嫡出子(ちゃくしゅつし)とは?

嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子のことを指します。民法上、嫡出子は父母の相続において第一順位の法定相続人となり、法定相続分は兄弟姉妹で等しく分けられます。

嫡出子の定義と法的地位

嫡出子(ちゃくしゅつし)とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子のことです。民法では嫡出子について、婚姻中に妻が懐胎した子は夫の子と推定する「嫡出推定」の制度があります。

また、婚姻成立前に懐胎し婚姻成立後に出生した子や、婚姻の解消または取消しの日から300日以内に生まれた子も嫡出子として扱われます。

嫡出子となるケース
  • 婚姻中に妻が懐胎した子
  • 婚姻成立前に懐胎し婚姻成立後に出生した子
  • 婚姻の解消または取消しの日から300日以内に生まれた子

上記の表は、民法上で嫡出子として認められるケースをまとめたものです。いずれの場合も戸籍上の父親は夫となります。

嫡出子と非嫡出子の法律上の違い

かつては嫡出子と非嫡出子(婚姻関係にない男女の間に生まれた子)の間には、相続分に差がありました。しかし、2013年の民法改正により、現在では相続分に関する法的な区別はなくなっています。

ただし、戸籍の記載方法や父子関係の成立方法などには依然として違いがあります。嫡出子は出生と同時に法律上の父子関係が成立しますが、非嫡出子の場合は父親による認知が必要です。

項目 嫡出子 非嫡出子
相続分 法定相続分通り 法定相続分通り(2013年以降)
父子関係の成立 出生と同時に自動的に成立 父親の認知が必要
戸籍の記載 父母と同じ戸籍に入る 母の戸籍に入るのが一般的

この表は嫡出子と非嫡出子の法律上の違いを示しています。2013年の民法改正前は非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1でしたが、現在では平等になっています。

嫡出子の相続権

嫡出子は被相続人(父または母)の第一順位の法定相続人です。配偶者と共同相続する場合、子の法定相続分は全体の2分の1となり、子が複数いる場合はその2分の1を人数で等分します。

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人である場合、母の相続分は2分の1、残りの2分の1を子2人で等分するため、各子の相続分は4分の1ずつとなります。

具体的な相続分の例

相続人の構成 配偶者の相続分 子の相続分
配偶者と子1人 2分の1 2分の1
配偶者と子2人 2分の1 各4分の1
配偶者と子3人 2分の1 各6分の1
子のみ(配偶者なし) 均等に分割

上記の表は主な相続パターンにおける相続分を示しています。子が相続放棄をした場合、その子の子(被相続人から見て孫)が代襲相続することになります。

嫡出推定と嫡出否認

民法772条では、婚姻中に妻が懐胎した子は夫の子と推定されます(嫡出推定)。また、婚姻の成立から200日後または婚姻の解消もしくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定されます。

ただし、この推定を覆すための手続きとして「嫡出否認の訴え」があります。これは、子が嫡出子として戸籍に記載されている場合に、法律上の父が生物学的な父でないことを主張して、父子関係を否定するための手続きです。

  1. 否認権者:原則として夫のみが嫡出否認の訴えを起こせます
  2. 提訴期間:子の出生を知った時から1年以内(2023年民法改正前は3年以内)
  3. 立証責任:否認する側が、子が夫の子でないことを科学的に証明する必要があります
  4. 必要な証拠:通常、DNA鑑定などの科学的証拠が求められます

上記は嫡出否認の訴えに関する主なポイントです。2023年の民法改正により、成年に達した子にも一定の場合に否認権が認められるようになりました。

よくある質問

Q1. 離婚後に生まれた子は嫡出子になりますか?

離婚の日から300日以内に生まれた子は、民法上、元夫の子と推定され、嫡出子として扱われます。これは婚姻中に懐胎したと推定されるためです。ただし、実際の父親が別にいる場合は、嫡出否認の訴えによって推定を覆すことができます。

Q2. 嫡出子と非嫡出子では相続分に違いがありますか?

2013年の民法改正以降、嫡出子と非嫡出子の間に相続分の違いはなくなりました。それ以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1でしたが、現在では平等に扱われています。

Q3. 養子は嫡出子と同じ相続権を持ちますか?

普通養子は、養親の実子(嫡出子)と同じ相続権を持ちます。ただし、特別養子の場合は実親との法的関係が終了し、養親との間でのみ相続関係が発生します。どちらの場合も相続分については嫡出子と同等です。

Q4. 認知された子の相続権はいつから発生しますか?

認知された子(非嫡出子)の相続権は、認知の時点で発生します。ただし、被相続人が死亡した後に認知された場合でも、認知の効果は出生時にさかのぼるため、相続権は保障されます。

Q5. 嫡出子が相続放棄した場合、その子供(孫)は相続できますか?

嫡出子が相続放棄をした場合、その子(被相続人から見て孫)は代襲相続によって相続権を取得します。代襲相続とは、本来相続人となるべき者が相続開始前に死亡または相続欠格、相続排除された場合に、その者の子が代わりに相続する制度です。

まとめ

嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子のことで、民法上では婚姻中に妻が懐胎した子は夫の子と推定されます。かつては非嫡出子との間に相続分の差がありましたが、2013年の民法改正により現在ではその差はなくなっています。

嫡出子は被相続人(父または母)の第一順位の法定相続人として、配偶者と共同相続する場合は全体の2分の1を子全員で等分します。子が複数いる場合は平等に分割されます。

嫡出推定を覆すためには「嫡出否認の訴え」という手続きがあり、原則として夫のみが子の出生を知った時から1年以内に起こすことができます。相続において嫡出子の地位を正確に把握することは、円滑な遺産分割のために重要です。

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