未成年者控除(みせいねんしゃこうじょ)とは?

未成年者控除とは、相続において20歳未満の法定相続人被相続人から財産を相続した場合に、相続税の計算上、その相続人の相続税額から一定金額を控除できる制度です。

未成年者の将来の生活保障を目的として設けられた税制優遇措置の一つとなっています。

未成年者控除の概要

未成年者控除は、未成年の相続人を経済的に支援するための相続税の特例制度です。未成年者は経済的自立が困難な場合が多いため、20歳になるまでの期間に応じて税負担を軽減する仕組みが設けられています。

具体的には、20歳に達するまでの年数1年につき10万円を控除することができます。例えば、15歳の相続人であれば、20歳までの5年間に対して50万円(10万円×5年)の控除が受けられます。

未成年者控除の計算方法

未成年者控除の金額は以下の計算式で求められます。

控除額の計算式 10万円 × (20歳 – 相続開始時の年齢)
端数処理 1年未満の期間は切り上げて計算します

この表は未成年者控除の計算方法を示しています。20歳から相続開始時の年齢を引いた年数に、1年あたり10万円を掛けて控除額を算出します。1年未満の端数は切り上げて計算されます。

計算例

相続人の年齢 控除額の計算 控除額
10歳 10万円 × (20歳 – 10歳) = 10万円 × 10年 100万円
15歳 10万円 × (20歳 – 15歳) = 10万円 × 5年 50万円
19歳6か月 10万円 × (20歳 – 19歳6か月) = 10万円 × 1年(切り上げ) 10万円

この表は未成年者控除の具体的な計算例を示しています。年齢が若いほど控除額が大きくなりますが、相続時に19歳6か月であっても、1年未満の端数は切り上げて計算するため、10万円の控除を受けることができます。

未成年者控除の適用条件

未成年者控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 相続開始時に20歳未満であること
  • 法定相続人であること(養子も含む)
  • 日本国内に住所を有していること
  • 相続税の申告義務があること

上記の条件を満たす未成年の相続人は、未成年者控除の適用を受けることができます。なお、贈与税については未成年者控除の制度はなく、相続税に特有の控除制度となっています。

未成年者控除の手続き方法

未成年者控除を適用するための手続きは以下の流れで行います。

  1. 相続税の申告書を準備する:相続税申告書とともに未成年者控除を申請
  2. 必要書類を用意する:未成年者の戸籍謄本など年齢を証明する書類
  3. 相続税申告書第15表に記入:未成年者控除の明細を記載
  4. 税務署へ提出:相続開始から10か月以内に申告・納付

この手続きは、通常、相続税の申告と同時に行います。未成年者本人ではなく、通常は法定代理人(親権者や後見人)が手続きを代行します。

未成年者控除の注意点

未成年者控除を適用する際には、以下の点に注意が必要です。

年齢基準 相続開始時(被相続人が亡くなった時点)の年齢が基準となります
控除の上限 基礎控除配偶者控除と異なり、未成年者控除には上限額の制限はありません
代襲相続の場合 代襲相続人が未成年の場合も控除を受けられます
相続放棄の場合 相続放棄をした場合は控除を受けることができません
複数の未成年者がいる場合 それぞれの未成年者ごとに控除を適用できます

この表は未成年者控除を適用する際の主な注意点をまとめたものです。特に、相続開始時の年齢が基準となるため、申告時に20歳を超えていても、相続開始時に20歳未満であれば控除の対象となります。

よくある質問

Q1. 未成年者控除は誰が申告するのですか?

未成年者本人は申告能力がないため、通常は法定代理人(親権者や未成年後見人)が代わりに申告手続きを行います。相続税の申告書に必要事項を記入し、未成年者の年齢を証明する戸籍謄本などを添付して申告します。

Q2. 相続開始時に19歳だったが、申告時には20歳を超えていた場合も控除は受けられますか?

はい、受けられます。未成年者控除は相続開始時(被相続人が亡くなった時点)の年齢が基準となるため、申告時に既に20歳を超えていても、相続開始時に20歳未満であれば控除の対象となります。

Q3. 養子も未成年者控除の対象になりますか?

はい、法定相続人である養子も未成年者控除の対象になります。ただし、相続税の節税対策として作られた養子については、養子の数に制限があることに注意が必要です。

Q4. 未成年者控除と障害者控除を同時に受けることはできますか?

はい、条件を満たせば両方の控除を同時に受けることができます。未成年者で障害者の要件も満たす場合は、未成年者控除と障害者控除の両方を適用することが可能です。

Q5. 未成年者控除は贈与税にも適用されますか?

いいえ、未成年者控除は相続税にのみ適用される制度であり、贈与税には適用されません。贈与税には別途、暦年贈与の基礎控除(年間110万円)や教育資金の一括贈与の非課税制度などがあります。

まとめ

未成年者控除は、相続において20歳未満の法定相続人が受けられる特別な控除制度です。20歳に達するまでの期間1年につき10万円が控除され、未成年者の将来の生活保障を目的としています。

控除を受けるには、相続開始時に20歳未満であること、法定相続人であること、日本国内に住所を有することなどの条件を満たす必要があります。相続税の申告時に未成年者の年齢を証明する書類を添えて申請します。

未成年者控除は基礎控除や配偶者控除とは異なり、控除額に上限はなく、年齢が若いほど控除額が大きくなる特徴があります。また、障害者控除など他の控除と併用することも可能です。

相続における税負担を軽減する重要な制度ですので、条件に該当する場合は忘れずに申告するようにしましょう。相続税の申告は専門知識が必要なため、不明点がある場合は税理士や司法書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

相続用語集一覧に戻る

日本リーガル司法書士事務所に電話で無料相談する日本リーガル司法書士事務所にメールで無料相談する

日本リーガル司法書士事務所に相続の無料相談をする

事務所案内

アクセス

相続の用語集