換価分割(かんかぶんかつ)とは?

換価分割とは、相続財産を現金化(換価)して、その現金を相続人間で分ける相続分割方法です。不動産や事業用資産、骨董品など、物理的に分割しづらい財産を売却して得た現金を分配することで、公平な相続を実現します。

特に複数の相続人が遺産を共有したくない場合や、財産の性質上分割が難しい場合に選ばれる方法です。

換価分割の基本

換価分割は民法906条に基づく相続財産の分割方法の一つです。相続財産を売却して現金化し、その代金を相続分に応じて各相続人に分配します。

相続財産が不動産や事業など分割しにくい場合や、相続人全員が現金での分割を希望する場合によく選ばれる方法です。相続人の合意があれば、特定の財産だけを換価分割することも可能です。

換価分割の特徴 相続財産を売却して得た現金を分配する方法
法的根拠 民法906条(相続分に応じた分割の原則)
適用場面
  • 物理的に分割が困難な財産がある場合
  • 相続人が遠方に住んでおり共有が難しい場合
  • 相続人全員が現金での相続を希望する場合

上記の表は換価分割の基本的な特徴と適用される一般的な場面をまとめたものです。相続状況によって最適な分割方法は異なります。

換価分割のメリット

換価分割には、相続人間の公平性が保たれやすいなど、いくつかの重要なメリットがあります。

  • 相続財産が現金化されるため、相続人間の公平な分配が容易になる
  • 不動産などの共有による将来的なトラブルを回避できる
  • 遺産分割協議が比較的スムーズに進みやすい
  • 相続税の納税資金を確保しやすい
  • 相続人が遠方に住んでいる場合でも管理の問題が生じない

上記のリストは換価分割の主なメリットをまとめたものです。特に相続財産に不動産が多い場合や、相続人が遠方に住んでいる場合には大きなメリットとなります。

換価分割のデメリット

換価分割にはメリットがある一方で、いくつかの注意すべきデメリットも存在します。

  • 売却に時間がかかり、遺産分割が長期化する可能性がある
  • 市場価格より低い金額で売却せざるを得ない場合がある
  • 売却に伴う仲介手数料や譲渡所得税などのコストが発生する
  • 思い入れのある財産(実家など)を手放さなければならない
  • 相続開始時と売却時で資産価値が変動する可能性がある

上記のリストは換価分割の主なデメリットをまとめたものです。特に不動産市場の状況によっては、想定より低い価格での売却を余儀なくされる可能性があります。

換価分割の流れ

換価分割を行う場合は、以下のような流れで進めていきます。

  1. 遺産分割協議:相続人全員で換価分割を行うことに合意する
  2. 財産評価:相続財産の適正な評価を行う(不動産鑑定士等の専門家に依頼することも)
  3. 売却手続き:不動産会社への依頼や入札など、適切な方法で財産を売却する
  4. 債務の清算:被相続人の借金や相続税などの債務を清算する
  5. 現金の分配:残った現金を相続分に応じて各相続人に分配する

上記のリストは換価分割の一般的な手続きの流れを示しています。実際には相続財産の内容や相続人の事情によって順序が変わることもあります。

遺産分割協議書の作成

換価分割を行う場合も、相続人全員の合意を証明するために遺産分割協議書の作成が必要です。協議書には換価する財産の特定や、売却方法、分配方法などを明確に記載します。

特に「いくらで売れたら分割する」といった条件付きの合意は、後々トラブルの原因になりやすいため、できるだけ具体的な内容を記載することが重要です。

換価分割が向いているケース

換価分割は以下のようなケースで特に有効な選択肢となります。

財産構成による適合性
  • 相続財産が一つの大きな不動産のみの場合
  • 事業用資産が主な相続財産の場合
  • 美術品や骨董品など評価が難しい財産がある場合
相続人の状況による適合性
  • 相続人が遠方に住んでおり財産管理が困難な場合
  • 相続人間で財産の共有を望まない場合
  • 相続人全員が現金での相続を希望している場合

上記の表は換価分割が特に適している状況をまとめたものです。相続財産の内容や相続人の状況を考慮して、最適な分割方法を選択することが重要です。

よくある質問

Q1. 相続人の一人が換価分割に反対している場合はどうすればよいですか?

換価分割を含む遺産分割は原則として相続人全員の合意が必要です。一人でも反対している場合は、話し合いで合意を目指すか、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる方法があります。

裁判所が換価分割が最も適切と判断すれば、反対する相続人がいても換価分割が命じられることがあります。

Q2. 換価分割と現物分割の違いは何ですか?

換価分割は相続財産を売却して現金に換えてから分配する方法です。一方、現物分割は相続財産をそのままの形で相続人に分配する方法です。

例えば、土地と預金があれば、Aさんが土地を、Bさんが預金を相続するといった形です。現物分割は財産をそのまま引き継げるメリットがありますが、価値の均等な分配が難しい場合があります。

Q3. 換価分割にかかる費用はどのようなものがありますか?

換価分割では主に以下のような費用が発生します。不動産の売却には仲介手数料(売却価格の3~4%程度+消費税)、司法書士への登記費用、印紙代などがかかります。

また、売却益に対して譲渡所得税が課税される場合もあります。これらの費用は通常、売却代金から差し引かれ、残額が相続人に分配されます。

Q4. 換価分割の場合、相続税はどのように計算されますか?

相続税は相続開始時(被相続人の死亡時)の財産評価額に基づいて計算されます。換価分割で実際に売却した金額が評価額と異なっていても、原則として相続税の計算には影響しません。

ただし、相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに売却が完了し、その価格が評価額と著しく異なる場合は、実際の売却価格で評価する特例が適用できる場合があります。

Q5. 換価分割と代償分割の違いは何ですか?

換価分割は財産を売却して現金化してから分配する方法です。一方、代償分割は特定の相続人が財産を取得し、その代わりに他の相続人に現金などで代償する方法です。

例えば、Aさんが不動産を相続し、その代わりにBさんに不動産の価値の半分を現金で支払うといった形です。代償分割は財産を売却せずに済むメリットがありますが、代償金の支払能力が必要です。

まとめ

換価分割は、相続財産を売却して現金化し、その代金を相続人間で分配する方法です。物理的に分割が難しい不動産や事業用資産がある場合、相続人が遠方に住んでいる場合、相続人全員が現金での相続を希望する場合などに特に適しています。

この方法のメリットは、相続人間の公平な分配が容易になること、将来的な共有トラブルを回避できること、相続税の納税資金を確保しやすいことなどです。一方で、売却に時間がかかる、市場価格より低く売却せざるを得ない場合がある、売却コストがかかるといったデメリットも存在します。

換価分割を選択する際は、相続財産の内容や相続人の状況を考慮し、他の分割方法(現物分割や代償分割など)と比較検討することが重要です。また、相続人全員の合意を得るための丁寧な話し合いや、必要に応じて司法書士や弁護士などの専門家のサポートを受けることもおすすめします。

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