看護師が自己破産しても資格制限はない?仕事への影響と病院バレを防ぐ手順
看護師として働いていますが、借金が限界で自己破産を考えています。資格制限で仕事ができなくなる期間はどのくらいでしょうか?
病棟勤務の看護師です。ストレスからの散財や生活費の補填でカードローンが増え、返済額が手取りを超えてしまいました。自己破産しかないと考えていますが、看護師免許に傷がついたり、資格制限で働けない期間ができたりすると生活できません。
ネットで調べると「資格制限がある」と書かれているサイトもあり不安です。もし制限があるなら、その期間中はどのような仕事をすればいいのでしょうか。また、病院にバレずに手続きを済ませることは可能ですか?
看護師免許は自己破産の「資格制限」の対象外であり、手続き中も仕事を休む必要はありません。
借金問題と仕事への影響、ご不安なこととお察しします。まず結論から申し上げますと、看護師(および准看護師、保健師、助産師)は自己破産による資格制限(欠格事由)の対象にはなりません。そのため、免許が停止されたり剥奪されたりすることはなく、破産手続き中であってもこれまで通り看護師として勤務を続けることが可能です。
警備員や保険募集人など一部の資格では、破産手続き開始から免責決定までの数ヶ月間仕事ができなくなる「制限」がありますが、医療従事者の多くはこの制限に含まれていません。したがって、配置転換を願い出たり休職したりする必要はなく、今のシフトのまま働きながら生活再建を目指すことができます。
ただし、資格そのものに影響はなくとも、「病院独自の貸付制度を利用している場合」や「退職金見込額が大きい場合」など、勤務先に事実を知られてしまうリスクや手続き上の注意点は存在します。この記事では、看護師が自己破産をする際に知っておくべき仕事への影響と、職場にバレずに手続きを進めるための具体的な防衛策について詳しく解説します。
この記事でわかること
看護師は「資格制限」の対象外である理由と誤解の正体
多くの人が「自己破産をすると資格が使えなくなる」と誤解していますが、実際には職業ごとに扱いが異なります。看護師の皆様が安心して手続きを進めるために、まずは法律上の取り扱いを正確に把握しましょう。
医療従事者の多くは制限を受けない
自己破産における「資格制限(欠格事由)」とは、破産手続開始決定を受けてから免責許可決定が確定して「復権」するまでの間、特定の職業に就くことが法律で禁止される制度です。しかし、看護師、准看護師、医師、薬剤師、診療放射線技師などの医療従事者は、この資格制限の対象リストに含まれていません。
かつては一部の公務員などで制限がありましたが、法改正により現在は多くの職業で欠格事由が見直されています。保健師助産師看護師法においても、自己破産を理由に免許を取り消したり業務を停止したりする規定はありません。そのため、自己破産を申し立てた翌日も、開始決定が出た当日も、法的には何の問題もなく病棟で勤務し、医療行為を行うことができます。
なぜ「仕事ができなくなる」という誤解が広まるのか
ネット上などで不安な情報を見かける原因は、主に以下の2点です。
- 他資格との混同:警備員、生命保険募集人、宅地建物取引士、旅行業務取扱管理者などは実際に資格制限を受けます。これらの情報と混同されているケースがあります。
- 成年後見人の欠格事由:看護師であっても、親族の「成年後見人」になっている場合は、その地位を失います。これが「資格を失う」という言葉として一人歩きしている可能性があります。
看護師としての業務(点滴、投薬、診療補助など)には一切制限がかかりませんので、まずは「仕事がなくなる」という最悪の想像を捨てて、落ち着いて対策を考えましょう。
職場にバレる最大のリスク「病院関連の借金」と対処法
資格制限がないからといって、何も考えずに自己破産を申し立てると、思わぬところから病院に知られてしまう可能性があります。特に看護師特有の「病院に関連するお金」には細心の注意が必要です。
病院の「奨学金制度」を利用している場合
