引越しの初期費用が払えないとき分割交渉はできる?契約前の相談手順と現金がない場合の公的支援

引越しの初期費用が高すぎて払えないのですが、不動産屋に分割払いをお願いしても大丈夫でしょうか?

急な事情で引越しをしなければならなくなったのですが、敷金や礼金、仲介手数料を含めた初期費用の見積もりが予想以上に高く、手持ちの現金では一括払いができません。

契約のタイミングで「分割にしてください」と相談しても良いものでしょうか。もし断られた場合、借金をしてでも払うべきか、他に利用できる制度や方法はありますか?貯金がほとんどない状態での乗り切り方を知りたいです。

原則は一括払いですが交渉やカード決済で分割にする方法はあります

引越しの初期費用は「契約時の一括前払い」が不動産業界の通例となっており、単に「分割にしたい」と伝えても管理会社や大家さんの審査で不利になるリスクがあります。しかし、クレジットカード決済を利用して後から分割に変更したり、最初から分割払いに対応している不動産会社を選んだりすることで、手元の現金を残したまま契約を進めることは可能です。

まずは申し込みを入れる前に、担当者へ支払い方法の相談を行うのが最優先です。交渉が難しい場合に使える公的支援や、費用そのものを圧縮する手順を含め、契約までに現金を確保する具体的な選択肢を整理しました。

この記事では、初期費用が払えないときに不動産会社へ切り出す交渉手順と、現金不足を補うための具体的な資金調達方法について解説します。

この記事でわかること

不動産会社への分割交渉の手順

賃貸契約の初期費用は、敷金・礼金・前家賃・仲介手数料・保証会社利用料などが合算され、家賃の4.5ヶ月〜6ヶ月分程度になることが一般的です。これを現金一括で支払うのが原則ですが、どうしても難しい場合は契約前に担当者へ相談する必要があります。

交渉を切り出す正しいタイミング

「お金がない」という事実は、入居審査においてマイナス要素になります。そのため、申し込み書を記入した後や審査通過後に突然「分割にしてほしい」と言うのは避けてください。信頼関係が崩れ、最悪の場合は契約を断られる可能性があります。

ベストなタイミングは「物件の内見予約時」または「内見中の雑談時」です。気に入った物件が見つかり、申し込みの意思を固める前の段階で、支払い方法の選択肢として相談するのがスムーズです。

分割交渉の具体的な伝え方

単に「お金がない」と伝えるのではなく、「支払う意思はあるが、現金の流出を一時的に抑えたい」という前向きな理由を添えることが重要です。以下のような言い回しで、担当者の反応を確認してください。

交渉パターンA
(給料日待ち)
「初期費用は全額お支払いできるのですが、今月の給料日が入金予定日より後になってしまいます。入金期日を給料日まで待っていただくか、今払える分だけ先に入金することは可能でしょうか?」
交渉パターンB
(一部分割)
「引越し代なども含めると手持ちの現金が少し心もとないので、初期費用のうち仲介手数料と礼金部分だけ、翌月の家賃と合わせて分割にする相談はできますか?」
交渉パターンC
(カード希望)
「ポイントを貯めたいので、初期費用をクレジットカードで決済できる物件でしょうか?または、決済サービスを導入されているでしょうか?」

特にパターンCの「クレジットカード決済」は、不動産会社側にとっても一括で決済されるためリスクが少なく、最も受け入れられやすい交渉術です。不動産会社がカード決済に対応していれば、会社に対しては一括で支払い、あとからカード会社側の設定で「分割払い」や「リボ払い」に変更することで、実質的な分割払いが実現します。

「IT重説」や直前キャンセルによる違約金リスク

交渉がうまくいかず、契約直前になって「やっぱり払えない」とキャンセルする場合、タイミングによってはキャンセル料や預かり金のトラブルに発展することがあります。重要事項説明(重説)を受けた後に契約書にサインをしてしまうと、契約成立とみなされ、初期費用全額の支払い義務が生じるケースもあります。

支払いの目処が立っていない状態で契約手続きを進めるのは危険です。必ず「支払える方法が確定してから」申し込みの手続きに入ってください。

クレジットカードで初期費用を分割にする

手持ちの現金が足りない場合、最も現実的でスピーディーな解決策はクレジットカードの活用です。ただし、全ての不動産会社や物件がカード決済に対応しているわけではありません。

カード決済対応物件の仕組み

近年、大手不動産チェーンや管理会社を中心に、初期費用のクレジットカード払いに対応するケースが増えています。この場合、店頭や専用のWEBサイトでカード決済を行います。

