極度方式基本契約(きょくどほうしききほんけいやく)について詳しく解説

極度方式基本契約とは、あらかじめ設定された利用限度額(極度額)の範囲内で、繰り返し借入れや返済ができる契約形態のことです。

カードローンやクレジットカードのキャッシング、事業者向けの当座貸越などで広く採用されています。この契約では、基本契約を一度締結するだけで、その後は限度額内で自由に取引が行えるため、その都度契約を結び直す必要がありません。

極度方式基本契約とは

極度方式基本契約とは、あらかじめ定められた限度額(極度額)の範囲内で、借入れと返済を繰り返し行うことができる契約形態です。この契約は、1回の契約締結によって継続的な取引関係を構築するもので、利用者は契約で定められた極度額の範囲内であれば、いつでも自由に借入れを行うことができます。

この契約方式は、主に消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングサービス、銀行の当座貸越などで採用されており、利便性の高さから広く普及しています。

契約の正式名称 極度方式基本契約(貸金業法では「極度方式貸付けに係る契約」と規定)
法的根拠 貸金業法第2条第3号
主な適用サービス
  • 消費者金融のカードローン
  • 銀行カードローン
  • クレジットカードのキャッシング
  • 事業者向け当座貸越
  • リボルビング方式のクレジット

この表は極度方式基本契約の概要と主な適用サービスを示しています。貸金業法に規定された契約形態であり、様々な金融サービスで活用されています。

極度方式基本契約の特徴

極度方式基本契約には、以下のような特徴があります。

  • 一度契約すれば、極度額内で繰り返し借入れ可能
  • 返済した分だけ再度借りられる(枠が復活する)
  • 必要な時に必要な金額だけ利用できる柔軟性
  • 利息は実際の借入額と期間に対してのみ発生
  • 基本契約と個別の借入れ(貸付け)が区別される
  • 借入れの都度、書面での契約締結が不要
  • 利用限度額は利用者の返済能力に応じて設定される

極度方式基本契約の最大の特徴は、一度契約を締結すれば、その後は極度額の範囲内で自由に借入れと返済を繰り返せる点です。これにより、必要な時に必要な金額だけを借りることができ、利用者の利便性が高まります。

また、利息は実際に借りている金額と期間に対してのみ発生するため、借りていない期間や返済した分については利息が発生しません。これは、一括で借り入れる場合と比べて、総返済額を抑えられる可能性があるというメリットがあります。

極度方式と貸金業法

極度方式基本契約は貸金業法で明確に規定されており、契約内容や書面交付義務などが定められています。特に2010年に完全施行された改正貸金業法では、総量規制の導入により極度方式基本契約にも大きな影響がありました。

法律上の定義 「極度方式基本契約」とは、あらかじめ定められた極度額の範囲内で、貸付けと返済を繰り返すことができることを約した契約(貸金業法第2条第3号より)
契約締結時の交付書面 契約締結時には、極度額、返済方法、利率などを記載した書面の交付が義務付けられている(貸金業法第17条)
総量規制との関係 極度額は原則として年収の3分の1までに制限される(総量規制)
極度額の増額 増額時には再度、年収の3分の1以内かどうかの審査が必要

この表は極度方式基本契約と貸金業法の関係を示しています。貸金業法では極度方式基本契約の定義や契約時の書面交付義務、総量規制との関係などが規定されています。

特に重要なのは総量規制との関係です。改正貸金業法では、貸金業者からの借入総額を年収の3分の1までに制限しており、極度方式基本契約の極度額もこの範囲内に設定する必要があります。複数の貸金業者と契約している場合は、すべての契約の極度額の合計が年収の3分の1以内でなければなりません。

極度方式基本契約の具体例

極度方式基本契約は様々な金融サービスで採用されています。代表的な例として以下のようなものがあります。

消費者金融のカードローン

    • 極度額:10万円~800万円程度
    • 金利:年7.7%~18.0%程度
    • 特徴:ATMでの借入れ・返済が可能

銀行カードローン

    • 極度額:10万円~1,000万円程度
    • 金利:年1.8%~14.6%程度
    • 特徴:消費者金融より低金利の傾向

クレジットカードのキャッシング

    • 極度額:0円~300万円程度
    • 金利:年15.0%~18.0%程度
    • 特徴:ショッピング枠と併用可能

事業者向け当座貸越

    • 極度額:100万円~数億円
    • 金利:年1.5%~7.0%程度
    • 特徴:事業資金の一時的な不足を補う

この一覧は極度方式基本契約を採用している主な金融サービスの例と、その概要を示しています。極度額や金利は、サービスの種類や利用者の信用力によって大きく異なります。

消費者金融やカードローンでは、利用者はATMでいつでも借入れや返済が可能で、契約時に設定された極度額の範囲内であれば、いつでも繰り返し借入れができます。返済方法も、一括返済やリボルビング返済など、選択肢が用意されていることが一般的です。