これが看護師の自己破産において最も危険なトラップです。多くの病院では、学生時代に奨学金を貸与し、一定期間(お礼奉公期間)勤務することで返済を免除する制度があります。
自己破産は「全ての債務」を対象にする必要があるため、もし現在「お礼奉公期間中」であり、書類上「奨学金という借金」が残っている状態であれば、この奨学金も破産の対象に含めなければなりません。
破産の対象に含めると、裁判所から債権者である病院へ「受任通知」や「開始決定通知」が届きます。これにより、病院の事務方や看護部長に自己破産の事実が確実に知れ渡ります。さらに、奨学金には連帯保証人(親など)がついていることが多く、本人が破産すると保証人に一括請求がいき、家族にも迷惑がかかります。
労働組合や共済からの借入
規模の大きな総合病院や大学病院では、職員向けの共済組合や労働組合が貸付を行っている場合があります。給与天引きで返済しているケースが多いですが、これも「借金」ですので、自己破産の対象になります。
弁護士や司法書士が受任通知を送ると、組合への返済もストップさせる必要があり、給与天引きを停止する手続きの中で経理担当者に事情がバレてしまいます。
給与振込口座と同じ銀行のカードローン
普段給与が振り込まれている銀行のカードローンを利用しており、それを自己破産の対象にする場合、その銀行口座は一時的に「凍結」されます。凍結されると、病院からの給与振込ができなくなり、経理担当者から「振込エラーが出たのですが」と問い合わせが来ることになります。
これを防ぐためには、弁護士に依頼する直前に「給与振込口座を、借金のない別の銀行へ変更する」手続きを済ませておく必要があります。
退職金見込額が破産手続きに与える影響
看護師として長年勤務している場合、「退職金」が自己破産手続きのハードルになることがあります。自己破産では、持っている財産を処分してお金に換え、債権者に配る手続きが行われますが、退職金も「将来受け取る財産」として計算に含まれるからです。
退職金の8分の1が20万円を超えるかどうか
現時点で退職したと仮定した場合の退職金見込額の「8分の1」が、財産として評価されます。この評価額が20万円を超える場合(つまり退職金見込額が160万円を超える場合)、原則として「管財事件」という複雑な手続きになります。
| 同時廃止 | 財産がほとんどない場合の手続き。費用が安く、期間も短い。 |
|---|---|
| 管財事件 | 財産がある場合の手続き。破産管財人が選任され、費用(予納金)として最低20万円以上が追加で必要になる。 |
勤続年数が長い看護師の場合、退職金見込額が数百万になることは珍しくありません。管財事件になっても仕事を辞める必要はありませんが、評価額(退職金の8分の1)に相当する現金を、裁判所に積み立てて納める必要が出てきます。
例えば退職金見込額が400万円なら、その8分の1である50万円を、毎月の給料から分割などで積み立てて支払わなければなりません。
退職金見込額証明書の取得リスク
裁判所に申告するために「退職金見込額証明書」が必要になります。これを病院の総務や人事へ申請する際、「なぜ今、退職金の額を知りたいのか?」「辞めるつもりなのか?」と怪しまれる可能性があります。
バレずに入手する方法としては、就業規則(退職金規定)のコピーを入手し、自分で計算式に基づいて算出した計算書を提出することで代用できる場合があります。まずは専門家に、証明書の取得が必須かどうか相談してください。
自己破産以外の解決策を検討すべきケース
資格制限はないものの、「病院への借金がある」「退職金を守りたい」「家族にバレたくない」といった事情がある場合は、自己破産以外の選択肢(任意整理や個人再生)を検討すべきかもしれません。
奨学金や共済貸付を外したいなら「任意整理」
任意整理は、整理する借金を選ぶことができます。「消費者金融とカードローンだけを整理し、病院の奨学金や共済貸付はそのまま払い続ける」という選択が可能です。
