借金の請求は家族にも来る?支払い義務が発生する条件と督促連絡を法的に止める遮断手順

借金の返済が遅れたら家族にも請求が行くのか不安です

消費者金融とクレジットカードのリボ払いが払えなくなりそうで、督促が始まったら家族に請求が行くのではないかと毎日不安で眠れません。契約書の内容を詳しく覚えていないのですが、妻や実家の親に支払い義務が発生することはあるのでしょうか。

また、法的な義務がなくても、嫌がらせのように家族へ連絡が行ったり、家に取り立てに来たりすることはありますか。家族には絶対に借金を隠し通したいので、どのような条件で家族に連絡が行くのか、それを防ぐにはどうすればいいのか教えてください。

原則として本人以外に請求は行きませんが保証人設定と連絡漏れには注意が必要です

借金の契約は個人の信用に基づいて行われるため、たとえ夫婦や親子であっても、連帯保証人になっていない限り家族に法的な支払い義務は一切ありません。業者が家族に対して返済を迫ることは法律で厳しく禁止されており、正当な理由なく家族へ連絡することも違法行為となります。

ただし、契約時に家族を連帯保証人に設定している場合や、本人と連絡がつかずに「所在確認」として実家や自宅へ電話が入るケースは存在します。支払い義務の有無と、事実上の連絡(督促)が行くかどうかは別の問題として切り分けて考える必要があります。

この記事では、家族に借金の請求や連絡が行ってしまう具体的な条件と、それを未然に防いで生活を守るための法的な遮断手順について詳しく解説します。

この記事でわかること

家族に支払い義務が発生する3つの条件

借金の返済が滞ったとき、家族や親族に法的な請求権が及ぶケースは極めて限定的です。日本の法律では「個人責任の原則」があり、親の借金を子が払う義務も、夫の借金を妻が払う義務も基本的には存在しません。しかし、契約形態や法律の規定により、例外的に支払い義務が生じる条件が3つだけ存在します。

1. 連帯保証人・保証人になっている場合

最も明確かつ強力な条件が、家族が契約書上で「連帯保証人」または「保証人」として署名・捺印している場合です。この場合、家族は借金をした本人と同等の返済義務を負います。本人が返済を延滞した時点で、債権者は即座に保証人へ請求することが法的に認められています。

特に「連帯保証人」は、以下の3つの権利を持たないため、本人よりも重い責任を負わされることがあります。

  • 催告の抗弁権なし:まずは本人に請求してくれと言えない
  • 検索の抗弁権なし:本人の財産を先に差し押さえてくれと言えない
  • 分別の利益なし:保証人が複数いても借金全額を払う義務がある

消費者金融やクレジットカードのキャッシングでは、原則として保証人は不要(無担保・無保証)の契約がほとんどです。しかし、奨学金、住宅ローン、事業性融資、一部の自動車ローンなどでは家族が連帯保証人になっているケースが多く見られます。契約書が手元にない場合は、これらのローン種別からリスクを推測する必要があります。

2. 日常家事債務に該当する場合

夫婦間においてのみ適用される例外規定として、民法761条の「日常家事債務」があります。これは、夫婦が共同生活を送る上で必要不可欠な出費(家賃、水道光熱費、食費、衣料費、医療費など)のために負った借金については、夫婦が連帯して責任を負うというルールです。

たとえば、妻名義のクレジットカードで家族全員分の食料品や子供の衣服を購入し、その支払いが滞った場合、夫にも支払い義務が生じる可能性があります。ただし、遊興費、ギャンブル、高額な嗜好品、投資のための借金などは日常家事債務に含まれないため、これらを理由とした借金について配偶者が請求されることはありません。

債権回収会社や弁護士事務所からの通知で「夫婦には連帯責任がある」と主張されることが稀にありますが、使途が個人的な浪費であれば、きっぱりと支払いを拒否する正当な権利があります。

3. 借金を残して本人が死亡し相続した場合

本人が借金を完済せずに死亡した場合、その借金は「負の遺産」として法定相続人(配偶者、子供、親など)に引き継がれます。これは契約上の保証人であるかどうかに関係なく、法律上の相続手続きとして自動的に発生します。

相続人は、プラスの財産(預貯金や不動産)だけでなく、借金もすべて引き継ぐことになります。もし借金が財産を上回っている場合は、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行うことで、借金の支払い義務を免れることができます。ただし、相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という厳格な期限があるため、放置していると単純承認とみなされ、借金を背負うことになります。

