事務所により異なる) |
| 着手金 | 原則なし(立替) | 無料または分割可の事務所あり |
| 分割払い | 月額5,000円〜10,000円 | 月額20,000円〜無理のない範囲 |
| 審査期間 | 2週間〜1ヶ月以上 | 即日〜数日(相談当日に契約可) |
法テラスの最大のメリットは「費用の安さ」ですが、審査のために数週間の待ち時間が発生し、その間は督促が止まらないというデメリットがあります。一方、民間事務所は費用総額は高くなりますが、相談当日に受任通知を送付して督促を即日止めるといったスピーディーな対応が可能です。
家族バレや職場バレのリスク管理
法テラスを利用する場合、先述の通り世帯全員の収入証明が必要になるため、家族に内緒で手続きを進めることは困難です。また、法テラス経由で依頼された弁護士は、法テラスのルールに従って業務を行うため、個別の柔軟な要望(連絡時間の指定や郵送物の局留め対応など)に応じきれない場合があります。
一方、民間の事務所であれば「家族に絶対にバレたくない」「会社に電話をしてほしくない」といった事情を考慮し、連絡手段をLINEや個人の携帯電話のみに限定するなど、プライバシー配慮の徹底を依頼条件に含めることができます。審査落ちが「家族の書類が出せない」ことによるものであれば、最初から内緒で手続きできる民間事務所を選ぶべきです。
まとめ
法テラスの審査に落ちる主な理由は、収入や資産が基準を超えているか、書類の不備によるものです。しかし、法テラスが使えないからといって債務整理ができないわけではありません。
むしろ、審査を待つ間に利息や遅延損害金が増え続けるリスクを考えれば、分割払いに柔軟に対応している民間の事務所へ依頼する方が、結果的に早く、誰にもバレずに解決できるケースが多くあります。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。


