免責審尋(めんせきしんじん)について詳しく解説

免責審尋とは、自己破産手続きにおいて、裁判所が債務者に対して行う面接調査のことです。裁判官が債務者本人と直接対面し、破産に至った経緯や生活状況、債務の状況などについて質問を行い、免責を与えるべきかどうかを判断するための重要な手続きです。

この審尋では、免責不許可事由(免責が認められない理由)に該当する事実がないかを確認します。裁判官は債務者の態度や回答内容から、誠実に破産手続きに臨んでいるかどうかを判断し、最終的な免責決定を下す材料とします。

免責審尋の基本

免責審尋は自己破産手続きの中でも特に重要な手続きです。その基本的な意義と特徴を見ていきましょう。

免責審尋の意義
  • 裁判所が債務者に免責を与えるべきかどうかを判断するための面接調査
  • 破産法上の「審尋」という手続きの一つ
  • 裁判官が債務者本人から直接話を聞く重要な機会
  • 免責不許可事由の有無を確認する場
  • 債務者の誠実さを判断する機会

上記の表は免責審尋の基本的な意義をまとめたものです。免責審尋は単なる形式的な手続きではなく、裁判官が債務者の人物像や破産に至った経緯を直接確認する重要な機会です。

免責審尋の特徴

免責審尋には、通常の裁判とは異なる特徴があります。その主な特徴を見ていきましょう。

  • 非公開:一般に公開されず、債務者、代理人、裁判官、裁判所書記官などが参加
  • 簡易な手続き:通常の裁判のような厳格な手続きではなく、比較的簡易な形式で行われる
  • 直接対話形式:裁判官が債務者に直接質問し、債務者が回答する形式
  • 短時間:通常15分〜30分程度で終了することが多い
  • 代理人同席:弁護士や司法書士などの代理人が同席することが可能

このリストは免責審尋の主な特徴を示しています。審尋は法廷ではなく裁判官室や小さな審尋室で行われることが多く、比較的リラックスした雰囲気で進行しますが、裁判官による重要な審査であることには変わりありません。

免責審尋の流れと時期

免責審尋はいつ、どのような流れで行われるのでしょうか。自己破産の種類(同時廃止事件管財事件か)によって流れや時期が異なります。

同時廃止事件の場合
  • 破産手続開始決定から約1〜2ヶ月後に免責審尋が行われることが多い
  • 免責審尋の日時は裁判所から通知される
  • 審尋は通常、裁判官室や小さな審尋室で行われる
  • 審尋の後、約1〜2ヶ月で免責許可の決定が出ることが多い
管財事件の場合
  • 破産管財人による調査や債権者集会などが終了した後に免責審尋が行われる
  • 破産手続開始決定から数ヶ月〜半年程度経過してから行われることが多い
  • 破産管財人からの調査報告を踏まえて審尋が行われる
  • 審尋の後、管財手続きの終了を待って免責許可の決定が出る

この表は同時廃止事件と管財事件における免責審尋の時期と流れの違いを示しています。同時廃止事件の方が手続きがシンプルで期間も短いですが、いずれの場合も免責審尋は重要な手続きです。

免責審尋当日の流れ

免責審尋当日はどのような流れで進行するのでしょうか。一般的な流れを見ていきましょう。

  1. 裁判所に指定時間の15〜30分前に到着
  2. 受付で氏名と用件を伝え、待合室で待機
  3. 名前が呼ばれたら、指定された部屋(裁判官室や審尋室)に入室
  4. 裁判官の前で起立し、礼をして着席
  5. 本人確認(氏名、住所、生年月日など)
  6. 宣誓(嘘をつかないことを誓う)
  7. 裁判官からの質問に回答
  8. 最後に債務者から伝えたいことがあれば伝える機会
  9. 終了の挨拶、退室

このリストは免責審尋当日の一般的な流れを示しています。審尋は通常15分〜30分程度で終了しますが、複雑なケースではそれ以上かかることもあります。事前に代理人と打ち合わせをしておくと安心です。

免責審尋での主な質問内容

免責審尋では、裁判官からどのような質問が行われるのでしょうか。主な質問内容を見ていきましょう。

債務に関する質問
  • どのような理由で借入れをしたのか
  • 借入金は何に使ったのか
  • なぜ返済できなくなったのか
  • 債権者名簿に記載されている債務以外に借金はないか
  • 親族や知人からの借入れはあるか
財産に関する質問
  • 財産目録に記載されている以外の財産はないか
  • 最近、財産を処分したことはないか
  • 親族や知人に財産を譲渡したことはないか
  • 生命保険や損害保険に加入しているか
  • 相続の予定や権利はないか
収入と生活に関する質問
  • 現在の職業と収入はいくらか
  • 家族構成と家計の状況はどうか
  • 今後の生活をどのように立て直す予定か
  • 免責後の返済計画(免責されない債務がある場合)
免責不許可事由に関する質問
  • ギャンブルや投機的取引をしていないか
  • 浪費していなかったか
  • 虚偽の申告をして借入れをしていないか
  • 特定の債権者だけに返済していないか
  • 過去に免責を受けたことがないか

この表は免責審尋での主な質問内容を示しています。裁判官は債務者の回答だけでなく、態度や表情からも誠実さを判断します。嘘をつかず、正直に答えることが重要です。

裁判所によって異なる質問内容

免責審尋での質問内容は、裁判所や裁判官によって異なる場合があります。また、債務者の状況や申立書の内容によっても質問が変わってきます。

  • 詳細な質問をする裁判所と簡単な質問だけで終わる裁判所がある
  • 申立書の内容に不審な点があると、その点について重点的に質問される
  • 過去に債務整理の経験がある場合は、その経緯について詳しく質問される
  • 免責不許可事由に該当する可能性がある場合は、その点について詳しく質問される
  • 同じ裁判所でも担当裁判官によって質問スタイルが異なる

