会社更生(かいしゃこうせい)について詳しく解説

会社更生とは、経営が行き詰まった株式会社を再建するための法的手続きです。債務超過に陥った会社を立て直すために、裁判所の監督のもとで債務の整理や事業の再構築を行います。

債務整理の一種ですが、個人ではなく株式会社を対象とした手続きであり、「会社更生法」に基づいています。経済的に価値のある会社を存続させることを目的としています。

会社更生の概要

会社更生は、主に大規模な株式会社を対象とした再建型の法的整理手続きです。会社の事業に価値があり、再建することで社会的・経済的に意義がある場合に選択されます。

裁判所が選任する「更生管財人」が会社の経営権を引き継ぎ、更生計画を作成して事業の再建を図ります。この手続きでは、既存の株主の権利は大幅に制限され、多くの場合、株式価値はゼロになることがあります。

根拠法 会社更生法
対象企業 株式会社(主に大企業)
申立権者
  • 債務者(会社)
  • 債権者
  • 株主(一定数以上の株式を保有)
手続きの特徴
  • 裁判所主導の手続き
  • 更生管財人による経営
  • 債権カットが可能
  • 担保権の実行停止

この表は会社更生手続きの基本情報をまとめたものです。会社更生は主に大企業向けの再建手続きであり、裁判所の強い関与が特徴です。

会社更生手続きの流れ

  1. 更生手続開始の申立て(債務者会社または債権者による)
  2. 保全処分(必要に応じて)
  3. 更生手続開始決定
  4. 更生管財人の選任
  5. 債権の届出・調査・確定
  6. 更生計画案の作成・提出
  7. 債権者集会での決議
  8. 裁判所による更生計画の認可
  9. 更生計画の遂行
  10. 更生手続の終結

会社更生手続きは申立てから終結まで複数のステップを踏みます。通常、手続きの完了には数年かかることが一般的です。各段階で裁判所の厳格な監督があります。

更生管財人の役割

更生管財人は、裁判所によって選任され、会社の経営権を引き継ぐ重要な役割を担います。更生管財人は通常、弁護士や企業再生の専門家が務めます。

主な役割には、会社財産の管理・処分権の行使、事業継続の判断、更生計画案の作成、債権者との交渉などがあります。会社の代表取締役に代わって全ての経営判断を行います。

更生計画の内容

  • 事業再建の方針と具体的な施策
  • 債務のカット(減額)率
  • 返済期間と方法
  • 経営体制の刷新
  • 不採算事業の整理
  • スポンサー企業からの支援内容
  • 従業員の処遇

更生計画には、会社を再建するための具体的な内容が盛り込まれます。債権者の多数決で可決されると、裁判所が認可して計画が確定します。

会社更生と民事再生の違い

項目 会社更生 民事再生
対象 株式会社のみ 個人・法人(全ての法人)
経営権 更生管財人に移行 原則、債務者が維持(DIP型)
担保権 手続きに組み込まれる 原則、別除権として行使可能
手続きの重さ 重い(裁判所の関与が強い) 比較的軽い
債権カット 大幅なカットが一般的 比較的小規模なカットが多い

この表は会社更生と民事再生の主な違いを比較したものです。会社更生は大規模な再建を前提とした厳格な手続きである一方、民事再生は幅広い事業者が利用できる比較的柔軟な手続きです。

会社更生のメリット・デメリット

メリット

  • 強力な債務整理が可能(大幅な債務カット)
  • 担保権の実行を停止できる
  • 専門家による会社再建が可能
  • 法的な保護のもとで事業継続が可能
  • 会社の信用力回復につながる可能性

デメリット

  • 手続きが複雑で時間と費用がかかる
  • 経営権が更生管財人に移る
  • 既存株主の権利が大幅に制限される
  • 取引先や顧客からの信用低下のリスク
  • 厳格な裁判所の監督下に置かれる
  • 従業員の削減など痛みを伴う改革が必要なことが多い

会社更生には大幅な債務整理ができるメリットがある一方、経営権の喪失や手続きの複雑さなどのデメリットもあります。その選択は会社の状況や将来性を慎重に検討して判断する必要があります。

債務者(個人)が知っておくべきこと

会社更生は株式会社を対象とした手続きですが、個人の債務者が取引先や勤務先の会社が会社更生手続きを開始した場合、以下の影響があることを知っておく必要があります。

立場 影響と対応
取引先の場合
  • 更生手続開始前の債権は手続きに組み込まれる
  • 債権の届出が必要(期限厳守)
  • 債権の大幅カットの可能性がある
  • 新規取引は可能(更生債権にならない)
株主の場合
  • 株式価値がゼロになる可能性が高い
  • 持株比率が大幅に希薄化する可能性
  • 配当は長期間見込めない
従業員の場合
  • 給与債権は一定範囲で優先的に保護される
  • 人員整理の可能性
  • 労働条件の変更の可能性

この表は会社更生手続きが開始された会社と関係のある個人への影響をまとめたものです。会社更生手続きが開始されると、関係者はそれぞれの立場に応じた対応が必要になります。

個人の債務整理とは異なりますが、取引先の会社が会社更生手続きを開始した場合、自身の債権回収に影響する可能性があるため、専門家への相談をおすすめします。

まとめ

会社更生は経営が行き詰まった株式会社を再建するための法的手続きです。主に大企業を対象とし、裁判所が選任する更生管財人の下で事業の立て直しを図ります。

手続きの特徴として、更生管財人への経営権移行、担保権実行の停止、大幅な債務カットなどがあります。民事再生と比べると手続きが厳格で、裁判所の関与が強いのが特徴です。

会社更生手続きは、申立てから更生計画の作成、債権者による決議、計画遂行、終結まで複数のステップがあり、完了には数年かかることも珍しくありません。

メリットとしては強力な債務整理が可能な点が挙げられますが、手続きの複雑さや費用、経営権喪失などのデメリットもあります。会社の規模や状況に応じて、民事再生など他の法的整理との比較検討が必要です。

個人の債務者にとっては、取引先や勤務先、投資先の会社が会社更生手続きを開始した場合の影響を理解し、適切な対応をとることが重要です。専門家への相談を通じて、自身の債権保全や権利確保を図りましょう。

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