これなら病院に通知が行くことはなく、連帯保証人に迷惑をかけることもありません。ただし、元金を大幅に減らすことはできないため、利息カットだけで返済可能な収入があるかがカギになります。夜勤を増やして収入を確保できるなら、現実的な選択肢となります。
家や車を残したいなら「個人再生」
借金総額が大きく、任意整理では返しきれないが、自己破産は避けたい(退職金の積立が難しい、持ち家があるなど)場合は、借金を5分の1程度に圧縮する「個人再生」が有効です。
個人再生も全ての債権者が対象となるため、病院の奨学金がある場合は外せませんが、財産処分のルールが自己破産とは異なるため、資産を守りながら大幅な減額を目指せます。
相談日までに準備すべき情報とシフト調整
忙しい看護業務の合間を縫って相談に行くのは大変かと思います。無料相談を効率よく進め、即日で方針を決めるために、以下の情報を事前に整理しておきましょう。
チェックリスト:これだけは確認してから相談へ
- 病院関係の借入の有無:奨学金(お礼奉公中か)、共済貸付、労働組合費の滞納などがないか。契約書があればベストです。
- 退職金規定:就業規則の退職金のページをスマホで撮影しておくか、コピーをとっておく。
- 直近の給与明細(3ヶ月分):基本給だけでなく、夜勤手当や残業代を含めた総支給額と手取り額。
- シフト表:裁判所への出頭が必要になる場合に備え、休みの傾向や希望休が出せるタイミングを把握しておく。
- 家計の収支:不規則な勤務で食費や交際費が変動しやすい場合、平均的な支出をメモしておく。
弁護士との連絡手段を確保する
病棟勤務中はスマホを見ることができず、夜勤明けは寝ているため、日中の電話に出られないことが多いはずです。弁護士には「連絡は基本的にメールかLINEでお願いしたい」「電話可能な時間帯は◯曜日の◯時〜◯時」と最初に伝えておきましょう。
これを伝えておかないと、緊急の確認事項で電話がかかってきても対応できず、手続きが遅れる原因になります。
よくある質問:就業規則や解雇について
最後に、看護師の方が自己破産を検討する際によくある疑問について、Q&A形式で解説します。
Q. 病院の就業規則に「破産者は解雇」と書いてあったら?
古い就業規則を使用している病院では、解雇事由(または懲戒事由)として「破産宣告を受けた者」という条項が残っている場合があります。しかし、自己破産を理由とした解雇は、労働法上「不当解雇」として無効になる可能性が極めて高いです。
とはいえ、それを盾に病院と争うのは精神的にも負担がかかります。トラブルを避けるためにも、やはり「病院にバレずに手続きする」ことが第一優先となります。
Q. 官報に名前が載ると、患者さんや同僚に見られませんか?
自己破産をすると、国が発行する機関紙「官報」に住所と氏名が掲載されます。しかし、一般の看護師や医師が日常的に官報をチェックすることはまずありません。
見られる可能性があるとすれば、あなたが「闇金」に関わってしまい、業者が嫌がらせで職場にFAXを送りつけるようなケースですが、通常の金融機関からの借入であれば、官報を通じて同僚にバレる確率は極めて低いです。
Q. 転職活動への影響はありますか?
自己破産後に別の病院へ転職する場合、履歴書に賞罰欄があっても、自己破産の事実を書く必要はありません。また、病院側が採用時に信用情報(ブラックリスト)を確認することもできません。
ただし、破産手続き中に「官報」に載った情報をデータベース化している一部の身辺調査会社等を利用する企業が稀にありますが、一般的な医療機関の採用選考でそこまで調査されることはほとんどないでしょう。
まとめ
看護師は自己破産をしても資格制限を受けず、仕事を続けることができます。しかし、病院の奨学金や退職金の取り扱いなど、一般の会社員とは違う注意点が多く存在します。
最も避けるべきは、一人で悩んで判断を遅らせ、給料の差し押さえなどで病院に迷惑をかけて居場所を失うことです。資格制限がないことをプラスに捉え、今の職場環境を守りながら借金を解決する方法を探しましょう。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。


