自己破産とは?メリット・デメリットから手続きの流れまで徹底解説
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借金の返済に追われ、生活が苦しい状況に陥っているものの、「自己破産」という言葉に不安を感じている方は少なくありません。確かに自己破産には様々な影響がありますが、法律で認められた正当な債務整理の手段であり、借金問題を解決する有効な方法の1つです。
多くの方が「自己破産をすると全ての財産を失う」「一生ローンが組めなくなる」といった誤解を持っています。しかし、実際には基本的な生活用品や一定額の財産は手元に残すことができ、また信用情報機関への登録期間も一時的なものです。
本記事では、司法書士の立場から、自己破産の仕組みやメリット・デメリット、具体的な手続きの流れまで、正確な情報をわかりやすく解説します。自己破産以外の債務整理の選択肢についても触れていますので、ご自身の状況に合った最適な解決方法を見つけるためのガイドとしてご活用ください。
自己破産とは
自己破産とは、裁判所に申立てをして「免責許可」を受けることで、原則としてすべての借金の支払い義務を免除してもらえる法的な債務整理の手続きです。税金や養育費などの一部の債務を除き、クレジットカードの支払いや消費者金融からの借入れ、未払いの公共料金なども免除の対象となります。
この手続きができるのは「支払い不能」の状態、つまり現在の収入や資産の状況から見て、借金の全額返済が困難であると客観的に判断される場合です。借金の金額に明確な基準はなく、収入と返済額のバランス、今後の収入見込みなど、総合的に判断されます。
同時廃止と管財事件の違い
自己破産の手続きには、主に「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。どちらの手続きになるかは、債務者の財産状況によって決まります。
同時廃止の特徴
同時廃止は、債務者に目立った財産がない場合に適用される手続きです。破産手続開始の決定と同時に手続きが終了するため、比較的短期間で終わるのが特徴です。手続費用も管財事件と比べて安く済みます。
- 処分される財産がほとんどない
- 手続期間が2~3ヶ月程度と短い
- 費用が20~30万円程度で済む
- 債権者への配当手続きが省略される
管財事件の特徴
管財事件は、債務者に換価(現金化)できる財産がある場合に適用される手続きです。裁判所が選任した破産管財人が財産の換価・配当を行うため、手続期間が長くなり、費用も高額になります。
- 自宅や価値の高い財産は換価される
- 手続期間が6ヶ月~1年程度かかる
- 予納金を含む費用が100万円以上必要
- 破産管財人による財産調査が行われる
少額管財事件について
管財事件の一種として「少額管財事件」という手続きもあります。これは管財事件の要件に該当するものの、財産額が比較的少額な場合に適用される簡略化された手続きです。手続期間や費用は通常の管財事件より抑えられます。
ただし、少額管財事件の運用は地方裁判所によって異なり、すべての裁判所で利用できるわけではありません。また、弁護士に依頼した場合に限り適用される場合が多いため、司法書士に依頼する場合は事前に確認が必要です。
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自己破産のメリットとデメリット
自己破産には借金を完全に解消できる大きなメリットがある一方で、一定の制限も伴います。ここでは、自己破産のメリット・デメリットと、世間でよく聞く誤解について解説します。
自己破産の主なメリット
- 借金が原則としてすべて免除され、返済の必要がなくなります。収入を生活費に充てることができ、新しい生活を始められます。
- 破産手続開始決定後は、債権者からの取り立てや給料の差し押さえがなくなります。督促の電話や訪問に悩まされることもありません。
- 基本的な生活に必要な財産は手元に残すことができます。99万円までの現金や、日常生活に必要な家財道具は原則として処分されません。
自己破産の主なデメリット
- 約10年間、新規のローンやクレジットカードが作れません。信用情報機関に記録が残り、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。
- 破産者の氏名・住所が官報に掲載されます。ただし、一般の方が官報を目にする機会はほとんどありません。
- 管財事件となった場合、処分可能な財産(自宅や高額な預貯金など)は換価されます。
- 手続き中は、警備員や士業など一部の職業に就けない期間があります。ただし、免責許可後は制限が解除されます。
- 保証人がいる場合、保証人への請求は継続されます。保証人の方の負担が増える可能性があります。
自己破産に関する誤解と事実
誤解 | 事実 |
---|---|
