借金総額が年収の何割を超えたら危険水準?手取りと返済額から自力完済の限界を計算する判断手順

借金の総額が増えてきて不安です。年収に対していくらからが「やばい」ラインなのでしょうか?

リボ払いやキャッシングの残高が積み上がり、毎月の返済が厳しくなってきました。ネットで調べると「借金は年収の3分の1まで」という言葉を見かけますが、自分の場合もそれに当てはまるのか分かりません。

まだ延滞はしていませんが、給料のほとんどが返済に消えていく状態で、このまま返し続けられるのか不安です。客観的に見て今の状況がどれくらい危険なのか、もう自力での完済は無理なのか、判断する基準を知りたいです。

手取り月収に対する返済比率が30%を超えているなら、金額に関わらず危険水準と言えます。

借金の総額だけでなく、毎月の生活を圧迫している度合いで判断することが重要です。一般的に「年収の3分の1」は貸金業法の基準ですが、生活実感としての限界ラインはもっと手前にあります。

具体的には、毎月の返済額が手取り月収の25%を超えると生活費が不足し始め、30%を超えると新たな借入なしでは回らなくなる傾向にあります。まずはご自身の手取りと返済額を正確に照らし合わせ、数字で現状を把握しましょう。

この記事では、借金総額と年収のバランスから見る危険度判定と、自力完済が可能かどうかの計算手順について解説します。

この記事でわかること

年収の3分の1(総量規制)と実質的な破綻ラインの違い

借金の危険度を測る際によく引用される「年収の3分の1」という基準は、貸金業法における「総量規制」に基づいています。これは、消費者金融などの貸金業者が個人にお金を貸す際、原則として年収の3分の1を超えて貸し付けてはならないという法律上の制限です。

しかし、この基準はあくまで「借りられる上限」であり、「無理なく返せる上限」ではありません。年収の3分の1まで借りてしまった状態は、すでに家計が火の車である可能性が高いのです。まずは、法律上の基準と生活上の限界ラインの違いを理解しましょう。

総量規制の対象となる借入と対象外の借入

ご自身の借金総額を計算する際、総量規制の対象になるものとならないものを区別する必要があります。銀行カードローンや住宅ローン、自動車ローンは総量規制の対象外であるため、これらを含めると「借金総額」は年収の3分の1を軽く超えているケースも珍しくありません。

以下の表で、ご自身の借入内容を整理してみてください。

総量規制の対象
(年収の1/3まで)
  • 消費者金融からの借入(アコム、プロミスなど)
  • クレジットカードのキャッシング枠
  • 信販会社のローン
総量規制の対象外
(制限に含まれない)
  • 銀行カードローン
  • クレジットカードのショッピング枠(リボ払い含む)
  • 住宅ローン、自動車ローン
  • 奨学金

特に注意が必要なのはクレジットカードのショッピングリボです。これは割賦販売法に基づくもので総量規制の計算には含まれませんが、実質的な借金であることに変わりはありません。総量規制の枠内だからといって安全だとは限らない最大の理由がここにあります。

年収400万円の場合の「やばい」ライン

例えば年収400万円の人の場合、総量規制上の上限は約133万円です。しかし、手取り年収は約320万円(ボーナス込み)、月々の手取りは約20〜23万円程度になることが一般的です。

もし133万円の借入があり、金利15%で返済していると仮定すると、利息だけで年間約20万円発生します。元金を減らすために月々4万円返済したとしても、完済までには3年以上かかります。家賃や生活費を払いながら、毎月4万円を捻出し続けることができるでしょうか。もし家賃が7万円、生活費が10万円かかるとすれば、残りは数万円しかありません。冠婚葬祭や急な医療費が発生すれば、すぐに返済が滞る計算になります。

つまり、「年収の3分の1まで借りていないから大丈夫」と安心するのは危険です。法律上の上限に達するずっと前に、生活上の破綻ラインは訪れていると認識してください。

手取り月収と返済比率で見る危険度チェック手順

借金が「やばい」かどうかを判断する最も確実な方法は、額面年収ではなく「手取り月収」に対する「月々の返済額」の比率(返済比率)を計算することです。ボーナス払いは不確実な要素が強いため除外し、毎月の給料だけで計算します。