請求義務はないが「連絡」が行くケース

法的な支払い義務がない場合でも、債権者からの「連絡」が家族に行ってしまうことで、借金の事実がバレたり、精神的なプレッシャーを受けたりするリスクがあります。貸金業法では、正当な理由なく第三者に借金の事実を明らかにすることは禁止されていますが、抜け道やミスによって連絡が行くことがあります。

緊急連絡先に指定している場合

契約時に「緊急連絡先」として実家や配偶者の携帯電話番号を記入しているケースです。緊急連絡先は保証人とは異なり、支払い義務はありません。しかし、本人と連絡が取れなくなった場合、業者は「所在確認」のために緊急連絡先へ電話をかけることができます。

この際、業者は法律により「借金の督促であること」や「社名」を名乗らず、個人名でかけてくるのが一般的です。しかし、勘の鋭い家族であれば、見知らぬ個人名からの電話で「○○さんはご在宅ですか?連絡がつかなくて困っておりまして」と聞かれれば、何らかのトラブルを察知するでしょう。

重要なのは、本人と連絡がついている限り、緊急連絡先に電話が行くことはないという点です。着信拒否や無視を続けることが、家族への連絡を引き起こす最大のトリガーとなります。

自宅の固定電話を登録している場合

携帯電話だけでなく、自宅の固定電話番号を登録している場合、本人の携帯に繋がらないときの第二連絡先として自宅へ電話がかかってきます。家族が電話に出た場合、業者は個人名を名乗り、本人への伝言を依頼します。

「○○(個人名)と申しますが、△△さんはいらっしゃいますか?至急お伝えしたいことがありまして」といった内容ですが、頻繁にかかってくれば家族に不審がられます。最近では固定電話を持たない世帯も増えていますが、過去に契約した古いカード情報などで実家の番号が残っている場合は注意が必要です。

家族カード(ファミリーカード)の停止

本カード(親会員)の支払いが遅れて利用停止になると、紐づいている家族カードも同時に使えなくなります。家族が買い物やガソリンスタンドでカードを使おうとしてエラーが出た際、借金の滞納が発覚するパターンです。

この場合、カード会社から家族に対して直接の督促が行くわけではありませんが、生活への実害が出るため、間接的に「請求が来た」のと同じような混乱を招きます。利用停止のタイミングは、支払日の翌日から数日以内であることが多いため、延滞が決定的になった時点ですぐに家族カードの回収や言い訳を準備する必要があります。

家族への飛び火を確実に防ぐ事前対策

家族に支払い義務がないとしても、督促の連絡や郵便物が届くことで家庭内の平穏は崩れます。借金問題を家族に内緒にしたまま、あるいは迷惑をかけずに解決するためには、先手を打って連絡ルートを遮断する必要があります。

登録情報の変更と携帯電話の死守

まず大前提として、業者からの電話には必ず本人が出ることです。電話に出るのが怖い場合でも、留守電を確認してすぐに折り返すか、SMSで「何時頃なら話せる」と意思表示をするだけで、自宅や緊急連絡先への架電は防げます。

もし実家の固定電話などが登録されている場合は、会員ページやコールセンターを通じて登録電話番号を「自分の携帯電話のみ」に変更できるか確認してください。ただし、延滞中の場合は変更を受け付けてもらえないこともあるため、その場合は「携帯に必ず出る」という実績を作ることが唯一の防衛策になります。

受任通知による督促の法的停止

自力での返済が難しく、督促を止める自信がない場合は、弁護士や司法書士に債務整理を依頼し、「受任通知(介入通知)」を送ってもらう方法が最も確実です。受任通知が業者に届くと、貸金業法21条に基づき、本人および家族への直接の督促や連絡が一切禁止されます。

これにより、電話、郵便、自宅訪問がすべてストップします。弁護士が窓口となるため、家族に知られるリスクを最小限に抑えながら、返済計画の再編(任意整理など)を進めることが可能になります。特に「家族に絶対にバレたくない」という事情がある場合、督促が自宅に届く前に受任通知を送ることが時間との勝負になります。

自宅訪問や郵便物で家族にバレるリスク

電話連絡以外にも、物理的な接触によって家族に借金が露見するリスクがあります。ここでは、郵便物と自宅訪問について、どの程度の確率で発生するのか、どう対処すべきかを解説します。

接触手段 リスク発生の条件と対処法
郵便物(督促状)

条件:電話連絡が取れない、または延滞が長期化した場合。
特徴:初期は圧着ハガキ、中期以降は封書。差出人は社名の場合と個人名の場合がある。
対策:郵便局留めは不可。Web明細への切り替えや、家族より先にポストを確認する習慣が必要。受任通知を出せば発送自体が止まる。