全ての財産を失う | 日常生活に必要な家財道具や一定額の財産は手元に残せます。給与も全額受け取れます。 |
会社をクビになる | 破産を理由とした解雇は違法です。会社に知られることも基本的にありません。 |
家族にも影響が及ぶ | 保証人になっていない限り、家族の資産や信用に影響はありません。 |
一生ローンが組めない | 信用情報の記録は約10年で消去されます。その後はローンも組めるようになります。 |
住宅の賃貸契約ができない | 賃貸契約に影響はありません。通常の審査で問題なく契約できます。 |
自己破産のデメリットに関する重要な注意点
自己破産のデメリットは一時的なものがほとんどです。ブラックリスト期間は約10年で終了し、職業制限も免責許可後には解除されます。また、破産者本人の給与や新しく得た財産が差し押さえられることはありません。
ただし、税金や養育費などの非免責債権は免除されないため、これらの支払いは継続する必要があります。また、自己破産は債務整理の最終手段として考えるべきで、任意整理や個人再生など他の方法も検討することをおすすめします。
自己破産の手続きの流れ
自己破産の手続きは、専門家への相談から免責許可決定まで、いくつかの段階を経て進んでいきます。ここでは手続きの流れと、必要な書類、かかる期間や費用について詳しく解説します。
自己破産手続きの全体の流れ
手続きは大きく分けて以下の5つのステップで進みます。同時廃止か管財事件かによって、具体的な手続きの内容や期間が異なってきます。
1. 専門家への相談と依頼
まずは弁護士や司法書士に相談します。この段階で、自己破産が最適な解決方法かどうかの判断や、同時廃止になるか管財事件になるかの見通しを立てます。依頼後、専門家から債権者に受任通知が送られ、債権者からの取立てが止まります。
2. 必要書類の収集と準備
破産申立てに必要な書類を集めます。債権者への受任通知送付後、債権者から債務の残高証明書が届くので、それらの書類もまとめていきます。
3. 破産申立て
裁判所に破産申立書を提出します。この時点で破産手続きが正式にスタートします。裁判所で破産審尋(面接)が行われ、支払不能状態であることなどを確認されます。
4. 破産手続開始決定
裁判所が破産手続開始を決定します。同時廃止の場合はこの時点で破産手続きが終了しますが、管財事件の場合は破産管財人が選任され、財産の換価や配当の手続きが始まります。
5. 免責許可決定
免責審尋を経て、裁判所から免責許可決定が出されます。この決定が確定すると、晴れて借金の支払義務がなくなります。
必要な書類一覧
- 本人確認書類(住民票、運転免許証のコピーなど)
- 収入に関する書類(源泉徴収票、給与明細書、確定申告書など)
- 借金に関する書類(借用書、返済明細書、督促状など)
- 財産に関する書類(預貯金通帳、保険証書、不動産登記簿など)
- その他(戸籍謄本、家計収支表、陳述書など)
手続きにかかる期間と費用
期間
同時廃止の場合 | 申立てから免責まで約2~3ヶ月程度 |
---|---|
管財事件の場合 | 申立てから免責まで約6ヶ月~1年程度 |
費用の内訳
必要な費用 | 内容 |
---|---|
裁判所費用 | 収入印紙代(1,500円)、予納郵券代(数千円)、官報公告費用(約1万円) |
予納金(管財事件の場合) | 一般管財:50万円以上、少額管財:20万円程度 |
専門家への報酬 | 同時廃止:15~30万円程度、管財事件:30~50万円程度 |
なお、生活保護受給中の方は法テラスの制度を利用することで、費用の立替えを受けられる場合があります。また、多くの事務所では分割払いにも対応しているので、費用面での不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
自己破産できる条件と対象者
自己破産は、借金の返済に行き詰まった方のための法的な救済制度です。ただし、誰でも無条件で利用できるわけではありません。ここでは自己破産の申立てに必要な条件と、対象となる方の状況について解説します。
支払い不能の要件
自己破産の申立てができる主な条件は「支払い不能」の状態にあることです。支払い不能とは、単に今月の返済ができないという一時的な状態ではなく、収入や資産の状況から客観的にみて、借金の全額返済が難しいと判断される状態を指します。
支払い不能と判断される具体例
- 毎月の収入に対して返済額が大きすぎる
- 複数の借入れの返済のために新たな借入れを繰り返している
- 失業や収入減少により返済の見通しが立たない
- 返済に充てられる資産がほとんどない
免責不許可事由に該当しないこと
自己破産しても、免責不許可事由に該当すると借金が免除されない可能性があります。ただし、該当しても裁判所の判断で免責が認められるケースも多くあります。
主な免責不許可事由
- 浪費や賭博が原因で著しく財産を減少させた