極度方式基本契約と債務整理

極度方式基本契約による借入れが返済困難になった場合、債務整理を検討する必要が出てくることがあります。極度方式基本契約と債務整理の関係について解説します。

債務整理の種類 極度方式基本契約との関係
任意整理
  • 極度方式基本契約も交渉対象となる
  • 極度額の範囲内の借入れ全体が対象
  • 和解後は原則として新規借入れ不可
個人再生
  • 再生手続開始決定により基本契約は終了
  • 再生計画に基づいて債務を返済
  • 手続き中・手続き後の新規借入れは不可
自己破産
  • 破産手続開始決定により基本契約は終了
  • 免責許可決定で債務が免除される
  • 手続き後の借入れは事実上困難

この表は極度方式基本契約と債務整理の各手続きとの関係を示しています。債務整理の種類によって契約の取扱いが異なり、どの方法を選択するかは状況に応じて慎重に判断する必要があります。

債務整理を行うと、いずれの方法でも信用情報機関に情報が登録され、一定期間(約5~10年)は新たなローン契約やクレジットカードの作成が困難になります。そのため、債務整理を検討する際は、専門家(弁護士・司法書士)に相談し、自分の状況に最適な方法を選択することが重要です。

極度方式基本契約の注意点

極度方式基本契約は利便性が高い一方で、以下のような注意点もあります。

  • 借りやすさから使いすぎてしまう危険性
  • 最低返済額が少額の場合、返済期間が長期化する
  • リボルビング返済の場合、総返済額が増加する
  • 複数の契約を結ぶと、総量規制の上限に達しやすい
  • 利用明細を確認しないと借入残高を把握しにくい
  • 極度額の増額を勧められても、返済能力を超えない範囲にとどめる
  • 契約内容の変更(金利引き下げなど)があっても通知されないことがある

極度方式基本契約の最大の注意点は、借りやすさから使いすぎてしまう危険性です。必要な時に必要な金額だけを借りられる利便性は、使い方によっては多重債務につながるリスクもあります。

また、リボルビング返済を選択すると、毎月の返済額は少なくなりますが、返済期間が長期化し、総返済額が増加する傾向があります。返済計画を立てる際は、この点に注意して、可能な限り早期に返済することを心がけましょう。

よくある質問

極度方式基本契約を解約するにはどうすればよいですか?

極度方式基本契約を解約するには、借入残高をすべて返済した上で、契約している金融機関に解約の申し出をする必要があります。多くの場合、電話やインターネット、窓口での手続きが可能です。

なお、カードを発行している場合は、カードの返却や裁断が必要なこともあります。解約手続きの詳細は各金融機関によって異なるため、直接問い合わせることをおすすめします。

極度方式基本契約の時効はいつ成立しますか?

極度方式基本契約の時効については、個々の借入れごとではなく、基本契約に基づく債権関係全体で考える必要があります。一般的には、最後の取引(借入れまたは返済)から5年または10年で時効が成立すると考えられています。

ただし、2020年4月の民法改正により、債権の消滅時効の期間は原則5年となりました。改正前に発生した債権については経過措置があるため、具体的なケースについては専門家に相談することをおすすめします。

極度方式基本契約と個別契約の違いは何ですか?

極度方式基本契約は、あらかじめ定められた極度額の範囲内で繰り返し借入れができる契約形態です。一方、個別契約は、借入れの都度、契約を締結する方式で、一度に借りる金額と返済条件を個別に決定します。

極度方式基本契約では、基本契約を一度締結すれば、その後は極度額内で自由に取引ができるため、個別契約と比べて手続きが簡便であり、必要なときに迅速に借入れができるという利点があります。

まとめ

極度方式基本契約とは、あらかじめ設定された利用限度額(極度額)の範囲内で、繰り返し借入れや返済ができる契約形態です。カードローンやクレジットカードのキャッシング、事業者向けの当座貸越などで広く採用されています。

この契約の最大の特徴は、一度契約を締結すれば、その後は極度額の範囲内で自由に借入れと返済を繰り返せる点です。これにより、必要な時に必要な金額だけを借りることができ、利用者の利便性が高まります。

貸金業法では極度方式基本契約の定義や契約時の書面交付義務などが規定されており、特に改正貸金業法による総量規制では、極度額は原則として年収の3分の1までに制限されています。

極度方式基本契約による借入れが返済困難になった場合は、任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理を検討する必要があります。債務整理を行うと信用情報に影響が出るため、専門家に相談して最適な方法を選択することが重要です。

極度方式基本契約は利便性が高い一方で、借りやすさから使いすぎてしまう危険性や、リボルビング返済による総返済額の増加などの注意点もあります。計画的な利用と返済を心がけ、自分の返済能力を超えた借入れは避けるようにしましょう。

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