保証債務(ほしょうさいむ)について詳しく解説

保証債務とは、主たる債務者が債務を履行できない場合に、保証人がその債務を肩代わりして支払う義務のことです。保証人は他人の借金の返済を保証する立場となり、主たる債務者が返済できなくなった場合に、債権者からの請求に応じて支払いをしなければなりません。

たとえば、友人や家族がローンを組む際に保証人になると、その方が返済できなくなった場合、あなたが代わりに支払う責任を負うことになります。債務整理を検討する際には、自分が負担している保証債務についても考慮する必要があります。

保証債務の基本的な仕組み

保証債務は三者の関係から成り立っています。主たる債務者(借金をした人)、債権者(お金を貸した人)、保証人(返済を保証する人)の三者です。この三者の間で保証契約が結ばれることにより、保証債務が発生します。

保証債務の基本構造
  • 主たる債務者:ローンなどの債務を負う本人
  • 債権者:お金を貸した側(銀行や消費者金融など)
  • 保証人:主たる債務者が返済できない場合に代わりに返済する人
  • 保証契約:保証人が主たる債務者の債務を保証する契約

上記の表は保証債務の基本的な関係者と構造を示しています。保証人は主たる債務者の「信用の補完」という役割を果たし、債権者にとっての貸し倒れリスクを軽減する機能を持っています。

保証債務の種類

保証債務には複数の種類があり、保証人の責任の範囲や請求を受ける条件が異なります。債務整理を検討する際には、自分がどのタイプの保証人になっているかを確認することが重要です。

  • 通常保証(普通保証):債権者は主たる債務者に請求してもダメだった場合に初めて保証人に請求できる
  • 連帯保証:債権者は主たる債務者に請求する前でも、いきなり保証人に請求できる
  • 限定保証:保証する金額や期間が限定されている
  • 根保証:将来発生する不特定の債務を一定の範囲内で保証する

これらの中でも特に連帯保証は保証人にとって責任が重いものです。日本の金融機関が個人向けに提供するローンでは、ほとんどの場合、連帯保証を求められることが多いので注意が必要です。

債務整理における保証債務の扱い

債務整理をする場合、保証債務がどのように扱われるかは債務整理の種類によって異なります。ここでは各債務整理手続きにおける保証債務の扱いを見ていきましょう。

破産手続き 破産すると自分の借金は免責されますが、保証人の保証債務は消滅しません。主たる債務者が破産した場合、債権者は保証人に全額を請求できます。逆に保証人が破産しても、主たる債務者の債務は影響を受けません。
民事再生手続き 再生計画で認められた減額は保証人には及びません。主たる債務者が民事再生をしても、保証人は元の債務額について保証責任を負います。
任意整理 和解内容(減額や分割払いなど)は保証人の同意がない限り保証人には及びません。主たる債務者が任意整理をしても、保証人は原則として元の債務について保証責任を負います。

この表は各債務整理手続きにおける保証債務の扱いの違いを示しています。いずれの債務整理方法でも、主たる債務者の債務整理によって保証人の責任は基本的に軽減されないことに注意が必要です。

保証人が債務整理する場合の影響

保証人自身が債務整理をする場合、保証債務も整理の対象となります。ただし、債務整理の種類によって影響は異なります。

  1. 保証人が破産する場合:保証債務も免責の対象となり、保証人は支払義務から解放されます。ただし、主たる債務者は引き続き債務を負います。
  2. 保証人が民事再生する場合:保証債務も再生計画に含めることができ、減額される可能性があります。ただし、主たる債務者の債務額は変わりません。
  3. 保証人が任意整理する場合:保証債務も交渉の対象となりますが、債権者が応じなければ整理できない場合もあります。

上記のリストは保証人が債務整理をした場合の影響を示しています。保証人が債務整理をしても、主たる債務者の債務には直接影響しないことが重要なポイントです。

保証債務の求償権について

保証人が主たる債務者に代わって債務を支払った場合、保証人は主たる債務者に対して求償権(支払った金額の返還を求める権利)を取得します。しかし、主たる債務者に支払能力がない場合、この求償権を行使しても実際に回収できないことが多いのが現実です。

保証債務に関する注意点

保証人になる場合や保証債務がある状態で債務整理を検討する場合、以下の点に注意しましょう。

保証人になる前の注意点
  • 安易に保証人にならない(特に連帯保証は責任が重い)
  • 主たる債務者の返済能力を十分に確認する
  • 保証する金額や期間を限定できないか検討する
  • 自分の資力を超える保証はしない
保証債務がある場合の債務整理時の注意点
  • 主たる債務者が債務整理すると、保証人に請求が来る可能性が高い
  • 保証人への影響を考慮した債務整理計画を立てる
  • 可能であれば保証人にも事前に相談する
  • 保証人と共同で対応策を検討することも有効

この表は保証債務に関する重要な注意点をまとめたものです。特に債務整理を検討する際には、保証人への影響を十分に考慮することが大切です。

2020年4月施行の改正民法による変更点

2020年4月から施行された改正民法により、保証人保護のための規定が強化されました。主な変更点としては、個人が事業用融資の保証人になる場合には公正証書による意思確認が必要になったことや、個人根保証契約における極度額(上限額)の定めが必要になったことなどが挙げられます。

まとめ

保証債務とは、主たる債務者が債務を履行できない場合に、保証人がその債務を肩代わりして支払う義務のことです。連帯保証人の場合は、債権者から直接請求されることもあり、責任は重大です。

債務整理をする際には、保証債務の存在を考慮することが重要です。主たる債務者が債務整理をしても、保証人の責任は基本的に軽減されません。逆に保証人が債務整理をしても、主たる債務者の債務は影響を受けません。

保証人になる際は、その責任の重さを十分に理解し、安易に引き受けないことが大切です。また、すでに保証人になっている場合で債務整理を検討する際は、専門家に相談して最適な方法を選ぶことをおすすめします。

債務整理は自分だけでなく、保証人や主たる債務者など関係者にも影響する可能性があるため、慎重に進めることが必要です。特に家族や親しい友人が保証人になっている場合は、債務整理による影響を事前に話し合っておくとよいでしょう。

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