- 債権者を害する目的で財産を隠した、処分した
- 特定の債権者だけを優遇して弁済した
- 虚偽の申告や説明をした
- 過去7年以内に免責を受けている
非免責債権について
自己破産しても免除されない債務(非免責債権)があります。これらは破産後も支払い義務が残るため、事前に確認が必要です。
代表的な非免責債権 | 内容 |
---|---|
税金 | 所得税、住民税、固定資産税など |
社会保険料 | 健康保険料、年金保険料など |
養育費・婚姻費用 | 子どもの養育費、配偶者への支払い |
故意の不法行為による損害賠償 | 詐欺や横領による損害賠償金など |
自己破産に向かない場合
以下のような状況では、自己破産以外の方法を検討したほうがよい場合があります。専門家に相談して、最適な解決方法を選択することをおすすめします。
- 一定の収入があり、返済条件を見直せば返済が可能な場合
- 住宅ローンが残っており、自宅を手放したくない場合
- 職業上の制限が業務に重大な支障をきたす場合
- 過去の借入れで過払い金の発生が見込める場合
- 保証人への影響が大きい場合
自己破産は法律で認められた正当な債務整理の手段ですが、あくまでも最後の手段として考えるべきです。まずは家計の見直しや、任意整理、個人再生などの他の方法も含めて検討することが大切です。判断に迷う場合は、まずは専門家に相談することをおすすめします。
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自己破産後の生活への影響
自己破産後の生活について、多くの方が不安を感じています。ここでは、仕事や家族関係、財産などへの具体的な影響について、正確な情報をお伝えします。
仕事・就職への影響
自己破産は基本的に勤務先には知られることはなく、破産を理由とした解雇は法律で禁止されています。ただし、一部の職業では手続き中の制限があります。
手続き中の職業制限
- 司法書士、税理士などの士業
- 警備員
- 宅地建物取引士
- 保険外交員
- 会社の取締役
これらの職業制限は免責許可決定後に解除されます。また、制限期間中も別の職種への転職は可能です。新しい職場での採用時に破産の事実を申告する必要もありません。
家族への影響
自己破産による影響は本人にのみ及び、家族の資産や信用に直接の影響はありません。ただし、以下のような間接的な影響には注意が必要です。
配偶者への影響
- 共有財産がある場合、その処分方法を検討する必要がある
- 住宅ローンの連帯債務者の場合、支払い責任が残る
- 生計を共にしている場合、一時的な収入減少の影響を受ける
子どもへの影響
- 学資保険が解約される可能性がある
- 奨学金の連帯保証人になれない
- 扶養手当や児童手当には影響なし
財産・資産への影響
自己破産では一定の財産が保護される「自由財産」の制度があります。基本的な生活に必要な財産は手元に残すことができます。
手元に残せる財産(自由財産)
現金・預貯金 | 99万円まで(地域により金額は異なる) |
---|---|
給与 | 破産後に得る給与は全額手元に残せる |
生活必需品 | 家具、家電、衣類などの日用品 |
職業に必要な物 | 仕事に使用する道具、制服など |
処分される可能性のある財産
- 自宅(持ち家の場合)
- 高額な自動車
- ゴルフ会員権
- 株式、投資信託
- 高額な貴金属
- 解約返戻金の高い保険
また、破産後に相続が発生した場合、相続放棄をしない限り相続財産も破産財団に組み込まれる可能性があります。ただし、相続の放棄は法定期間内(相続開始を知った日から3ヶ月以内)に行う必要があります。
自己破産以外の選択肢
自己破産は借金問題を解決する方法の1つですが、すべての方に最適というわけではありません。ここでは、他の債務整理の方法について解説し、状況に応じた最適な選択ができるようご説明します。
任意整理
任意整理は、債権者と交渉して返済条件を見直す方法です。一定の収入があり、元本を返済できる見込みがある方に適しています。
任意整理のメリット
- 利息をカットまたは大幅に減額できる
- 返済期間を最長で5年程度まで延長できる
- 財産を手放す必要がない
- 信用情報の記録が比較的短期間(5年程度)
任意整理に向いている方
- 毎月の返済額を減らせば返済を継続できる
- 安定した収入がある
- 借金の元本が5年以内に返済できる金額
- 早期に信用回復を図りたい
個人再生
個人再生は、裁判所を通じて返済計画を立て、借金を大幅に減額する方法です。住宅ローンがある方や、自己破産すると失う財産が大きい方に適しています。
個人再生のメリット
- 借金を最大で元本の2割まで減額できる
- 住宅ローンは従来通り返済を続けられる
- 財産を手放さなくて済む
- 給与所得者の場合、原則3年で手続きが終了
個人再生に向いている方
- 住宅ローンがあり、自宅を残したい