返済比率の計算式

ご自身の給与明細と、各カード会社への支払い明細(または引き落とし履歴)を用意し、以下の計算式に当てはめてください。

  • 毎月の返済総額 ÷ 手取り月収 × 100 = 返済比率(%)

例えば、手取り20万円で毎月の返済が5万円の場合、50,000 ÷ 200,000 × 100 = 25% となります。

返済比率による危険度判定表

計算したパーセンテージを以下の表に当てはめ、ご自身の状況がどの段階にあるかを確認してください。

返済比率 状況と危険度
15%〜20%未満 注意レベル
生活費を切り詰めれば返済可能ですが、貯金をする余裕はなくなりつつあります。急な出費で借入が増えるリスクがあります。
20%〜30%未満 黄色信号(危険)
生活がかなり圧迫されています。食費や交際費を極限まで削る必要があり、精神的な余裕も失われます。「今月だけ借りて凌ぐ」という行動が出始めるラインです。
30%以上 赤信号(破綻寸前)
自力での完済が極めて困難な水準です。新たな借入で返済を埋め合わせる「自転車操業」に陥っている可能性が高く、いつ破綻してもおかしくありません。早急な対処が必要です。

住宅ローンや家賃を除いた状態で、カードローンやリボ払いの返済だけで30%を超えている場合は、すでに家計が破綻していると判断すべきです。これ以上、無理に返済を続けても元金は減らず、問題の先送りにしかなりません。

利息負担率から見る「終わらない返済」の判別方法

返済比率と合わせて確認しなければならないのが、「毎月の返済額のうち、いくらが元金充当で、いくらが利息なのか」という内訳です。特にリボ払いの場合、毎月しっかり返済しているつもりでも、そのほとんどが利息手数料に消えていることがあります。

明細書で見るべきポイント

クレジットカードや消費者金融の利用明細書(Web明細)を開き、以下の項目を確認してください。

  • 今回お支払い額(A)
  • うち元金充当額(B)
  • うち手数料・利息(C)

もし「今回お支払い額」の半分近く、あるいはそれ以上が「手数料・利息」になっている場合、その返済方法は非常に効率が悪く、危険な状態です。例えば、毎月1万円返済しているのに、利息が4,000円取られていれば、元金は6,000円しか減りません。

リボ払いの「残高スライド方式」の罠

多くのリボ払いでは、借入残高に応じて毎月の返済額が一定に保たれる「残高スライド方式」が採用されています。これは月々の負担が一定で楽に見えますが、借入が増えても返済額が変わらないため、完済までの期間が自動的に延び続ける仕組みになっています。

「毎月の支払いは苦しくないから大丈夫」と思っていても、借金総額が減っていない(むしろ増えている)のであれば、それは「やばい」状態です。完済時期が見えないまま支払いだけが続く、いわゆる「リボ地獄」の入り口に立っています。

3年以内に完済できるか?現実的なシミュレーション手順

債務整理の現場では、一般的に「3年(36回払い)で完済できるか」が一つの判断基準となります。長くても5年(60回払い)が限度とされています。それ以上の期間がかかる場合、将来のライフイベント(結婚、出産、病気、老後)のリスクに耐えられなくなるためです。

自力完済シミュレーション

ご自身の借金総額を「36」で割ってみてください。その金額に、利息分(概算で借入残高の1.2%程度)を足した額が、3年完済に必要な月々の返済額です。

簡易計算式(金利15%想定):
借金総額 × 0.035 ≒ 3年完済に必要な月額

  • 借金100万円の場合:約35,000円/月
  • 借金200万円の場合:約70,000円/月
  • 借金300万円の場合:約105,000円/月

この金額を、現在の生活費を削って毎月払い続けることができますか?もし「今の月々の返済額(ミニマムペイメント)」がこの計算結果より大幅に少ない場合、今のペースでは完済までに5年、10年とかかることになります。

もし3年完済に必要な金額を捻出できないのであれば、将来の時間を借金の利息支払いに奪われ続けることになります。これは経済的な合理性を欠いた「やばい」状態と言えるでしょう。

金額以外の「やばい」サインと自転車操業の恐怖

ここまで数字による判断基準を見てきましたが、生活の中での行動や心理状態にも危険信号は現れます。以下のような兆候がある場合、借金総額や年収の比率に関わらず、すでに限界を迎えている可能性が高いです。