  • 不動産会社へはカード会社から一括で支払われるため、入居審査への悪影響がない
  • 決済後、カード会社のアプリやWEB明細から「あとから分割」「あとからリボ」に変更できる
  • ポイントが貯まるため、現金払いよりも得になる場合がある

注意点として、一部の不動産会社ではカード決済手数料(決済額の3〜5%程度)を入居者側に負担させようとするケースがあります。本来は加盟店(不動産会社)が負担すべきものですが、見積もりに上乗せされていないか確認が必要です。

利用限度額(枠)の不足に注意

初期費用は数十万円単位になるため、クレジットカードの利用限度額(ショッピング枠)を超えてしまう可能性があります。普段使っているカードの残枠を事前に確認してください。

もし枠が足りない場合は、カード会社に「一時増枠」の申請をする方法があります。コールセンターへ電話し、「引越しの初期費用で利用したい」と伝えれば、審査のうえで一時的に限度額を引き上げてもらえることがあります。審査には1〜3日程度かかる場合があるため、早めの行動が不可欠です。

金利手数料のシミュレーション

クレジットカードで分割払いやリボ払いにする場合、年利15.0%〜18.0%程度の手数料がかかります。支払いを先送りできるメリットは大きいですが、総支払額が増えることを理解しておく必要があります。

支払い方法 特徴とリスク
2回払い 手数料が無料になるカードが多い。翌月と翌々月に半額ずつ支払うため、短期間で資金繰りが改善する場合に最適。
3回〜24回払い 手数料がかかるが、毎月の負担を一定額まで下げられる。回数が増えるほど手数料総額が高くなる。
リボ払い 毎月の支払額を低く固定できるが、手数料が高額になりやすく、返済が長期化する。支払いが終わらないまま次の更新時期が来るリスクがあるため注意が必要。

分割払い対応の不動産会社を探す

今から物件を探すのであれば、最初から「初期費用分割可」や「カード決済可」を謳っている不動産会社を選ぶのが確実です。交渉の手間がなく、支払い能力に不安がある人向けのプランを用意していることもあります。

分割払い専門サービスや信販系ローン

一部の不動産会社では、信販会社(オリコ、ジャックス、アプラスなど)と提携し、初期費用専用のメモリアルローンや分割払いプランを提供していることがあります。これはクレジットカードを持っていなくても利用できる場合がありますが、信販会社の審査に通る必要があります。

審査では信用情報(CICなど)が確認されるため、過去にクレジットカードや携帯代の滞納がある場合、利用できない可能性が高いです。

「ゼロゼロ物件」の活用と注意点

敷金0円・礼金0円の「ゼロゼロ物件」を選べば、初期費用を大幅に圧縮できます。前家賃と保証料、火災保険料だけで済むため、通常の半額以下で契約できることも珍しくありません。

ただし、ゼロゼロ物件には以下のようなデメリットが含まれている可能性があります。目先の安さだけでなく、トータルの住環境や退去時の条件を確認することが大切です。

  • 退去時に高額なクリーニング費用や違約金が設定されている(短期解約違約金など)
  • 家賃が相場より高く設定されており、長く住むと割高になる
  • 物件自体に人気がなく、設備が古い、または立地が悪い
  • 事故物件(告知事項あり)である可能性

初期費用を安く抑える見積もりチェック

提示された見積もりには、必ずしも支払う必要のない「オプション費用」が含まれていることがあります。これらを削除または減額交渉することで、手持ちの現金で払える範囲まで総額を落とせるかもしれません。

交渉余地のある項目一覧

見積書の内訳を詳しく確認し、以下の項目が含まれていないかチェックしてください。これらは交渉次第で外せる可能性があります。

項目名 内容と交渉の余地
仲介手数料 法律上の上限は家賃の1.1ヶ月分だが、0.55ヶ月分や無料にしている会社も多い。「仲介手数料が安い他社でも同じ物件を扱っていないか」を確認するのも手。
消毒・抗菌施工費 入居前の室内にスプレーを撒くだけの簡易作業で1.5万〜2万円請求されることが多い。原則として任意オプションであり、強く断れば外せることがほとんど。
24時間サポート 鍵の紛失や水漏れトラブルに対応するサービス。加入必須の物件もあるが、火災保険の付帯サービスで代用できる場合、加入を拒否できることもある。
火災保険料 不動産会社指定の保険(2万円前後)は割高なことが多い。自分でネット型保険(年間4,000円〜)に加入し、証券を提出することで安く済ませられるか交渉する。

フリーレント物件を探す

フリーレントとは、入居後1ヶ月〜3ヶ月程度の家賃が無料になる契約です。前家賃の支払いが不要になるため、初期費用を家賃1ヶ月分浮かせることができます。初期費用がない分、すぐに生活を立て直せるメリットがあります。

