根保証(ねほしょう)について詳しく解説

根保証とは、特定の継続的な取引から発生する不特定の債務を保証する契約のことです。一般的な保証との違いは、発生する債務が契約時点では金額も発生時期も特定されていない点にあります。

例えば、住宅ローンやカードローンなどの借入の際に、保証人となる場合に締結される契約です。債務者と債権者の間の継続的な取引関係から生じる将来の債務を包括的に保証します。

根保証の基本的な仕組み

根保証は「根」と「保証」という言葉からなっています。「根」は「根っこ」を意味し、保証の対象となる債務の根本・基礎を指します。

通常の保証は特定の債務(金額や発生日時が明確な債務)に対する保証ですが、根保証は特定の原因(取引関係など)から将来発生するすべての債務を保証します。

根保証の対象例
  • 住宅ローン
  • カードローン
  • 事業融資
  • 取引先との継続的な売買契約
根保証の特徴
  • 契約時点では債務額が未確定
  • 将来発生する債務を包括的に保証
  • 極度額の設定が必要
  • 元本確定期日の設定が必要(個人保証の場合)

この表は根保証の対象となる典型的な契約と、根保証契約の主な特徴を示しています。根保証は将来の不確定な債務を保証するため、保証人にとってリスクが大きい契約形態です。

根保証契約の種類

根保証契約は主に以下の3種類に分類されます。それぞれ保証の対象となる債務の範囲が異なります。

  • 取引債務根保証:特定の取引から生じる債務を保証
  • 特定債務根保証:特定の種類の債務を保証
  • 包括根保証:債権者と債務者の間のすべての債務を保証

上記のリストは根保証の主な種類を示しています。包括根保証は保証の範囲が最も広く、リスクも大きいため、2005年の民法改正以降、個人を保証人とする場合には制限されています。

根保証の限度額(極度額)

2005年4月の民法改正により、個人を保証人とする根保証契約には「極度額」の設定が義務付けられました。極度額とは、保証人が責任を負う最高限度額のことです。

極度額を定めない根保証契約は無効となります。これは保証人保護の観点から導入された制度で、予測できない過大な責任から個人保証人を守るためのものです。

極度額の特徴
  • 契約書に明記する必要がある
  • 利息や遅延損害金も含めた上限額
  • 後から変更することは可能(書面による合意が必要)
極度額がない場合
  • 2005年4月以降の個人を保証人とする根保証契約は無効
  • それ以前の契約は有効(極度額の定めがなくても有効)

この表は根保証契約における極度額の特徴と、極度額の定めがない場合の契約の効力について示しています。債務整理を検討する際には、根保証契約の極度額を確認することが重要です。

根保証の期間制限

個人を保証人とする根保証契約には、元本確定期日の定めが必要です。元本確定期日とは、保証債務の元本が確定する期日のことで、この日以降に発生する債務については保証の対象外となります。

元本確定期日は契約日から5年以内に設定する必要があり、これを超える期間を設定した場合は、自動的に契約日から5年後が元本確定期日となります。

  1. 元本確定期日の設定:契約時に書面で明記
  2. 期間の上限:契約日から5年以内
  3. 更新の可能性:合意により更新可能(更新時から5年以内)
  4. 元本確定事由:保証人の死亡、破産手続開始などが発生した場合は自動的に元本が確定

このリストは根保証契約における期間制限の主なポイントを示しています。期間制限は保証人の責任を時間的に限定するための重要な制度です。

根保証と債務整理の関係

債務整理において、根保証は重要な考慮事項となります。特に、債務者が債務整理をする場合、保証人への影響が生じる可能性があります。

また、保証人自身が債務整理をする場合にも、根保証債務は整理の対象となります。保証人が自己破産した場合、根保証債務も免責の対象となりますが、主債務者への請求は継続されます。

債務者が債務整理した場合
  • 自己破産:債権者は保証人に全額請求可能
  • 個人再生:再生計画で減額された部分も保証人には請求可能
  • 任意整理:減額・免除された部分も保証人には請求可能
保証人が債務整理した場合
  • 自己破産:保証債務も免責対象に
  • 個人再生:保証債務も再生計画に含める
  • 任意整理:保証債務も交渉対象に

この表は債務整理と根保証の関係について示しています。債務整理を検討する際には、根保証契約の有無や内容を確認し、保証人への影響も考慮することが重要です。

根保証人になる際の注意点

根保証人になることは大きなリスクを伴います。将来発生する債務を保証するため、予測不能な責任を負う可能性があります。

特に、家族や友人からの頼みで安易に保証人になると、後に大きな問題が生じる可能性があるため、十分な検討が必要です。

  • 契約内容をしっかり確認(極度額、元本確定期日など)
  • 債務者の返済能力や信用状況を把握
  • 自分が支払うことになった場合の影響を想定
  • 法的な相談を専門家に行う
  • 可能であれば、物的担保の提供など別の方法を検討

このリストは根保証人になる際の主な注意点を示しています。根保証は保証人にとって大きなリスクを伴うため、十分な理解と慎重な判断が必要です。

まとめ

根保証とは、特定の継続的な取引関係から生じる将来の不特定の債務を保証する契約です。一般的な保証と異なり、契約時点では金額も発生時期も特定されていない債務を包括的に保証します。

2005年の民法改正により、個人を保証人とする根保証契約には極度額の設定と元本確定期日の定めが義務付けられました。これは予測できない過大な責任から個人保証人を守るための制度です。

債務整理において根保証は重要な考慮事項となります。債務者が債務整理をする場合、保証人への影響が生じる可能性があります。また、保証人自身が債務整理をする場合にも、根保証債務は整理の対象となります。

根保証人になることは大きなリスクを伴うため、契約内容をしっかり確認し、債務者の返済能力や信用状況を把握することが重要です。もし債務整理や根保証について不安や疑問がある場合は、専門家への相談をおすすめします。

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