- 安定した収入があり、毎月の返済が可能
- 事業や営業を継続したい
- 処分したくない財産がある
過払い金請求
過去に利息制限法の制限を超える金利で返済していた場合、超過分を取り戻せる可能性があります。過払い金が発生している場合、これを活用して借金を減らせる場合があります。
過払い金請求のメリット
- 取り戻した過払い金で借金を返済できる
- 財産を手放す必要がない
- 信用情報に記録が残らない
- 弁護士・司法書士に依頼すれば成功報酬型で対応可能
各債務整理の比較表
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
任意整理 | 財産を残せる、信用回復が早い | 元本は残る、収入が必要 |
個人再生 | 住宅が残せる、借金が大幅減額 | 安定収入が必要、費用が高額 |
自己破産 | 借金が免除、収入不要 | 財産処分、信用情報に長期記録 |
債務整理の方法は、借金額、収入状況、財産状況などによって最適な選択が変わってきます。また、複数の方法を組み合わせることで、より良い解決が可能になることもあります。専門家に相談して、自分に合った方法を選択することをおすすめします。
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よくある質問と回答
自己破産に関して、よくご相談いただく質問とその回答をまとめました。不安な点の解消にお役立てください。
Q. 費用を支払う余裕がないのですが、自己破産はできますか?
法テラスの民事法律扶助制度を利用することで、費用の立替えを受けられる可能性があります。特に生活保護受給中の方は、要件を満たせば費用の立替えを受けられます。また、多くの事務所では分割払いにも対応しているので、まずは相談することをおすすめします。
Q. 会社や家族に知られずに手続きできますか?
基本的に会社に知られることはありません。給与の差押えがある場合を除き、会社に通知が行くことはなく、自己破産を理由とした解雇は違法とされています。家族についても、同居している場合でも手続きを知られずに進めることは可能です。ただし、共有財産がある場合や、将来的な生活設計を考えると、配偶者には事前に相談することをおすすめします。
Q. 住宅ローンが残っていますが、自己破産できますか?
自己破産すると、住宅ローンも免除の対象となりますが、同時に住宅を手放さなければなりません。自宅を残したい場合は、個人再生手続きの方が適している可能性があります。個人再生であれば、住宅ローン以外の借金を減額しながら、住宅ローンの返済を継続することができます。
Q. ブラックリストに載るとどうなりますか?また、いつまで続きますか?
自己破産の情報は、信用情報機関に約10年間記録が残ります。この間は新規のクレジットカードの作成や、住宅ローンなどの借入れが困難になります。ただし、10年経過後は記録が削除され、新規の借入れも可能になります。なお、携帯電話の契約や賃貸住宅の契約には影響しません。
Q. 自己破産の手続きはどのくらいの期間がかかりますか?
同時廃止の場合は、申立てから免責までおよそ2~3ヶ月程度です。一方、管財事件となる場合は6ヶ月~1年程度かかります。なお、弁護士・司法書士への依頼から申立てまでの準備期間として1~2ヶ月程度必要です。ただし、債権者からの取立ては依頼後すぐに止めることができます。
Q. 自己破産すると仕事を辞めなければなりませんか?
一般の会社員であれば、自己破産を理由に仕事を辞める必要はありません。ただし、弁護士や税理士などの士業、警備員など一部の職種では、免責許可決定までの間、職務制限を受けます。これらの制限は一時的なもので、免責許可後は解除されます。転職や就職活動も自由にできます。
まとめ
自己破産は、返済が困難な借金を法的に解決できる手続きです。借金が免除されるというメリットがある一方で、一定期間の信用制限や財産の処分など、いくつかの制約も伴います。
ただし、一般的に考えられているような「人生の破綻」や「社会的な制裁」といったものではありません。むしろ、法律で認められた正当な債務整理の手段であり、借金問題を抱える方の経済的な再出発を支援する制度です。
特に以下のような状況の方は、自己破産を検討する価値があります。
- 収入に比べて借金が多く、返済の見通しが立たない
- 複数の借入れの返済のために新たな借入れを繰り返している
- 失業や収入減少により、返済が困難になっている
- 返済に充てられる資産がほとんどない
ただし、自己破産は債務整理の「最後の手段」として考えるべきです。まずは専門家に相談し、任意整理や個人再生など、他の方法も含めて検討することをおすすめします。おすすめ事務所の無料相談を利用して、ご自身の状況に最適な解決方法を見つけてください。
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