自転車操業の始まり

最も危険なサインは、「返済日にお金が足りず、他社から借りて(またはキャッシングして)返済に充てた」瞬間です。これを一度でもやってしまうと、借金総額は雪だるま式に増え始めます。

  • A社の返済のためにB社から借りる
  • 生活費が足りないのでクレジットカードで買い物をして現金を残す
  • 給料日直後に一度全額引き出し、すぐに返済用口座へ入金して回している

これらは典型的な自転車操業の状態です。この状態になると、自分の借金総額がいくらなのか正確に把握できなくなり、「今月の支払い日を乗り切ること」だけが目的化してしまいます。

精神的な追い詰められサイン

借金のストレスが日常生活に影響を及ぼし始めたら、それもまた「やばい」サインです。

通知への恐怖 スマホが鳴るとドキッとする、ポストを開けるのが怖い、知らない番号からの電話に出られない。
思考の停止 利用明細を見たくない、借金総額を計算するのが怖い、なんとかなると根拠なく思い込もうとする。
生活の質の低下 友人の誘いを断るようになった、欲しいものを我慢しすぎてストレスが溜まる、仕事中も返済のことばかり考えてしまう。

こうした状態が続くと、正常な判断力が奪われていきます。闇金や給料ファクタリング、クレジットカード現金化といったさらに危険な手段に手を出してしまう前に、根本的な解決に動く必要があります。

自力完済が難しいと分かった当日に検討すべき選択肢

計算やチェックの結果、「今のままでは完済できない」「すでに限界を超えている」と分かった場合、どのような選択肢があるのでしょうか。大きく分けて「借り換え・おまとめローン」と「債務整理」の2つの道があります。

おまとめローン(借り換え)の検討

複数の借入を1社にまとめ、金利を下げて毎月の返済額を減らす方法です。成功すれば、信用情報に傷をつけずに完済を目指せます。

ただし、以下の条件を満たしていないと審査に通るのは厳しいのが現実です。

  • 年収の3分の1を超える借入がない(銀行系なら超えても可能性はあるが審査は厳しい)
  • 過去に延滞や滞納がない
  • 安定した収入があり、勤続年数が長い
  • 借入件数が多すぎない(4社以上あると厳しい傾向)

「すでに返済が苦しい」状態の人は、おまとめローンの審査にも落ちる可能性が高いです。審査に落ちるとその記録が信用情報に残り、状況がさらに悪化することもあります。

債務整理(任意整理など)の検討

法的手続きによって借金を減額したり、支払いを猶予させたりする方法です。特に「任意整理」は、将来の利息をカットし、元金のみを3〜5年で分割返済する和解を結ぶ手続きで、家族や会社に知られずに進めることも可能です。

メリットとしては、利息がなくなることで「返せば確実に減る」状態を作れる点、専門家に依頼した時点で督促や支払いが一時的に止まる点が挙げられます。デメリットは信用情報機関に事故情報が登録され(ブラックリスト)、一定期間新たな借入やクレジットカード作成ができなくなることです。

しかし、すでに自転車操業になっている場合、いずれ破綻してブラックリスト入りするのは時間の問題です。傷を最小限に抑え、生活を再建するために、早めに債務整理を決断する方が結果的に賢明なケースが多いです。

まとめ

借金が「やばい」かどうかは、年収だけでなく、手取りに対する返済比率(30%超は危険)や、3年で完済できるかどうかのシミュレーションで判断できます。もし自力での完済が非現実的だと分かったなら、無理に自転車操業を続けるのではなく、専門家の力を借りて軌道修正することを強くおすすめします。

借金問題は時間が経てば経つほど、利息や遅延損害金で状況が悪化し、選べる解決策が減っていきます。まだ深刻な滞納がない段階であれば、任意整理などの比較的デメリットの少ない方法で解決できる可能性が高いです。

債務整理に強いおすすめ事務所ランキングの事務所では、借金の減額診断や今後の返済計画についての相談もできるので、ご自身の状況に合った次の一歩を検討してみてください。

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日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士 計良宏之

日本リーガル司法書士事務所

監修者:代表司法書士 計良 宏之

東京都荒川区東日暮里5-17-7 秋山ビル1階

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

借金問題・債務整理に関する情報を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。状況により最適な対応は変わるため、不安が強い場合は早めに専門家へ相談してください。

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