異時廃止(いじはいし)について詳しく解説
異時廃止とは、裁判所が破産手続きの途中で財産がないことを理由に破産手続きを打ち切ることを指します。破産手続きを開始した後に、債務者に配当すべき財産がないと判断された場合に行われる手続きです。
簡易な破産手続きの一種として位置づけられており、債務者の負担軽減を図る制度となっています。通常の破産手続きよりも早く終結することができるため、債務者にとっては時間的・経済的なメリットがあります。
異時廃止の条件
異時廃止が行われるには、以下の条件を満たす必要があります。裁判所が破産手続き開始後に債務者の状況を確認した結果、これらの条件に該当すると判断した場合に異時廃止の決定が下されます。
配当すべき財産がない | 破産管財人が債務者の財産を調査した結果、債権者に配当するだけの財産がないと判断された場合 |
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財産が少額である | 破産財団に属する財産があっても、その価値が破産手続費用を超えない場合 |
債権者が同意している | 債権者集会において、出席した債権者の過半数が異時廃止に同意した場合 |
上記の条件に該当する場合、裁判所は破産手続きを継続する意義がないと判断し、異時廃止の決定を行います。この決定により、破産手続きは終了します。
異時廃止と同時廃止の違い
異時廃止と同時廃止は、どちらも破産手続きを簡易に終了させる方法ですが、その決定のタイミングと審査の厳格さに違いがあります。
異時廃止 | 破産手続開始決定の後に、配当すべき財産がないことが判明した場合に行われる |
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同時廃止 | 破産手続開始決定と同時に、配当すべき財産がないことが明らかな場合に行われる |
同時廃止は申立ての段階で財産がないことが明らかな場合に行われるのに対し、異時廃止は破産手続きを開始した後に管財人による調査を経て財産がないと判断された場合に行われます。そのため、異時廃止の方が審査が厳格であるといえます。
異時廃止のメリット・デメリット
異時廃止には債務者にとっていくつかのメリットとデメリットがあります。手続きを検討する際には、これらを十分に理解しておくことが重要です。
メリット
- 通常の破産手続きよりも早く終結することができる
- 破産手続きの費用を抑えることができる
- 債務の免責を受けることができる
- 破産管財人による詳細な調査が行われるため、免責不許可事由の有無がしっかり確認される
異時廃止は手続きが簡略化されるため、時間的・経済的な負担が軽減されます。また、同時廃止と比べて調査が厳格に行われるため、免責判断の信頼性が高いというメリットもあります。
デメリット
- 同時廃止と比べると手続きに時間がかかる
- 破産管財人が選任されるため、その分の費用が発生する
- 詳細な財産調査が行われるため、申立人のプライバシーが制限される
異時廃止は同時廃止よりも時間と費用がかかる点がデメリットです。また、破産管財人による調査が入るため、より深いプライバシーの開示が求められます。
異時廃止の手続きの流れ
異時廃止に至るまでの一般的な手続きの流れは以下のとおりです。実際の流れは個々の事案によって異なる場合がありますので、専門家に相談することをおすすめします。
- 破産申立て:債務者が裁判所に破産の申立てを行います
- 破産手続開始決定:裁判所が破産手続開始を決定します
- 破産管財人の選任:裁判所が破産管財人を選任します
- 財産調査:破産管財人が債務者の財産状況を調査します
- 配当見込みの判断:破産管財人が債権者への配当見込みを判断します
- 異時廃止の申立て:配当見込みがない場合、破産管財人が異時廃止を申し立てます
- 異時廃止決定:裁判所が異時廃止を決定します
- 免責手続き:債務者が免責許可の申立てを行い、裁判所が審査します
- 免責許可決定:審査の結果、免責が認められれば免責許可決定が下されます
上記の流れは一般的なものであり、ケースによっては異なる場合があります。特に免責不許可事由がある場合には、免責が認められないこともありますので注意が必要です。
異時廃止に関するよくある質問
債務整理を検討されている方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。不明点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
異時廃止になるとどうなりますか?
破産手続きが終了し、その後免責手続きに移行します。免責が認められれば、債務の支払い義務がなくなります。
異時廃止と同時廃止はどちらがいいですか?
どちらが良いかは個人の状況によります。財産がほとんどない場合は同時廃止の方が手続きが簡単ですが、免責に不安がある場合は異時廃止の方が調査が厳格で安心です。
異時廃止になると信用情報はどうなりますか?
破産情報として信用情報機関に登録され、一定期間(5〜10年程度)はローンやクレジットカードの審査に影響します。
異時廃止の費用はいくらかかりますか?
- 裁判所への予納金:15〜20万円程度
- 弁護士・司法書士への報酬:20〜40万円程度
- その他実費:数万円程度
※費用は依頼する専門家によって異なります。
上記の質問以外にも不明点がある場合は、債務整理を扱う弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。個々の状況に応じた適切なアドバイスを受けることが重要です。
まとめ
異時廃止とは、破産手続き開始後に配当すべき財産がないと判断された場合に行われる手続きの終了方法です。同時廃止と比較すると、破産管財人による調査を経て判断されるため、より厳格な審査が行われます。
異時廃止のメリットとしては、通常の破産手続きよりも早く終結でき、費用を抑えられる点が挙げられます。一方で、同時廃止と比べると時間と費用がかかるというデメリットもあります。
手続きの流れとしては、破産申立て、破産手続開始決定、破産管財人の選任、財産調査、配当見込みの判断、異時廃止の申立て、異時廃止決定、免責手続き、免責許可決定という段階を踏みます。
債務整理は人生の再スタートを切るための重要な手続きです。自分の状況に最適な方法を選ぶためにも、専門家に相談し、十分な情報を得た上で判断することをおすすめします。
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