別除権(べつじょけん)について詳しく解説

別除権とは、債務者の財産に対して特別な担保権(抵当権や質権など)を持つ債権者が、債務整理手続きにおいて、その担保権を行使して優先的に弁済を受けることができる権利のことです。別除権者は、債務整理手続きの中で他の一般債権者と区別され、特別な扱いを受けることになります。

たとえば、住宅ローンを組んでいる場合、金融機関は家に抵当権を設定していますが、この抵当権が別除権にあたります。破産手続きなどを行っても、別除権者は担保物(家など)から優先的に債権回収ができるのです。

別除権の基本的な特徴

別除権は債務整理手続きにおいて特別な地位を与えられた権利です。別除権を持つ債権者(別除権者)は、一般の債権者と異なり、債務整理手続きの制約を受けずに担保権を行使することができます。

別除権の主な特徴
  • 債務整理手続きの影響を受けずに行使できる
  • 担保物から優先的に弁済を受けられる
  • 担保物の価値が被担保債権額に満たない場合は、不足分を一般債権として債務整理手続きに参加できる
  • 債務者の意思に関わらず行使できる権利である

上記の表は別除権の主な特徴をまとめたものです。別除権者は債務整理手続きの外で担保権を行使できるため、一般債権者よりも有利な立場にあります。

別除権が認められる担保権の種類

すべての債権に別除権が認められるわけではありません。法律上、特定の担保権を有する債権者にのみ別除権が認められています。

  • 抵当権(不動産に設定される担保権)
  • 質権(動産や権利に設定される担保権)
  • 商事留置権(商取引に関連して発生する留置権)
  • 先取特権(一定の債権に法律上当然に発生する優先権)
  • 譲渡担保権(所有権移転の形式をとる非典型担保)

これらの担保権を持つ債権者は、債務整理手続きにおいて別除権者として扱われます。特に住宅ローンの抵当権や自動車ローンの譲渡担保権は、債務整理を考える方にとって重要な別除権となります。

債務整理手続きにおける別除権の扱い

債務整理の種類によって、別除権の扱いには若干の違いがあります。ここでは各債務整理手続きにおける別除権の扱いを見ていきましょう。

破産手続き 別除権者は破産手続きの外で担保権を行使できます。担保物の価値が被担保債権額に満たない場合、不足分は破産債権として扱われますが、配当はほとんど期待できません。
民事再生手続き 別除権は民事再生手続きでも尊重されますが、住宅資金特別条項を利用することで、住宅ローンについては返済計画の変更が可能な場合があります。
任意整理 担保権付き債権(住宅ローンなど)は通常、任意整理の対象外となります。別除権者との交渉は個別に行う必要があります。

この表は各債務整理手続きにおける別除権の扱いの違いを示しています。特に住宅を残したい場合は、民事再生や任意整理の中で別除権者と交渉することが重要になります。

別除権と住宅ローン

多くの方にとって、別除権で最も気になるのは住宅ローンに関連する抵当権でしょう。債務整理をする際、住宅ローンがある場合の選択肢を見ていきます。

  1. 破産を選択する場合:住宅は原則として手放すことになります。抵当権者(金融機関)が別除権を行使し、住宅は競売にかけられることがほとんどです。
  2. 民事再生を選択する場合:住宅資金特別条項を利用することで、住宅を残したまま他の債務を減額できる可能性があります。ただし、住宅ローンの支払いは継続する必要があります。
  3. 任意整理を選択する場合:住宅ローンは通常、任意整理の対象外です。住宅を残したい場合は、住宅ローン以外の債務のみを任意整理の対象とすることが一般的です。

上記のリストは住宅ローンがある場合の債務整理の選択肢を示しています。住宅を残したい場合は、民事再生や任意整理が選択肢となりますが、住宅ローンの返済は継続しなければなりません。

別除権行使の流れ

別除権者が担保権を行使する場合、一般的には以下のような流れになります。

  1. 債務不履行の発生:住宅ローンなどの返済が滞ると、金融機関は担保権の行使を検討します。
  2. 催告:通常、金融機関は債務者に対して支払いの催告を行います。
  3. 担保権実行の申立て:催告に応じない場合、金融機関は裁判所に担保権実行(競売)を申し立てます。
  4. 競売開始決定:裁判所が競売開始を決定します。
  5. 売却基準価額の決定:裁判所が不動産の評価額を決定します。
  6. 入札・競り売り:一般の入札者が参加して競り売りが行われます。
  7. 配当:売却代金から別除権者に優先的に配当が行われます。

このリストは別除権行使(特に不動産競売)の一般的な流れを示しています。競売になると、市場価格よりも安く売却されることが多いため、できれば任意売却などの方法を検討するとよいでしょう。

まとめ

別除権とは、債務者の財産に対して特別な担保権を持つ債権者が、債務整理手続きにおいて、その担保権を行使して優先的に弁済を受けることができる権利です。主に抵当権や質権などの担保権を持つ債権者に認められます。

債務整理を検討する際、住宅ローンなどの担保付き債務がある場合は、別除権の扱いを理解することが非常に重要です。破産では住宅を手放すことになりますが、民事再生や任意整理では条件によって住宅を残せる可能性があります。

別除権者は債務整理手続きの外で担保権を行使できるため、一般債権者よりも有利な立場にあります。担保物の価値が被担保債権額に満たない場合は、不足分を一般債権として債務整理手続きに参加することも可能です。

債務整理を検討している方は、別除権の影響を考慮した上で、自分に合った債務整理の方法を選択することが大切です。特に住宅などの重要な財産を残したい場合は、専門家に相談して適切な方法を選ぶことをおすすめします。

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