自宅訪問

条件:電話も郵便も無視し続け、連絡が一切取れない場合。大手消費者金融では稀だが、中小業者や債権回収会社ではあり得る。
特徴:インターホン越しに本人確認を求める。不在なら訪問不在票を入れる。
対策:居留守を使っても何度も来る可能性がある。家族が出た場合、業者は用件を言えないため「個人的な要件で」と誤魔化すが、不審がられるのは必至。

電報

条件:緊急性が高いと判断された場合。主に信販会社や一部の消費者金融が利用。
特徴:「レンラクコウ」「至急連絡されたし」などの短い文面。
対策:家族が受け取る可能性が高く、言い訳が難しい。届く前に業者へ連絡を入れるしかない。

裁判所からの特別送達は隠せない

滞納が3ヶ月以上続き、業者が法的手段(支払督促や訴訟)に出た場合、裁判所から「特別送達」という特殊な郵便物が届きます。これは原則として手渡しであり、郵便受けには入りません。本人不在時は家族が受け取ることができます。

裁判所からの封筒は一目で「尋常ではない書類」と分かる外見をしており、家族が受け取れば中身を問いただされることは避けられません。また、これを受け取り拒否したり無視したりすると、欠席裁判で敗訴し、給与差し押さえ(会社バレ)や預金差し押さえに発展します。裁判所からの通知が届く段階になってしまうと、家族に隠し通すことはほぼ不可能となります。

家族が勝手に支払う「第三者弁済」の罠

家族に借金がバレた際、心配した親や配偶者が「私が代わりに払ってあげる」と申し出ることがあります。また、業者が家族に対して「ご主人の代わりに奥様が払っていただけませんか?」と誘導することもあります(これは厳密には違法スレスレの行為です)。

家族が本人の同意なく借金を返済することを「第三者弁済」と呼びますが、これには大きなリスクが伴います。一度でも家族が返済してしまうと、業者側は「この家は家族に言えば金が出る」と認識し、以後の取り立てが家族に向かう可能性があります。

また、家族が返済を続けることで、本来であれば「時効」で消滅していたはずの借金が復活してしまったり(時効の更新)、過払い金請求の権利関係が複雑になったりすることもあります。家族が支払いを申し出たとしても、まずは一旦冷静になり、専門家に相談してから判断するよう説得してください。

相続と離婚が借金に与える影響

最後に、人生の節目において借金と家族の関係がどう変化するかを確認します。特に離婚と相続は誤解が多いポイントです。

離婚すれば配偶者の借金とは無関係になるか?

離婚をすれば、法律上の夫婦関係は解消されるため、日常家事債務の連帯責任も将来に向かっては消滅します。しかし、婚姻期間中にできた借金についての責任が消えるわけではありません。また、連帯保証人になっている場合は、離婚をしても保証人の地位は継続します。

「離婚に伴う財産分与で借金も折半する」という誤解がありますが、借金(消極財産)は原則として分与の対象外であり、名義人本人が支払うのがルールです。ただし、住宅ローンのある家を財産分与する場合などは非常に複雑な処理が必要となります。

親の借金を相続したくない場合の「3ヶ月」

前述の通り、親が借金を残して亡くなった場合、相続人はその借金を背負うことになります。これを回避する唯一の方法が「相続放棄」ですが、期限は「相続開始を知った日から3ヶ月以内」です。

この期間内に家庭裁判所へ申し立てを行わないと、単純承認とみなされ、借金から逃れられなくなります。もし親に借金の可能性がある場合は、生前に信用情報を確認してもらうか、死後すぐに遺品整理で督促状や契約書がないかを徹底的に探す必要があります。3ヶ月を過ぎてから借金が発覚した場合でも、事情によっては相続放棄が認められるケースがありますが、その際は高度な法的判断が必要となります。

まとめ

借金の請求が家族に行く条件は、「連帯保証人になっている」「日常家事債務である」「相続した」の3点に限られます。それ以外のケースで家族に支払い義務が発生することはありません。しかし、法的な義務がなくても、緊急連絡先への電話や自宅への郵便物によって、事実上の連絡が行き、借金がバレるリスクは常に存在します。

家族への連絡を確実に遮断するには、自分自身の携帯電話で確実に応対するか、それが限界であれば専門家による受任通知で督促を強制的に止めることが最も有効です。時間が経てば経つほど、裁判所からの通知や自宅訪問など、隠しきれない事態へと悪化していきます。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、家族に内緒で手続きを進めるためのノウハウや、保証人付きの借金がある場合の対処法についての相談もできるので、今の状況に合った次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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