このリストは裁判所によって質問内容が異なる点を示しています。事前に代理人から、担当する裁判所や裁判官の傾向について情報を得ておくと安心です。

免責審尋での注意点

免責審尋に臨む際の注意点について見ていきましょう。審尋での対応が免責決定に影響する可能性がありますので、しっかりと準備することが大切です。

事前準備
  • 代理人と事前に十分な打ち合わせをする
  • 破産に至った経緯を簡潔に説明できるようにしておく
  • 予想される質問とその回答を準備しておく
  • 書類を再確認し、内容を把握しておく
  • 必要書類(身分証明書、呼出状など)を忘れずに持参する
態度と服装
  • 礼儀正しく誠実な態度で臨む
  • 清潔で控えめな服装を心がける(スーツである必要はない)
  • 裁判官の質問はしっかり聞き、わからない場合は聞き返す
  • 大きな声でハッキリと回答する
  • 嘘をつかない、言い訳をしない
回答の仕方
  • 質問に対して簡潔に答える(長々と説明しない)
  • 事実に基づいて正直に答える
  • わからないことは「わかりません」と正直に答える
  • 推測や憶測で答えない
  • 反省の意を示す(特に浪費やギャンブルが原因の場合)

この表は免責審尋に臨む際の主な注意点を示しています。審尋は裁判官に自分の状況を理解してもらい、誠実さを伝える重要な機会です。リラックスしつつも、真摯な態度で臨むことが大切です。

避けるべき言動

免責審尋で避けるべき言動についても理解しておきましょう。これらの言動は裁判官に悪い印象を与え、免責決定に悪影響を及ぼす可能性があります。

  1. 嘘をつく:虚偽の説明は免責不許可事由となる可能性がある
  2. 態度が横柄:威圧的な態度や不誠実な態度は悪印象を与える
  3. 質問をはぐらかす:質問に対して明確に答えないと不誠実と判断される
  4. 責任転嫁:他人や社会のせいにすると反省していないと判断される
  5. 過度な自己弁護:言い訳が多いと反省が足りないと判断される
  6. 矛盾した説明:申立書の内容と矛盾した説明をすると信頼性が低下する
  7. 裁判官の言葉を遮る:裁判官の話を最後まで聞かずに発言すると失礼にあたる

このリストは免責審尋で避けるべき言動を示しています。自己破産は経済的に失敗したことを認め、新たに出直すための制度です。反省と更生の意思を示すことが重要です。

免責審尋後の流れ

免責審尋が終わった後、どのような流れで手続きが進むのでしょうか。審尋後の流れと免責決定までの期間を見ていきましょう。

同時廃止事件の場合
  • 審尋後、裁判所が免責許可の判断を行う
  • 特に問題がなければ、審尋から約1〜2ヶ月後に免責許可決定が出る
  • 債権者から異議がなければ、さらに2週間後に免責決定が確定する
  • 確定後、裁判所から免責決定確定証明書が発行される
管財事件の場合
  • 審尋後も破産管財人による財産調査や換価が続く場合がある
  • 管財手続きの終了を待って免責許可決定が出る
  • 管財手続きの複雑さによっては、審尋から決定まで数ヶ月かかることもある
  • 債権者から異議がなければ、決定から2週間後に確定する

この表は免責審尋後の流れを示しています。審尋で特に問題がなければ、多くの場合は免責が許可されますが、免責不許可事由が認められた場合は免責が不許可となることもあります。

免責不許可となった場合の対応

万が一、免責が不許可となった場合、どのような対応ができるのでしょうか。主な選択肢を見ていきましょう。

  • 即時抗告:免責不許可決定に不服がある場合、2週間以内に高等裁判所に即時抗告できる
  • 免責不許可事由を解消して再申立て:不許可の理由を解消した上で、再度申立てを行う
  • 時間経過による再申立て:7年経過後に再度申立てを行う
  • 個人再生への切替え:要件を満たせば個人再生手続きに移行する
  • 任意整理への切替え:債権者と個別に交渉して債務整理を行う

このリストは免責不許可となった場合の主な対応策を示しています。免責不許可となると債務からの解放が難しくなりますので、免責審尋では誠実に対応することが重要です。

まとめ

免責審尋とは、自己破産手続きにおいて、裁判所が債務者に対して行う面接調査のことです。裁判官が債務者本人と直接対面し、破産に至った経緯や生活状況、債務の状況などについて質問を行い、免責を与えるべきかどうかを判断するための重要な手続きです。

免責審尋は同時廃止事件では破産手続開始決定から約1〜2ヶ月後、管財事件では破産管財人による調査などが終了した後に行われます。審尋では債務に関する質問、財産に関する質問、収入と生活に関する質問、免責不許可事由に関する質問などが行われます。

審尋に臨む際は、事前に代理人と十分な打ち合わせをし、礼儀正しく誠実な態度で臨むことが大切です。質問に対しては簡潔かつ正直に答え、嘘をついたり責任転嫁したりすることは避けるべきです。これらの対応が免責決定に影響する可能性があります。

審尋後、特に問題がなければ同時廃止事件では約1〜2ヶ月後、管財事件では管財手続きの終了を待って免責許可決定が出ます。債権者から異議がなければ、さらに2週間後に決定が確定します。万が一、免責が不許可となった場合は、即時抗告や再申立てなどの対応を検討することになります。

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