甲号証(こうごうしょう)について詳しく解説

甲号証とは、債務整理や裁判手続きにおいて、原告(申立人)側が提出する証拠書類のことです。

民事訴訟や債務整理の法的手続きの中で、自分の主張を裏付けるために提出する書類に付ける名称で、被告側が提出する「乙号証」と区別されます。

甲号証とは

甲号証(こうごうしょう)とは、民事訴訟や債務整理などの法的手続きにおいて、原告(申立人)側が自らの主張を裏付けるために裁判所に提出する証拠書類のことです。

訴訟や申立ての際、原告側は「甲第1号証」「甲第2号証」というように、証拠に番号を振って整理します。これに対して、被告(相手方)側が提出する証拠は「乙号証(おつごうしょう)」と呼ばれ、「乙第1号証」「乙第2号証」というように整理されます。

甲号証の特徴と役割

証拠としての効力 裁判所が事実認定を行う際の重要な判断材料となります
主張の裏付け 債務者(原告)側の主張を裏付ける客観的な証拠として機能します
証拠の整理 複数の証拠を「甲第○号証」と番号付けすることで、整理・特定が容易になります
証拠の区別 原告側の証拠(甲号証)と被告側の証拠(乙号証)を明確に区別できます

債務整理の手続きでは、特に借入れの状況や返済履歴を示す証拠が甲号証として重要な役割を果たします。これらの証拠に基づいて、裁判所や債権者が債務者の状況を判断することになります。

債務整理における甲号証の種類

債務整理手続きでよく用いられる甲号証には以下のようなものがあります。

個人再生・自己破産の場合

  • 借用書、金銭消費貸借契約書
  • 取引履歴(借入・返済の明細)
  • 債権者からの催告書、督促状
  • 給与明細書、源泉徴収票
  • 預金通帳のコピー
  • 資産を証明する書類(不動産登記簿謄本など)
  • 負債一覧表
  • 家計収支表
  • 病気や失業を証明する書類(病気や失業が債務整理の原因の場合)

これらの書類は、債務者の経済状況や返済能力、債務整理の必要性を裁判所に示すために使用されます。特に自己破産では、資力がないことを証明する書類が重要になります。

過払い金請求の場合

  • 取引履歴(完全取引履歴、取引開始時からの明細)
  • 借用書、金銭消費貸借契約書
  • 利息計算書
  • 過払い金計算書
  • 返済用の領収書
  • ATM利用明細
  • 取引期間を証明できる書類

過払い金請求では、利息制限法に基づく引き直し計算の基礎となる取引履歴が特に重要です。できるだけ長期間の取引履歴を入手することが、過払い金の正確な計算につながります。

甲号証の提出方法と流れ

  1. 必要な証拠書類の収集・整理
  2. 証拠説明書の作成(各甲号証の内容を簡潔に説明する書類)
  3. 甲号証への番号付け(甲第1号証、甲第2号証という形式)
  4. 証拠のコピー(裁判所用、相手方用)
  5. 訴状や申立書と共に裁判所へ提出
  6. 相手方(債権者)への証拠の送付
  7. 必要に応じて追加の甲号証を提出

甲号証の提出方法は、債務整理の種類や裁判所によって異なることがあります。弁護士や司法書士に依頼する場合は、専門家が適切に対応してくれます。

甲号証作成・提出時の注意点

証拠の信頼性

甲号証は客観的な事実を証明するものです。改ざんや虚偽の書類を提出することは絶対に避けましょう。虚偽の証拠提出は、訴訟における信頼性を損なうだけでなく、法的制裁の対象となる可能性もあります。

証拠の整理と保管

甲号証には適切に番号を振り、内容が分かるように整理しておくことが重要です。また、原本は大切に保管し、裁判所には原則としてコピーを提出します。原本の提出が必要な場合は、裁判所の指示に従いましょう。

個人情報の取り扱い

甲号証には個人情報が含まれることが多いため、取り扱いには十分注意する必要があります。特に、債務整理に関係のない第三者の情報は、可能な限りマスキングするなどの配慮をしましょう。

提出タイミング

甲号証は通常、訴状や申立書と同時に提出しますが、追加証拠が必要になった場合は、裁判所の許可を得て後から提出することも可能です。ただし、証拠提出には期限がある場合がありますので、早めの準備が大切です。

甲号証に関するよくある質問

甲号証と乙号証の違いは何ですか?

甲号証は原告(申立人)側が提出する証拠で、乙号証は被告(相手方)側が提出する証拠です。債務整理の場合、債務者側が甲号証、債権者側が乙号証を提出することになります。

両者は証拠としての効力に差はなく、単に提出する当事者の違いを示すための区別です。

取引履歴が古くて入手できない場合はどうすればよいですか?

金融機関は取引履歴を一定期間(通常5〜10年程度)保管していますが、それ以前の記録は廃棄されていることがあります。その場合、入手可能な範囲の取引履歴を甲号証として提出し、不足部分については陳述書等で補完することになります。

過払い金請求では特に古い取引履歴が重要になるため、専門家のアドバイスを受けながら対応するとよいでしょう。

甲号証を自分で作成することはできますか?

基本的に甲号証は客観的な証拠資料であるため、自作のメモや文書よりも、公的機関や第三者が作成した客観的な書類の方が証拠価値は高いです。

ただし、債務の経緯や返済状況を説明する陳述書などは、債務者自身が作成して甲号証として提出することもあります。専門家のアドバイスを受けながら作成するとよいでしょう。

提出した甲号証は返却されますか?

裁判所に提出した甲号証は原則として訴訟記録の一部となるため、手続き終了後も返却されません。重要な原本は必ずコピーを取っておき、コピーを提出するようにしましょう。

原本の提出が必要な場合は、「原本還付申請」を行うことで手続き終了後に返却してもらえることがあります。

まとめ

甲号証は、債務整理や民事訴訟において、原告(申立人)側が自らの主張を裏付けるために提出する証拠書類です。「甲第1号証」「甲第2号証」という形で整理され、債務者の経済状況や債務の内容を客観的に示す重要な役割を果たします。

債務整理の種類によって必要な甲号証は異なりますが、一般的には借用書、取引履歴、収入証明書、資産関係書類などが用いられます。特に過払い金請求では、できるだけ長期間の取引履歴を入手することが重要です。

甲号証の作成・提出に際しては、証拠の信頼性や個人情報の取り扱いに注意し、適切に整理・保管することが大切です。債務整理を弁護士や司法書士に依頼する場合は、専門家の指示に従って必要な書類を集めることで、より円滑に手続きを進めることができます。

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