公的制度や助成金で費用を賄う

経済的に困窮していて引越し費用が出せない場合、国や自治体の制度を利用できる可能性があります。特に「住居確保給付金」や自治体独自の助成金は、返済不要で受け取れる場合があるため、必ず確認すべき選択肢です。

住居確保給付金(離職・減収時)

離職や廃業、または個人の責任によらない理由で収入が減少し、住居を失うおそれがある人に対して、自治体が家賃相当額(上限あり)を支給する制度です。

基本的には「今住んでいる家の家賃補助」ですが、現在住居がない人が新規に入居する場合の初期費用そのものを補助するものではありません。しかし、入居後の家賃負担が減ることで、初期費用の捻出計画が立てやすくなります。

自治体の転居助成金・補助金

特定の条件を満たす世帯に対し、引越し費用や初期費用の一部を助成する自治体があります。制度の名称や条件は地域によって異なります。

  • **結婚新生活支援事業**: 新婚世帯が引越しをする際、住居費や引越し費用を最大30万〜60万円補助する制度。
  • **子育て世帯転居助成**: 小学生以下の子どもがいる世帯の転居費用を補助する制度(東京都新宿区や北区など多数)。
  • **高齢者・障害者住み替え助成**: バリアフリー住宅や民間賃貸への住み替え費用を助成。

これらの制度は「申請してから受給までに時間がかかる」「後払い(償還払い)である」ことが多いため、当面の支払いには間に合わない可能性がありますが、後から補填できる見込みがあれば、一時的な借入もしやすくなります。

社会福祉協議会の貸付制度

低所得世帯向けに、無利子または超低金利で資金を貸し付ける「生活福祉資金貸付制度」があります。「転居費」として敷金や礼金、運送費を借りられる場合があります。

相談窓口は各市区町村の社会福祉協議会です。審査には数週間かかりますが、信用情報ブラックで民間のローンが通らない人でも利用できる可能性があります。

どうしても払えない場合の最終手段

交渉も決裂し、クレジットカードも使えず、公的支援も間に合わない。それでも退去期限が迫っているなど、引越しを回避できない場合の対応策です。

不用品を売却して現金を作る

引越しの荷物を減らす意味でも、不用品の売却は有効です。リサイクルショップの出張買取を利用すれば、即日で現金化できます。家具家電、ブランド品、書籍など、売れるものは全て売り、初期費用の足しにします。数万円でも作れれば、交渉の材料(手付金など)にできるかもしれません。

親族や知人からの借入

金利がかからない方法として親族への相談があります。ただし、口頭で「貸して」と言うだけでは断られる可能性が高いため、以下の準備をして誠意を見せることが大切です。

  • **借用書を用意する**: 金額、返済期日、返済方法(毎月○万円ずつなど)を明記した書面を作る。
  • **見積書を見せる**: 何にいくら必要なのか、証拠を見せて不透明な借金ではないことを証明する。
  • **返済計画を伝える**: 引越し後の収支見込みを説明し、必ず返せる根拠を示す。

カードローンでの一時的な立替え

消費者金融や銀行のカードローンを利用し、現金を借りて初期費用に充てる方法です。多くの消費者金融では「30日間無利息」などのサービスがあるため、次の給料日やボーナスで完済できる見込みがあるなら、利息負担ゼロで乗り切れる可能性があります。

ただし、すでに多額の借金があり、返済のために引越しをしようとしている状況であれば、新たな借入は火に油を注ぐ行為です。引越し費用すら出せない家計状況そのものを見直す必要があるでしょう。

借金問題が原因で引越し費用が出ない場合

もし、現在の借金返済が重荷となって貯金ができず、引越し費用も捻出できないのであれば、無理に引越しをする前に「債務整理」を検討すべきサインかもしれません。

借金の元金や利息を減額できれば、毎月の返済額が減り、引越し費用を貯める余裕が生まれます。また、自己破産などの手続き中は、一部の財産を除いて処分されるものの、生活に必要な家財や当面の生活費は手元に残せるルールがあります。

まとめ

引越しの初期費用が一括で払えない場合、まずは不動産会社への分割交渉やクレジットカード決済の可否を確認することが第一歩です。ゼロゼロ物件への切り替えや公的支援の活用も視野に入れ、どうしても足りない場合は不用品売却や一時的な借入を検討してください。

しかし、引越し費用すら用意できない根本的な原因が「毎月の借金返済」にあるなら、単に引越しをするだけでは生活は再建できません。引越し先でも同じようにお金に困り、家賃滞納のリスクを抱え続けることになります。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、借金返済と生活費のバランスについての相談もできるので、家計を根本から立て直すための次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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